あの日からの今日・・・

 

 

 

やっとみつけた〜

暗くなっても帰ってこないから、ずっと探してたんだよ〜

これ、わたし不器用だから時間かかっちゃったけど

いっしょうけんめい作ったんだよ

受け取って・・・もらえるかな・・・・?

わたしね、ずっと言えなかったんだけどね

わたし、ゆういちのこと・・・・

「うるさいっ!」

あっ・・・・・

ごめんね、雪・・・

嫌いだったよね

ごめん・・・・ね・・・・・・・・・

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             ・

             ・

12月・・・・・・・冬休みも間近に迫ったある日。

わたしは放課後の校庭のかたすみにいた。

名雪「わぁ〜、雪ウサギだ〜」

わたしは雪ウサギを見つけた・・・。

          ・

香里「名雪―、なにやってるの?早く帰りましょ」

名雪「あ、香里〜。見て見て、ほら雪ウサギだよ〜」

香里「うわ〜、なにこの雪ウサギの大群は・・・」

そこにはわたしの作った雪ウサギたちがいた・・・。

名雪「わたしが作ったんだよ、スゴイでしょ〜」

香里「どうするのよ、こんなに作って?」

名雪「どうするって、ただ作っただけだよ。カワイイでしょ〜」

香里「それはいいとして、あなた手が真っ赤じゃないの。それに頭に雪が積もってる」

知らない間に雪が降り始めていた。

名雪「気付かなかったよ〜、ありがと香里」

香里「それじゃ、早く帰りましょ。このままじゃ風邪ひきそうだわ」

名雪「うん、じゃあ行こ」

              ・

名雪「ただいまー」

秋子「おかえりなさい。・・・・あら、名雪どうしたの?」

名雪「うにゅ〜、なんかフラフラするよ〜」

秋子「大丈夫?」

名雪「あははは、お母さんがたくさんいるよ〜」

ぱたっ・・・。

秋子「あらあら、大変。・・・・熱があるわね。」

名雪「うにゅ」

・・・・・・倒れてしまった。

            ・

            ・

            ・

雪が降っていた

音も無く、暗く、しんしんと降り続ける

すべてを真っ白に

優しく、覆い尽くしていく

そこに、何も無かったかのように

だから雪は好き

だから雪は嫌い・・・・・・

            ・

ここはどこ?

駅・・・・・・・・

ベンチ・・・・・・・・

こども・・・・・・

あれは・・・わたし?

誰かを待っている?

誰を待っているの?

「祐一をまってるの」

祐一を?

来ないよ・・・祐一は

「なんで?」

だって祐一は帰っちゃったもの

もう来ないよ・・・だから帰ろう

「だって約束したもん」

だけど祐一は来なかった・・・

何時間も、何時間も暗くなるまで待った

次の日も、また次の日も

もう来ないってわかってるのに

彼女はそこで待ち続けた・・・

来るはずの無い人を

どうして待っていられるの?

「だって、祐一のこと好きだもの」

「それに・・・信じてるから」

「あなたは祐一のこと好きじゃないの?」

わたしも祐一のことは好き・・・・・・でも

祐一は雪が嫌いだから

ここには帰ってこないよ

この街には・・・・もう・・・・

「祐一に逢いたくないの?」

逢いたい・・・

「じゃあ、なんで帰ってこないって諦めてるの?」

え・・・

「あなたが『逢いたい』という想いを抱いていれば」

奇跡だって起こるかもしれないよ

でもこれは奇跡じゃない・・・・・・・

・・・・・・・・・・・運命・・・・・・・・・だから・・・・・・・・

            ・

夢を見ていた

悲しい

悲しい夢だった

でも

すこしだけ嬉しかった

トンットンッ。とドアをノックする音

秋子「名雪起きてる?」

名雪「うん、起きてるよ」

お母さんが部屋に入ってきて

秋子「もう大丈夫なの?」

名雪「うん、すこし熱っぽいけど。明日には大丈夫だと思うよ」

秋子「そう、よかった。おなか空いてるでしょ?これ食べて薬を飲んでおきなさい」

名雪「ありがとう、お母さん」

秋子「じゃあ、明日には良くなってね。おやすみ」

名雪「うん、おやすみなさい」

          ・

          ・

          ・

翌日・・・・

名雪「おはよう、お母さん」

秋子「おはよう、名雪。もう大丈夫みたいね」

名雪「うん、おかげさまで。ありがとう、お母さん」

秋子「どういたしまして。さ、ご飯にしましょう」

そして、とつぜんお母さんが言った

秋子「名雪、祐一さん覚えてる?」

名雪「えっ・・・・・」

ゆう・・・・・いち・・・・・?

秋子「今朝ね、祐一さんから電話があったの」

名雪「ゆういち・・・・から」

秋子「今度ね・・・・・・・・・・・」

           ・

           ・

           ・

           ・

秋子「祐一さんの顔、覚えてる?」

名雪「当たり前だよ〜」

秋子「ふふっ、大丈夫そうね」

名雪「確か、1時に駅前で待ち合わせだったよね?」

秋子「そうよ、遅れちゃダメよ」

名雪「だいじょうぶだよ〜」

雪が降っていた

暗く厚い雲に覆われた空から

とめどなく降りてくる

わたしの好きな、そして嫌いな雪とともに

祐一が帰ってくる

この街に

この家に

これで・・・・・・・・

冬も、雪も・・・・・・

もっと好きになることができると思う

嫌いじゃなくなることができるかもしれない

そして、願わくば

祐一が雪を好きになってくれますように

そう願いをこめながら

声をかける

大丈夫、きっと

祐一は覚えてるよ、あなたのこと

うんっ!

           ・

           ・

           ・

「雪、・・・積もってるよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一言:お待たせしました、第5弾であります。また名雪であります。名雪萌え、あつまれっ!て感じです。

   なんと今回もBOM!さんのご依頼で『雪』と『切なさ』をテーマに書きました。

   テーマにそってなかった。なんてこといわないで下さいね。雪、切なさを合わせた話だと

   どうにも名雪しか合うキャラがいなくて困りました。また名雪かよ、○○をだせー!

   なんて方がいたら、リクエスト取りますので、BBSもしくはメールにて言ってきてください。

   自分としてはもうちょっと長い話にしたかったのですが、書いてるうちに短くなっちゃいました。

   では、毎度の事ながら感想&リクをお待ちしております。