貴方へ
君は僕のために泣いてくれるけど、僕は本当は幸せなんだ。
このままここにいるということは、君の傍にいることができるということだから。
鏡の向こうで彼女が悲しそうに微笑っていた。
その顔を見るたびに胸が痛くなる。
もう体は無いというのに。
それとも体が無いからだろうか?
心の痛みが自分の中を駆け巡る。
そんな顔を見たくてここにいるわけじゃないのに。
彼女の前に僕は姿を現さない。
彼女はそれを自分の役目が終わったからだと思っているみたいだ。
ほんのわずかの間だけど、ナルとラインが繋がるようになったから。
それもある。
でもナルより繋がりやすい彼女の前に僕が出て行かないのは・・・。
不器用な奴だな。
僕より不器用な弟は皮肉気な笑顔でそう言った。
自分でもそう思う。
ナルと早く連絡を取りたかったなんて建前に過ぎない。
本当はただ彼女と共にいたかっただけだ。
この誰も気付いてくれない孤独な闇の中で、ただ一人自分に笑いかけてくれた彼女の傍に。
だから彼女が、ナルに、僕に抱いてくれた思いを利用した。
彼女はそれでもいいと笑って言ってくれたけど。
自分がそれを許せなかった。
だから彼女の前に姿を現さないと決めた。
けれどもそう決心したそのときから、あふれでる思いは止めようがなかった。
タチが悪いな。
自嘲するしかない。
体がない分抑えようのない欲望が、自分の奥底にたまっていく。
笑顔を見たい。
触れたい。
奪いたい。
生きているうちは気付かなかった濁った感情。
自分の奥底に蠢くこの思いが、僕をこの世界に繋ぎとめているのだろうか?
ならば自業自得だ。
でも、とても幸せな罰だ。
死んでなお、彼女の近くにいられるのだから。
君は僕のために泣いてくれるけど、僕は本当は幸せなんだ。
このままここにいるということは、君の傍にいることができるということだから。
だから、悲しまないで。
これはとても優しい罰なのだから。
君の傍にいられるのなら、僕は地獄すら天国に感じる・・・。
あとがき
何が言いたかったんでしょーかねー、私は。
ジーンが上に行けない理由を私なりに考えてみたんですが・・・。
失敗。その上、ジーン変態入ってるし。
ジーンファンの方すみません。
でも紀野的ジーン像はこんな感じなんです(核爆)。
01/01/01 written by Youko.K.