菜摘子の詩
男のあなたの姿に

男のあなたの想いに

男のあなたの優しさに

   わたしは恋をしたんです


と、あなたはつぶやいた。


剥がれ行くあなたの男のかけらを

惜しむように拾い集めても

過ぎ去った時間はもう戻らないのね


と、あなたは問いかけた。


わたしの目にかすんで映るあなたに

「ごめん」と言うしかできないわたしを

      どうか許してください。


あなたがあなたらしく生きることを

今は望んでいます

あなたが男のかけらを全て捨て去っても

私の中のあなたはあなたにかわりありません

あなたがどんなに変わろうとも

あなたへの想いが変わることはありません


と、あなたは言った。


わたしの目にかすんで映るあなたに

「ありがとう」と言うしかできないわたしを

        どうか許してください。


あなたのせつなさと

あなたの悲しさと

あなたの苦しさが

わたしのこころに満ちてきます


今はもう

あなたの肩を抱きしめる力強さも

あなたを見つめる男のやさしいまなざしも

わたしにはありません


そんなわたしでも

あなたへの想いはなにひとつかわりません

わたしの目にかすんで映るあなたに

言うべき言葉が見つからないでいるわたしを

      どうか許してください。
愛しいあなたへ