10月28日。
つまり我らがアーミーの22回目の誕生日の日。
あたしは戦わなくてはいけなかった。
場所は中央大学4号館の地下ホール。
時は午後3時。
その日は1、2限で授業が終わり、本来ならば5時から稽古である。
2限が終わった時点で家に帰り、腹9分目ほど昼食を喰らい、パソコンなどを開いてあ
たしなりの時間を過ごしていた。


一言言っておくが、あたしは健康にはかなりの自信がある。
クラスの誰にも・・・いや、文学部の誰にも負けない自信がある。
しかし、社会情報学概論前期試験の日は、風邪をひいてしまったのだが。いや、嘘で
はない。
それはさておき、あたしほど健康な人間はいないのではないかと思うほど、あたしは
健康だ。


時が来た。
とりあえず地下ホールへ急ぐ。
重い鉄の扉を開くとそこには・・・・


目の前には山積みになった納豆たち。
栄養満点である。
全部で108つ。煩悩の数である。
それを取り囲む3人の男と1人の女。
あぐらをかいて座り、時期を待っていた。

なぜこんなことになったのか、説明すると長い日記が更に長くなり、
しかもなぜこの企画が行われたのかは、企画者の脳みそに聞いてみなくてはならない
ので、書けません。
とにかく今日が『納豆祭』だということに間違いはない。

『納豆祭』
それは、2時間ほど時間を設けて、ひたすら納豆のみを食いまくる、という催しであ
る。
一番多く消化した人は、納豆108つ分の約3000円を、払わなくてよし。
ルールは簡単。
パックの納豆を一粒残らず食せばいい。
ゲ○った場合はリタイア。
一服あり。
水なし。

さて、時が来たようだ。
1人(部長)が来ないが、もう開始。

とりあえず1つ目。
これはまだ「食事」だ。
ちなみにネギはなし。
まわりはみな納豆を流し込んでいる。
あっという間に7個食い終わるSさん。ものすごい速さだ。
さすが元陸上選手。
まわりの先輩たちも、ガツガツ消化していく。
あたしは一人、3つ目の納豆に苦労していた。
もうそろそろ嫌んなってきた。
「しかし、参加してるのだから、精一杯やるべきなのだ。
この後5時から稽古があるというのに、なぜ納豆なのだ?!」
意気込んでみたりいらだってみたりした。
4つ目、5つ目・・・
途中、解説していた1年生のK君も参加。
あっという間にあたしの記録を抜き、1位に迫る勢いである。
すげぇ・・・
はえぇ・・・

納豆というのはこれがなかなか曲者で、1パック完食するのにかなりの労力を必要と
する。
ねばねばしやがって、この豆どもっ!!
口の中で噛むことによって、ねばねばが吐き気を誘う。
喉を通過。食道を通って胃に入る。
あのちっこい豆たちが、あたしの胃の中でうごめいてる気がする。

7個目。
きもい。
確実にきもい。
このまま食い続けたら、今後の稽古に支障をきたす。
そんなことより先に、もう箸が動かない。
納豆に手が伸びない。
無理。無理です。10個まではねばろうと・・・「ねばる」という表現は控えよう。
10個までは頑張ろうと思っていたが、精神的にやられた。
そうです、あたしはダメな子です。
腐った大豆よさようなら。もう食べられません。
このあたしが、もう喉に食べ物を通したくないと思うくらい、あなたたちのパワーは
すごかったです。
一体なぜ、この企画が持ち上がったのか。
なぜ参加してしまったのか。自分が分かりません。
最初のところにも書いたけど、あたしは健康だ。
納豆を一気に7個も食う必要がない。

そんなわけで、リタイアです。
ああ、無念。

まわりの先輩方は、ガツガツ食い続け、途中、からしの地獄に遭いながらも、記録を
のばしていく。
尾崎豊、ミスチル、ドリカム、サザン、など、BGMもるんるん♪である。
服を脱ぎだすNさん。這い蹲りながらも食べ続け、タバコを吸いまくるSさん。
静かに食べ続けるWさん。勢いのとまらないK君。
みんなすごいっす!!
男気感じました!!!

さて、時は5時目前。
もうすでにずいぶん前から納豆のにおいが充満している地下ホール。
決着がつく!!!!!
5位  7個 (ちなみにあたし)
4位 13個
3位 16個
2位 18個
1位 21個
狂人です、彼らは。
豆も先輩も、尊敬します。

稽古を終え、家に帰る。
歯を磨いても、納豆ではない何かを食べても、水を飲んでも、癒えなかった。
自分の身体からあふれ出ているであろう臭い。
喉付近に、いつまでも残る納豆の風味。
胃から腸へ移行した豆たちが、内臓に棲みつく。
ぐつぐつと音を立てる。

納豆はもう二度と食べたくありません。