そこで問題です-----藤木 俊明
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5月のある週末、深夜のニュースで「あ、ここでニュースが飛び込んできました。りそな銀行が実質国有化…」。来たか。いつか来ると思っていたけど。埼玉銀行以来、弊社のメインバンクだったのだけど。破綻ではなく公的資金導入での実質国有化だということだけど。必ずこういう金融機関のニュースって週末にやるよなあ。まあ、かえって国有化されるということで、安心と言えば安心かもしれない。 なにせ、仕事してなさそうな銀行だったから。逆に現場はホッとしてるんじゃないの?
りそなのホームページみてみる。あらら、もうお詫びメッセージがあがっている。いろいろ書いているけど、つまりは経営に失敗したので国民の税金をもらいますということですね。掲示板みてみる。罵詈雑言の嵐だ。月曜日にはみんな解約に行くのかなあ。
4年ぐらい前、りそな銀行(そのころは「あさひ」)の若い行員と話しているときに、「藤木さんもお仕事でインターネットとかよく使われるんですよね?ぼくインターネットって見たことないんですよ」と、あっけらかんと話されて唖然とした記憶がある。だいたいインターネットって見るもんじゃなくて仕組みですけどね。ブラウザーですけどね。そんなツッコミもできなかった1999年の春の日。
「融資受けませんか」「そうですね、そうしましょうか。大丈夫ですか?」「絶対OKですよ」と言われて資料も全部揃えて窓口に行ったその日、ニコニコと「すいません。やっぱりダメだそうです」と答えられた1999年の秋の日。おいおい、こっちが緊急だったらどうしてたんだ!
さて、そこで問題です。りそなホールディングスを構成する銀行は? 答えは次の通り。 @りそな銀行 A埼玉りそな銀行 B近畿大阪銀行 C奈良銀行 Dりそな信託銀行。
うーん、これだけでもなかなか難しいですね。では、次の問題。 りそな銀行って、どことどこが合併したのでしょうか? 答えは次の通り。 @あさひ銀行 A大和銀行
なるほど。それでは、あさひ銀行ってどことどこが合併したのでしょうか? 答えは次の通り。 @協和銀行 A埼玉銀行 もともと協和埼玉銀行なんて言ってたわけですね。
こんな感じで「みずほ銀行」「UFJ銀行」「三井住友銀行」なども分解してみてください。なかなか全部答えられる人いないと思いますよ…。 バカヤロー! |
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氷海の伝説-----大岩 由利 |
世の中息苦しくて、いろいろな問題が堰を切ったように押し寄せてくる。 特に、若い人、子供の世界はきゅうくつで問題山積み。 きっちりした箱の中できちんと収まったような社会だから問題なのではないかな。 少し、がさがさと動くような箱の中で生活すれば、向きも変えられるし、屈伸運動だってできるし、大きく手を伸ばすこともできるのに。 窮屈な、何々しなければならない社会なんて、ちょっと手を伸ばすと壁にぶつかって問題がおきてしまう。
「氷海の伝説」という映画をみたが、すばらしいパワーで画面にひきつけられた。イヌイットが自分達の伝説を自分達の手で映画にした3時間の大作だが、イヌイットに伝わる習慣、考え方、文化を残そうと言う真摯な気持が伝わってくる。映画の内容は興味のあるかたはご覧になっていただきたい。イヌイットのあるコミュニティに起きた親殺し、許婚をめぐる決闘など血なまぐさい四代にわたる叙事詩を映像にしている。これが、大自然の中でゆっくり繰り広げられるので、血なまぐささは清潔な氷の世界で浄化さてしまったような映画だ。
最後にシャーマンである長老の言ったことが心に深く残った。 「悪いことは悪霊がとりついた結果。でも、とりつかれたことの責任をとってコミュニティから出て行くこと」。 ようするに、人間の本質に対しては信じてあげて(悪霊に踊らされたのだ)、でもその責任はきちんと取らせることを伝えている。それはシャーマンである長老が若者を導き伝える。
問題山済みの現在、悪霊で問題が解決するわけではないが、悪霊のせいにしてあげるぐらいゆったりした視野を大人たちが持っていたいものだ。 それには、ゆとりのある心持が必要なのだろうと、目先の問題も解決できずにじたばたする私がつぶやく。
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| 自業自得のハムレット。-----床井 順子 |
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問題は常に山積している日々である。あまりにありすぎて問題リスト自体を整理でき ないという、なさけない問題もある。 なかでも目下の最大の問題は、やはり「歯」の問題。昨年の続編で恐縮です。
少しスケジュールが詰まってくると必ず歯が疼きだす。これはもう20年来のお決ま りパターンになっている。 じわじわ痛む、あちこちがぐらぐらする。そのうちに、またもやポロリといくだろう。 こうした問題を今年は抜本的に解決しようと考えた。
掛り付けの歯科は某大学病院である。もちろん歯周病科なのだが、今回はこの主治医 の了解を得てインプラント科に相談に行くことにした。 もともと歯周病科の先生は私のケースではあまりインプラントはお勧めできないとい う見解であった。しかし、次々と口のなかにオプションが増えていく恐怖に耐えかね て半永久的な固定化作戦を検討したかったのだ。
聞いた見解は、かなり「ひるむ」内容だった。まず、危ぶまれたインプラントプラン 自体は可能とのことだった。しかし、難易度はかなり高そうでもあった。 私の場合、インプラントの鉄筋を打ち込む上顎の骨がすでにかなり失われていて、土 台としては軟弱なため、下顎から骨を移植する補強工事から始める必要があるらしい。
「骨の移植手術?」。聞いただけで、もう「ぶるぶる!」である。 しかし、先生は「大丈夫!下顎はしっかりしていますからね」。確かに私は相当なエ ラ張りではある。 「骨の移植といっても、下顎からクッキー型で抜くようなものです」。は、はあー。 「人によっては、下顎や唇にシビレなどの違和感が残ることもありますが、なに、噛 むには不都合はありません」 「きゃー! それって十分、不都合じゃない!」と叫びそうになってしまった。
私の偏見かもしれないが、先生は心無し身を乗り出す風情で、どうもインプラント手 術を「やりたそう」なのだ。難易度の高いケースに果敢に挑むというのは、医者とし て立派な態度だと思う。 で、でもー、この積極性は私にとって「吉か、凶か」、ここが問題だ。
さらに、この手術をするには、まず禁煙が必須とのこと。タバコを吸うと骨の定着が 悪くなり、後々問題が大きいとのことだった。そうなのだ、もともと歯槽膿漏はタバ コが悪影響を及ぼしていると聞く。問題の根源はタバコにありなのだ。わかってます。
顎のCTスキャンを撮って方針決定→骨の移植手術→ボルト埋め込み→歯入れ→完成具 合チェック。約1年半の総工期とかなりの予算を費やして、さて、このプランは実行 するべきか? 問題解決どころか、またもや問題を大きくしてしまった気がする。 |
こぼれ落ちるものは-----中保 裕子
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出張先では翌日に火急の用事でもないかぎり、なるべく現地で時間をつくって、わずかな休みを楽しむようにしている。 先日は米子での仕事のあと、皆生温泉に行った。 私はもともと、酸が強くていかにもじんじん効きそうな東北の湯よりも、おおらかでまろやかな肌あたりの西日本の湯のほうが好きなのだが、皆生の湯は予想通りにやわらかく、たっぷり長湯が楽しめた。
今日のメインは、垢すりである。 健康ジャーナリストとか名乗ってるわりに実は初体験なのだ。もっとも医学的な根拠があって40歳を過ぎるまでは、とご法度にしていたのだから、まあその筋の人といえなくもない。 余談になるが、その「根拠」を書いておこう。 アレルギーの専門医は垢すりを決して勧めない。 垢すりとは、角質を無理やりはがすことである。角質は体に異物が入り込むバリアの働きをしているので、これが剥ぎ取られると、体内には花粉だの、ダニの死骸だの、ホコリだの、予想もしないさまざまなブツが入り込み、そのままアレルゲンとなる可能性がある。 ある程度年齢がいってからなら新陳代謝を助ける意味でメリットもあるが、若い人には必要はないばかりか有害でさえある。垢すりの本場、韓国でも、常連客はほとんど年配者だと聞いた。
私の順番がきた。 全裸で仰向けになり、まさにまな板の上の鯉。全身のうろこを落とされてる感じだ。垢とともにだんだん羞恥心も剥がれていく。
ふと、この勢いで自分の脳細胞が消えていく図が脳裏を横切った。 6月から始めた通信講座で、久しぶりに毎月マークシート式のテストを受けているが、戻ってきたものを見ると、我ながらびっくりするようなケアレスミスがあるのだ。 「正しいものには“ア”、間違っているものには“カ”」という問題に、
“ウ”と答えている。情けない・・・。 この問題で、脳の老化という現実に気づいてしまった。
垢すり終了後の肌は、つるつる、しっとりで爽快だった。それもそのはず。肌細胞が、一斉に回転しはじめたのだから。 1週間くらいはもう垢も出ないだろうと思っていたが、甘かった。2日後にはしっかり垢が出た。ああ、再生してる、って感じで垢がいとおしい。 脳細胞にも垢すり的喝が必要だ。でも、落ちっぱなしだったりして。 |