菜摘子の詩
無限軌道
死にたいと思ったことは有りますか?
死に至る手段をあれやこれやと思い煩ったことが有りますか?
ロープ、睡眠薬、電車、車、ビル、毒薬、山、他人・・・・
そこいらにいっぱいの死が横たわっているのに・・・・

1時間に一人は車で死んで、
1時間に三人は自分で死んで、
もっと沢山の人が病気で死んで、
なのに自分の番はなかなかやって来ない。

ほんの一瞬から数十秒で”無”
その瞬間、誰も知らない人間になれるのなら
悪魔にさえ魂を売れるのだけれど・・・・
今はただただ煩わしいものから逃れたいだけ
でも逃げられない自分

なぜ?
愛?
世間体?
負い目?

煩わしいものは
自分!
判っているのにどうしたら良いのか判らないのもまた、
自分!
意識の水底からの希求を持ちつづけているのもまた、
自分!

諦めに満ちた虚無の世界が手招きしている
今、その誘惑に魅せられそうな自分がいる
どうにでもなれば良いと思っている自分がいる
その自分を冷静に見つめる自分がいる
そして、冷静な自分を見つめるもう一人の自分がいる
本当の自分はどれ?

支離滅裂の感情はコマーシャルの映像と重なり
破滅へのプロムナードに誘う
声高に喋る笑顔はブラウン管から溢れ出る欺瞞
汚職、隠蔽、事故、殺人、自殺・・・・
ニュースキャスターは悲痛な顔で死人を貪り
ディレクターは操り糸を絞り込むのに懸命だ

被害妄想のわたしは憂い顔に自己愛を見出し
全ての責任を他人の背中に滑り込ませて
満足気な涙をこぼすのに懸命だ

ああ、人はなぜ生きることを望むのだ
神との契約か
それとも悪魔への恐怖から
それとも・・・・・・・・
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