夜半の月
菜摘子の詩
湖畔に佇み 夜半の月を見る
白く耀く透明な光はわたしの心を照らし
心は風に吹かれて白くなみ立つ
繰り返し 繰り返し ・・・・
草木の間に間に 虫たちは愛を求め
未だ見ぬ恋人へのメロディーを奏でる
あらん限りの思いを込めて
繰り返し 繰り返し ・・・・
薄れかけていた遠い記憶は間近に迫り
わたし自身の荒気を静めてくれる
思い出の褥を揺らす 母の手のように
繰り返し 繰り返し ・・・・
ああ メビウスの輪となった想念に
一条の月の光が差し込み
どうどう巡りの迷路から
わたしを救い出す
今、この時
わたしは月の光に導かれ
荒々しく忌まわしい想いを振り切って
発つ!
月 アルテミスよ 汝はわたしの女神
願わくば新しい人なるわたしを
見届けよ