この想い危険につき。
・・行方知れず。
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ピーッ
携帯が無機質な音で鳴る。
−メッセージが届いています−
【元気かぁ?俺は元気だ。また会おうな。】
おッ!裕介か。
相変わらず簡潔な文章だなぁ。。
ま、アイツらしいけど。
【俺も元気だ・・近いうちにでも遊ぼうゼ】
短く返事を打ち終えた携帯をベッドの上にポイっと放り投げ横になる。
・・と、途端に携帯が先程とは変わり軽快なリズムを奏でる。
無機質な音しか奏でないハズの俺の携帯から・・
大人気アーティストのあの曲が。
「彼女」と呼ばれる存在の夏美、十年来の付き合いの裕介でさえ変えてない着メロ。
【1日お疲れ様でぇす☆おやすみなさぁーい♪イイ夢見てね( _ _ ).。o○】
・・あのコからだ。
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「美容師サンって出会い沢山あるんぢゃないですかぁー?」
鏡越しイタズラっぽい顔をしてこんなコトを聞かれた。
今日の一人目のお客様:小川恵那様。
常連さんだ。
「ないですねぇ。やっぱり近所の評判とか気になりますし下手なコトは出来ません・・」
苦笑いして俺はそう答える。
・・実際、近所の評判ほど恐ろしいものはない。
それで潰れる店が多いんだ、今の世の中・・。
「お客さんに誘われたり・・も?」
【アシスタントが辞めた】と言ってからいつも以上によく話す彼女。
元々3人でやってたこの店。
・・一気に2人とも辞めやがった。
おかげで俺1人でこの店をやっている。
だから、今は彼女と俺の2人きりなのである。
「たまにはありますよ。でも・・うまくかわします。他にお客さんがいたりするとマズイですし」
彼女の髪を染めながら答える。
そうなんだよなぁ・・
他に誰かいるとマズイんだよなぁ。
「今は2人きりだから良いんですけどねぇ」
・・・!!!!
し・しまった!
つ・・つい。。
「・・・あはははっ」
ケラケラ彼女が笑う。
「ど・・同性だったら友達になって飲みに行くって事もありますけどね」
慌てて付け足す。
・・俺ってバカ?。
BGMダケが流れる店内。
さっきまでの雑談が嘘みたいにとても静かな彼女。
鏡越し目があったと思ったら・・
「あの・・・河野さんはメールとかよくされるんですか?」
唐突にこんな事聞くもんだから。
「えぇ、ガンガンしますよッ」
・・・ガンガンっておい。
俺あんまりメールしないじゃないかよ。
いつもそれで夏美に怒られてるクセに。。
「小川さんはメールされるんですか?」
動揺を隠すように口から漏れる言葉。
でも、俺の素直な質問。
「しますよ。・・・あの・・・もしよかったらメール交換しませんか?」
再び、鏡越し目があう。
何か面と向かって聞かれるより、意識してしまう・・。
「僕とですか?・・良いですよ」
にっこりと営業スマイルを作る俺。
「小川さんはアドレス変えてるんですか?」
続けて話す俺。
・・なんか緊張なんてしてやがる。
丁度カラーリングが終わるトコロだ。
「えぇ・・なんか電話番号のままだと怖くて。」
ジーッと鏡越し俺を見ながら言う。
・・女の子なんだしもっともな意見。
「俺はめんどくさくて変えてないですけどね」
ハハっと笑ってアラームを取りに裏へと急ぐ。
ふと裏に置いてある鏡に写る自分。
・・にやけてんじゃねぇよ、俺。
まさか嬉しいなんて思ってないよな?
あのヒトには恋をしてはいけない。
・・ソレは【お客さん】だからじゃなく・・
Love is blind.
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