追跡調査!

 

 

 

 例の一件以来、俺はかなり気になっていることがあった。

 そして今日、それを確かめるべく実行に移そうと思う。

 だがそれが明らかになった時、俺一人の心が耐えられるか自信が無い。

 なので、同行者を集めることにした。

祐一「なあ名雪、香里」

名雪・香里「なあに?」

祐一「あのな、今日ちょっと付き合ってもらいたいんだけど?」

名雪「祐一、わたしだけじゃダメなの?」

 目を潤ませて名雪が上目遣いに訴える。

祐一(嗚呼、イイッ!)

香里「相沢くん、堂々と二股はダメよ。それに私はお断りだわ」

 意識が現実に引き戻される。

 危うく本題を忘れてトリップする所だった。

祐一「ちがうっ!そういう話じゃないんだって」

名雪「そうなんだ〜、よかったよ〜」

香里「冗談だけどね。そんなことくらいわかってるわよ」

 まったくこいつらは・・・。

 本題に入る。

 辺りを見回してみるが、好都合なことにアイツの姿は無い。

祐一「あのな、北川のことなんだが・・・」

名雪「北川くん?」

香里「私、帰ろうかな」

 いきなり帰ろうとする香里。

祐一「待て待て、話だけでも聞いてくれ」

香里「しょうがないわねー、でも聞くだけよ」

 何とか引き止めた。

香里「で、北川くんのなんなの?」

祐一「ああ。例の一件以来、あいつの私生活がスゴク気になるんだよ」

名雪「例の一件って・・・あ〜、あのハンバーガー食べに行ったと・・・・ムグッ!」

香里「名雪、あれは思い出させないで」

 香里が名雪の口を塞いでいた。

祐一「それで、明日の土曜日にあいつを尾行しようと思うんだ」

名雪「つけてどうするの?」

祐一「お前らは気にならないのか?北川がどんなことをしてるのか」

名雪「すこし気になる・・・」

香里「気になるけど・・・蓋を開けるのは怖いわね」

 確かに怖いが、心構えは出来ている。

祐一「気になるんなら明日一緒に行かないか?」

名雪「・・・・うん。わたしはいいよ」

香里「もうっ、これじゃ断れないじゃない」

祐一「じゃあ、三人で行くことにけっていだな。」

名雪「そうだね〜」

祐一「いや〜正直一人で耐えられるかわからないから、誘ったんだよ」

香里「そんなことだと思ったわよ」

祐一「じゃあ、明日の朝9時に学校に集合!」

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               ・

香里「やっと来たわね」

祐一「すまん、遅れた。まったく〜名雪のせいだぞ」

名雪「ごめんね〜、香里。わたし朝よわくて〜」

香里「ま、いいわ。名雪のは今に始まったことじゃないから」

名雪「うううぅ〜」

香里「そんなことくらい、計算済みよ」

 名雪が落ち込んだ。香里ならそのくらい考えてないわけないのに。

祐一「で北川の家はどこにあるんだ?」

香里「えっと、ここから5分くらいね」

祐一「時間が遅れた分急いだ方がいいな」

香里「そうね」

名雪「2人ともヒドイこといってる・・・」

 俺たちは足早に北川の家へ向かった。

 そして着いて間もなく北川が出かけていく。

 俺たちは尾行を開始した。

祐一「どこへ向かってるんだろうな?」

香里「う〜ん、商店街辺りじゃないかしら?」

名雪「百花屋にいきたいな〜。イチゴサンデー食べたいな〜」

祐一「一人で行け」

 軽くあしらう。

名雪「うう、祐一ヒドイ」

 名雪は無視した方がよさそうだ。

 そもそも、こうなることはわかってたのに何故名雪を誘ったんだろう。

 失敗だった。

 北川を追っていたら香里の言うとおり、商店街へ出た。

祐一「う〜む、これといってまだなにもしてないな」

香里「だからって油断したらダメよ。相手は北川くんなのよ」

祐一「ああ、そうだったな」

名雪「あ、本屋さんに入っていくよ〜」

祐一「行くぞっ」

 北川の入っていった本屋は意外と大きなもので、4階建てのビルだ。

 各階にそれぞれ異なったジャンルの本が置かれていた。

 北川はその最上階を目指していた。

 案内板に目をやると、そこはコミック・ゲーム書籍とある。

祐一「マンガ、ゲーム。まあ北川らしいな」

香里「そうね、なんか拍子抜け」

名雪「う〜ん」

香里「前のからするともっと凄いことすると思ったのに」

 北川はマンガを立ち読みしていた。

 だが気に入るものが無いのか、手にとってはすぐに戻す。

北川「萌えはないのか?萌えは」

 ん?

 何か北川が言ったような気がしたが、遠くて聞き取れなかった。

 そのあと北川はある本を手にとり、目を輝かせながらカウンターへ行った。

 その本のある場所に行ったがどの本かわからなかった。

祐一「どの本だったんだろうか?」

香里「さあ、私はマンガは読まないからわからないわ」

 再び北川へ目をやる。

 こんどはカウンターにあるショーケースを見入っていた。

 そしてショーケース内のものを注文していた。

祐一「何を買ってるんだ?名雪わかるか」

名雪「わたしに聞かれても困るよ」

香里「私、なんだか嫌な予感がするわ」

祐一「縁起でもないこと言うなよな、こっちまで怖くなる」

 だが、その予感は現実となっていった。

 カウンターへいって北川が何を買ったか聞いてみる。

祐一「すいません、さっきの男の子は何を買っていきましたか?」

店員「えっと、これとこれですね。」

祐一「え、こ、コレですか?」

店員「はい、あとこの本ですね」

香里「!?」

名雪「面白いねこのこ、ねこさんの耳が付いてるよ〜」

祐一「ね、猫耳・・・ウサ耳・・・」

香里「相沢くん、私帰っていい?」

祐一「まてまて、ここまできたんだ。最後まで付き合ってもらうぞ」

香里「はぁ・・・」

 北川の買っていた物。

 それは最近一部で流行っているという、『萌え』とかいうような物だった。

 北川を見失わないように続けて後を尾行けることにした。

 北川が立ち止まった。

 何かに見入っている。

祐一「あれは・・・・」

 100円や200円入れるとカプセルの出てくる、ガチャポンなるものだった。

 しかもカプセルの中身をしめす表の絵が、さっきの耳付きキャラクターと酷似している。

名雪「あれも猫さんかな〜」

香里「あはは・・・は・・・あは」

祐一「・・・・・・・・・」

 やはりというか硬貨をいれてやりだした。

 一個、二個・・・と増えていく。

北川「くそっ、あと一つなのに、なんで出ないんだよ」

 最終的にはその機械のカプセルを出し尽くしたらしく。

 数十個のカプセルを持って本屋を出て行く。

香里「やっぱり私帰る」

祐一「まてよ〜、最後まで付き合えよ〜」

香里「はぁ、わかったわよ。だからほら、泣きつかないで」

 香里を引きとめ、さらに北川を追う。

 次に入った場所は模型屋だった。

祐一「プラモデルでも買うのだろうか?」

香里「だったらまだましね」

 北川はカウンターへ向かっていく。

 俺達はそこから死角になる場所から様子をうかがった。

北川「こんちわ〜、この前注文したの出来てる?」

店主「おお、やっぱりきたか。ほれ、出来たぞ」

北川「おお、コレを待っていたんだ。くぅ〜やっぱいいな〜」

北川「も、萌えっ!」

祐一・香里(萌えっ!?)

 よくみるとそれは・・・・

祐一「うげっ!」

香里「もう見てられないわ・・・」

 さっき本屋で買っていたマンガのキャラクターの人形だった。

 しかも精巧に作りこまれている。

 マンガの絵そのものだった。

北川「で、これいくら?」

店主「お得意さんだからな・・・」

祐一・香里(お得意様っ!?)

店主「2万円にまけといてやるよ」

祐一・香里(2万っ!?)

北川「おおーありがとう。じゃコレ」

店主「あい、まいどあり」

北川「またたのむよ、じゃ」

祐一・香里(またなのっ!?)

店主「おう、じゃあな」

香里「相沢くん、私帰るね・・・」

祐一「あ、ああ俺も帰るよ・・・」

               ・

               ・

               ・

祐一「ふう、まさかあそこまでいくとは・・・・。ん?あれ、名雪がいつのまにかいない」

 まいいか、先に帰ったのだろう。

祐一「ただいまー」

名雪「おかえり〜祐一〜」

祐一「ああ名雪、ただい・・・・いっ!」

名雪「見て見て、かわいいでしょ〜。ネコさんだよ〜」

 名雪の頭に新たな耳が生えていた。

祐一「お、お前それどうしたんだ・・・・?」

名雪「えとね、あの本屋さんで見かけて、かわいいから買ってきちゃった」

 よく見ると・・・・・・

 いいかも・・・・・

 萌え?

 コレが萌え・・・・

 萌えか〜

 ちょっとだけ北川の気持ちがわかった気がする。

 ほんのちょっとだけだが・・・。

名雪「どうしたの、祐一?」

祐一「・・・・・・・・」

名雪「お〜い、ゆういち〜?」

祐一「あ、ああなんだ、名雪?」

名雪「これどう?かわいいかな?」

祐一「・・・・・・・・・・ああ、かわいいよ」

名雪「よかった〜。アリガト、祐一」

 

祐一(ビバッ、萌えっ!)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一言:え〜、北川ネタ第2弾です。自分としてはそこそこ書けたんではないかと思います。

   第1弾を読んでない方は第1弾を読んでから、これを読んだ方がいいかと。

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