『A』





「どうしても話しておきたい事があるから、
校舎裏で待ってます。 田中」










サイン帳を渡すと、

佐藤さんは
「ありがとう。」と言って、


すぐに女の子達の
写真撮影の輪の中に
入って行ってしまった。






そんな彼女を
いつもなら見惚れている僕だが、

今日はそそくさと
帰り支度を整えると


早足で
校舎裏へと向かった。
















校舎裏は春とは言え
まだ日陰で肌寒い。


それでも
陽の当たる場所を見つけると、

カバンを下敷きに
腰を下ろした。








するとそこには、

小さなピンク色の花が
咲いていた。





そうだ、
佐藤さんにあげよう。




雑草にしては奇麗なその花を
僕は採った。



いいプレゼントになりそうだ。











佐藤さんに何て言おう。





ああでも無い
こうでも無いと
考えてる内に、


1時間半が経ってしまった。








日が暮れてきた。

さっき摘んだピンクの花も、
しおれかかって来ている。














佐藤さん、
どうしたんだろう?




もしかして、
サイン帳を見ないで
帰ってしまったんだろうか?
























「田中君!」






















見上げると、


そこには、



クラス一の大女であり、
大変残念な事に佐藤さんの大親友の

鈴木さん、


こと
『ジェロニモ』の姿が。







ジェロニモこと東洋の神秘は、
僕の前に立ちはだかり・・・






<A>
「佐藤さんに頼まれて来たの。これ田中君に渡してって。」
佐藤さんからの手紙をくれた。


<B>
「大変なの!佐藤さんが、佐藤さんが・・・田中君、すぐに来て!」
と僕の腕を引っ張った。

<C>
「ソコ ワタシ ナワバリ ドク! ドカナイト ワザワイ オコル!」
殺気立っている。






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