気付かなかった気持ち。
この気持ちには気付かない方が良かったの?

お互い【特別】な想いのまま・・
これから【友達】してくんだね。
FRIEND
「おめぇはさぁ、足太すぎなんだって。」

ヒトの顔を見るなり、この第一声。

「・・・うっさいよ?元気か?くらい言えないワケ?」

思い切り不機嫌な顔で睨み返す。
ホントに朝から失礼なヤツだ。
・・10歳年上のヒトに向かってタメ口で話すアタシも失礼なヤツ?

「俺様が逢いに来てやってんだぞ?感謝しろよなー」

なんて平気で言うこの人。
根田宏一・・アタシの腐れ縁さん。
北の方から南の方まで逢いに来てくれたのだ。

アタシが【顔が見たい見たい】ってメェルでうるさいから、だそーだ。

一応こんなヒトでもアタシにとっては【特別】なヒト。


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「何だよ。おめぇかよぉ・・あぁー何で小田ちゃんがでねぇんだぁ」

此処はアタシが高校卒業して初めて就職した運送会社。
・・電話の向こうから聞こえる苦笑いした声が聞こえる
会社の電話がナンバーディスプレイになったのを知らないな?

「そりゃぁ・・根田さんのこと嫌いだもん、先輩はぁ・・ププッ」

思わず笑いがこみあげる。
根田さんは去年の忘年会以来、小田先輩のコトがお気に入り。
アタシはアタシで彼の会社の人に見初められてお付き合いしてる最中。
でも・・アタシと先輩【似てる】ってよく言われるんだけどこの【差】は何なのか・・。

「うっせぇなぁ。恥ずかしがってんだよ。誰かさんと違ってデリケートだからよぉ」

根田さんは、アタシにだけいつもこう。
悪態ばっかついてくるんだから・・
アタシ、なんか悪い事しましたか?

「はいはい。お疲れ様です。んと積みあがりで良いんだっけ?」

目の前の配車表に目を落として確認する。
ん・・?明日の降ろしは会社の近くか。
根田さんはアタシの会社の子会社の運転手さんなのだ。

「おうっ。疲れたべー。明日はお前の汚い顔見に会社寄るからよっ」

もうっ・・って言いかけたら切れた・・。

「チックショーッ・・切れたしっ」

勢いよく受話器を戻すと目の前に座っている小田先輩が大爆笑。

「ほんっと、根田さんと仲良しだよねぇ・・てかまたコントでもしてた?」

小田先輩はアタシより2つ上でこの会社に4年も勤務されてる大ベテラン。
見た目で判断しちゃいけないけど金髪で派手な先輩を最初見たトキ怖かったっけ・・
それが今は公私共に【姉妹】のように可愛がってもらってる。

「悪口ばっかり言われるんですけどぉ。。また先輩の事言ってたよぉ〜。」

アタシがこう言うと顔色ひとつ変えず。

「興味ないからなぁ〜」

くぅぅぅ・・かっこよすぎる!!。
こういうクールなトコも大好き。
仕事が出来て、優しくて頑張り屋さんで・・
ちょっとハスキーボイスな先輩はアタシの憧れの女性。

「てかヨッシー帰り買い物行こうぜぇ。」

満面の笑みをアタシに向ける。
【あぁーコレを根田さんが見たらメロメロなんだろうなぁ・・】
なんてどぉでもいいコト考えてた。
でも・・うん、ちょっとだけ気持ちがわかるかも。


++++++++++++++++++++++++++


「あのさ、ヨッシー」

ひとしきり買い物を終え、車に戻りエンジンをかけた後いつになく神妙な顔の先輩。
その一言を言ってから全く動かない。

「ん?どぉしましたぁ〜?」

ちょっと不安を隠せないアタシも妙なテンションで先輩の呼びかけに返事をする。
ウーファーの音だけがドンドンと心地よくお腹に響く。
無言が続き耐えかねたアタシ。

「もしかして、出来ちゃったとか〜?」

なぁーんてね・・って言おうとしたアタシの隣。
豆鉄砲を食らったハトみたいな顔をしてこっちを見てる先輩。

「へッ?」

今度はアタシがその豆鉄砲を食らうハトの番。

「生理来ないなーって思ってさっき店のトイレで検査薬した」

はははッ・・って乾いた声で笑う先輩。
こーいうときどう声を掛けたらイイのか見つからなくてアタシ情けなく思った。
【オメデトウ】って言っても・・いいの?
先輩には付き合って1年になる彼氏さんがいる。
アタシも何度か一緒に食事をした事がある人。
笑顔がとても印象的な人だった・・。
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