『C』
「本邦初公開!
幻のメニューと謳われたあの・・・!」
ガンッ!!
ドサッ!!
突然倒れた先生に向かって
スタッフの一人が叫ぶ。
「せ、先生!!」
倒れた先生の後ろに立っている男に
別のスタッフが叫んだ。
「お、お前は誰だ!?」
この男の仕業だ。
頭からトンガリマスクをスッポリと被り、
漆黒のマントを纏ったこの男。
例えるならば
『秘密結社』というスタイルをしている。
男は答えた。
「私は、カレーの神様だカレー!」
「なにっ?」
スタッフが唖然とするのを余所に、
言葉の語尾に「カレー」と付ける、
小学生並みのキャラ作りで満足そうな
自称『カレーの神様』は、
勢いよくマントを外す。
バサッ!
すると、
中から登場したのは、
水泳帽を被り、
右手にはニッパー、
左手には軟球を握り、
額にはカタカナで『インド』の文字、
更に股間には天狗面一丁
といういでたちの、
額の文字以外は、
カレーとの繋がりが
皆目見当付かない男だった。
一度止まった時間の流れを
再び動かすかのように
フロアスタッフが叫んだ。
「貴様、先生に何をする!」
神様は言った。
「こいつはカレーを
馬鹿にしているカレー。
こんな姿でカレーを作ろうなんて
カレーに失礼アル。」
そう言われてみれば、
先生もニプレス一丁に
背中からブリキのオモチャよろしくニョッキリと、
大きなゼンマイを生やしたスタイル。
神様の言う事も
一理あると言える。
「し、しかし、
何もここまで・・・」
「嶺打ちだ、安心するカレー。」
そう言って神様は、
倒れたままの先生を指差した。
しかし、
先生の頭には
日本刀がザックリ刺さり、
初めて実物見たけれど、
ちょっとピンク色のおミソが
ピュルリ漏れている。
「せ! 先生〜〜〜〜〜〜!!」
「安心するカレー。」
神様は
腕組みをしながら言った。
<A>
「こうなったら、本物のカレーを作ってやるカレー!」
いつの間にかスタジオに、
見慣れない材料が用意されていた。
<B>
「こうなったら、メニューを変更するカレー!」
いつの間にか、
番組の全権を掌握した自称神様が勝手に仕切り始めた。
<C>
「こうなったら、変身するカレー!」
いつの間にかスタジオに、
汚い字で『神様グッズ変身用』と書かれた
段ボール箱が運び込まれていた。