朝の悪夢
「あさ〜あさだよ〜。朝ごはん食べて学校行くよ〜」
カチッ、と目覚ましを止める。
そして着替えてから名雪の部屋の前に立つ、
祐一「名雪ー、朝だぞ。起きろっ」
ドンドンとドアを叩き、一応名雪が起きたことを確認して
階段を下りる。そして顔を洗い食卓へ。
秋子「おはようございます、祐一さん」
祐一「おはようございます」
いつもと変わらない朝の挨拶。
そして、俺の前に淹れたての紅茶が置かれた。
祐一「今日はコーヒーじゃないんですね?」
秋子「すみません、コーヒーがきれてしまっていて」
祐一「いえ、いいですよ。たまにはこういうのもいいです」
紅茶の新鮮さを味わいながら、トーストの焼き上がりを待った。
そこへ、寝ぼけ眼を擦りながら名雪が降りてきた。
名雪「おはよ〜お母さん、ゆういちもおはよ〜」
秋子「おはよう、名雪」
祐一「ああ、おはよう」
秋子「あら、真琴は?まだ寝てるのかしら?」
祐一「まだ寝かしておいてあげましょう、その方が平和です」
せめて朝飯くらいは穏やかにすごしたい、そう思った俺は自然とそう答えた。
やがて俺と名雪の前に焼きたてのトーストが置かれた。
祐一・名雪「いただきまーす」
そして名雪はいつものように、たっぷりとイチゴジャムをぬって食べている。
俺は甘いものがあまり好きではないので、バターだけぬって食べている。
いつもと変わらない、そうおもっていた・・・。
俺はトーストを食べ終わり、紅茶の残りを飲んでいた時だった。
名雪はまだ半分ほどトーストが残っていた。
祐一「名雪、早くしろよ。また走る羽目になるぞ」
ところが、そこで名雪の様子がおかしいことに気付いた。
テーブルに肘をついて、ぐったりとしている。
祐一「どうした、なゆ・・きっ!!」
なんと名雪は目をあけたまま意識を失っていた。
祐一「名雪っ、名雪っ。おいしっかりしろ、どうした。・・・・はっ!」
まさかと思いつつ、残されたトーストに塗られたジャムをなめてみた
祐一「こ、これはっ」
あのジャムだった。
しかし色は以前と違い赤く、まさにイチゴジャムそのものだった。
なんとイチゴジャムにカムフラージュされていたのだった。
なぜこんなことを。
そこでまたあることに気付いた。
それは俺の飲んでいた紅茶だった。
名雪にも同じ物が出されたので、名雪のカップにのこったそれを飲んでみる。
同じ味だ。同じ味のロシアンティーだった。
かすかだがあのジャムの、言葉にできない味がする。
これにもあのジャムは仕込まれていた。
祐一「秋子さんっ、これは一体」
秋子「あら、ジャムをトーストに使うだけじゃもったいないでしょ?だから、紅茶にいれてみたの。どうだったかしら?」
秋子さんに悪気は無かった。
だが、俺の横では今も名雪が意識を失ったままだ。
祐一「名雪っ、名雪っ、おいしっかりしろ。名雪」
名雪は一向に意識を取り戻す様子は無い。
秋子「あら、名雪ったらご飯食べながら寝てしまったの?お行儀が悪いんだから」
秋子さんはいつものように、頬に手を当てて困った様子は見せずに困っている。
そのとき、俺にもあのロシアンティーの効果が現れ始めた。
祐一「うっ、くっ!」
意識を保とうとするが、体がそれを許さなかった。
体中の細胞が悲鳴をあげている。
秋子「あらあら、祐一さんもこんなところで。困ったわね」
闇へ落ちていく意識の中で秋子さんがあのジャムをしまっていた。
そこで意識は途切れ、目の前が暗転していった。
・
・
・
祐一「はっ!」
俺は目が覚めた。
枕もとではいつものように目覚ましがなっている。
同じ月日、いつも起きる時間を時計はさしていた。
祐一「夢・・・だったのか?」
まだあの出来事が夢なのか現実なのかはっきりしない。
かなり汗をかいたらしく、パジャマまで背中に張り付いていた。
恐ろしい夢だった。
祐一「・・・・・・・。」
もうあのことは考えたくなかった。
着替えて、名雪を起こし、顔を洗い、食卓へつく。
秋子「おはようございます、祐一さん」
祐一「・・・・お、おはようございます」
そして俺の前には紅茶が置かれる。
祐一「・・・・・・・・。こ、これは・・・・。」
あの時と一緒だった。
秋子「・・・・祐一さん、どうかしましたか?」
祐一「いえっ、今日はコーヒーじゃないんですね」
秋子「ええ、すみません。コーヒーはいま切らしてしまっていて」
祐一「そ、そうですか。」
秋子「ごめんなさいねコーヒーの方が良かったかしら?」
祐一「いえ、これでいいです、はい。・・・・・・・・。」
秋子「・・・・?」
これも同じだった。
そして俺は、紅茶に一口もつけられなかったことは、いうまでもない。
そして、秋子さんがキッチンへ戻った時、一瞬鮮やかなオレンジ色が見えた気がした。
俺は怖くなり、あえてそれを見なかったことにした。
そして一日は何事も無く始まっていった。
一言:あくまではじめて書いてみたものですからつくりがへんかもしれないし、
文章も稚拙かもしれません。その辺をご理解のうえ、次回に期待してください。
いつになるかわかりませんが(汗。一応、祐一がこの話ではメインなので祐一ばっか喋ってます。