夢の傷跡・・・・
あゆ「うぐぅ、祐一くんやっぱりボクのことキライ?」
祐一「そんなことないぞ、単にからかってみただけだ」
あゆ「うぐぅ」
名雪「祐一〜、それくらいにしてあげなよ」
祐一「冗談だ」
名雪「あゆちゃんだって、来月から同じ学校に通うんだよ」
あゆ「そうだよ、なのにそれを・・・・中学生だなんて」
祐一「悪い悪い、あゆがあんまり可愛らしいもんでな・・・くくっ」
あゆ「ひどいっ、まだ笑ってるー」
そう、ボクは7年間、夢を見ていた。
終わらないと思っていた夢。
来るはずが無いと思っていた朝。
いまこうしていられること・・・・
ボクは今、すごく幸せ。
祐一「それにしても、よく頑張ったな」
名雪「うんうん、勉強もリハビリもすごく順調だね〜」
祐一「これなら何の問題も無いな」
あゆ「そ、そうかな・・・・・ありがと」
リハビリ・・・ボクが眠っていたことを再確認する言葉。
だけどボクが今ここに居る、証明でもある。
祐一「この調子なら来月といわずとも、明日からでも大丈夫そうだな」
あゆ「だめだよ、祐一くん。お医者さんにも無理は禁物って言われてるんだから」
祐一「そうだったな」
そう、来月からボクの新しい生活が始まる・・・。
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あゆ「祐一くん遅れちゃうよ、このままじゃ・・・」
祐一「初登校で遅刻とはな・・・・これもみんな・・・」
名雪「はい、わたしのせい・・・」
例によって名雪さんが遅くて、遅刻しそう。
初登校から遅刻なんて・・・・遅刻魔確定だよ、うぐぅ。
校門に着いたところで予鈴がなる。
祐一「時間が無いから俺達はこのまま教室に行くから。あゆは職員室に行ってくれ」
あゆ「うん。でも職員室ってど・・・・・」
どこにあるの?
と聞こうとしたけれど、2人はもうはるか彼方。
あゆ「うぐぅ、職員室ってどこ〜?」
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祐一「あゆのやつ、大丈夫だったかな」
名雪「職員室の場所がわかればいいんだけど・・・」
祐一「ま、あいつのことだ大丈夫だろ」
教師「全員席につけー」
祐一「石橋が来たって事は、大丈夫だったみたいだな」
教師「今日は転校生を一人紹介する。よろこべ男子、女の子だ」
中から歓声が聞こえる。
すごく緊張する。
教師「じゃあ入ってきて」
呼ばれて教室の中へ。
先生の横に立つ。
教師「月宮 あゆさんだ」
名前を呼ばれる、すごく緊張して目の前がぐるぐるする。
あゆ「えと、月宮あゆです。よろしくお願いします」
教師「えと、空いてる席は無いか・・・。」
祐一「先生、北川いないからここでいいんじゃないですか?」
教師「ああ、そうだな。また席は作るから、今日はあそこに座ってくれ」
あゆ「はい」
よかった祐一くんたちの近くだ。
クラスは祐一くんと名雪さんが頼んでくれて、同じにしてもらったけど。
席までは決められなかった。
あゆ「祐一くん、よかったよ近くで」
祐一「ああ、そうだな」
名雪「ホント、よかったね」
祐一「といっても、今日はこれで終わりだけどな」
あゆ「え、そうなの?」
名雪「今日は始業式だけなんだよ」
あゆ「そうなんだー。ちょっと残念」
祐一「よかったんじゃないか?授業でまともに答える自信あるか?」
あゆ「うぐぅ、・・・ない」
祐一「ま、明日からはちゃんと授業があるけどな」
名雪「今日は部活も無いし、帰ろっか」
祐一「そうだな」
そうだ、今日は・・・。
あゆ「ごめん、ボクは今日病院にいくんだ」
祐一「そっか」
名雪「じゃあ早く行ってきてね。お昼の準備して待ってるから」
あゆ「うん」
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学校を出て病院へ。
20分くらい歩くと着くところにある。
ボクがいた場所。
7年間、待ち続けた場所。
今日は検査の日。
健康になったとはいえ、定期的に検査が必要だとか。
でも病院は混んでいた。
何分くらいかかるかきいてみたら。
「あと30分くらいですね」
結構時間がある。
それまで病院内を見てまわることにした。
ボクがいた場所。
でもなにがあるのかは知らない。
ボクは眠っていたから・・・・。
ずっと、ずっと・・・・・。
眠り続けていた。
するとボクの病室だったところにさしかかる。
7年間待ち続けた部屋。
季節の無い空間。
変わらない天井。
あゆ「え・・・・、うそ・・・?」
病室の札には
月宮 あゆ 様
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ボクはここにいる?
「あなたは誰?」
ボクは月宮 あゆ。
「ボクは月宮あゆ。あなたも月宮 あゆなの?」
え?
キミはボク?
「ボクはキミ」
じゃあ
ボクはだれ?
うそ・・・・
うそだよ・・・・
ボクはまだ
ここにいる
この季節の消えた場所
時間の止まった部屋で
ボクは待っている
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夢を見ていた
嬉しくて
あたたかくて
幸せな
でも
悲しい
今でも、まだボクは夢の中を彷徨い続けている・・・
繰り返される夢の中で
悲しみに満ちたこの場所で
ずっと待っている
ボクはずっと朝を待っている
来るはずの無い、朝を望んで・・・・・
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「あゆ」
「あゆ、ごめんな」
声が聞こえる
「遅くなっちまって、ごめんな」
あたたかい声が聞こえる
「7年間も待たせて・・・」
「でもこれからはお前のそばにいる」
明けない夜の闇を光が照らす
「だから、あゆ」
ずっと待ち続けた朝がやってくる
「目を覚ましてくれ・・・」
奇跡の夜明け・・・・
あゆ「おはよう、祐一くん・・・・・・・・・・・」
一言:すごくまじめに書きました。北川のアフォ話とはわけが違います。
ちょっと泣けてきますよ(つロT)。とまあ、どう感じるかは個人の感性によって違いますから。
こういう話がすごく好きだって人もいれば、大嫌いって人もいます。それは当然です。
ただ自分が好きなものを書いている。それだけなんです。
ここにこられる皆さんは、どう感じたかはわかりませんが。
リサーチの意味もこめて、こういう話が好きか嫌いかBBSに書き込んでくれませんか?
今後の作品の参考にしますので。ではお願い致します。