「禽獣」 還らない ちぎれた片腕を 探している 私は探している 優しい筈の風に 打ちのめされる 扉の開いた籠が 瞳に映る 季節 温度何も知らぬままで 放たれた禽獣 甘く暖かい籠の中で 眠っていたのに 雨が降る 解けて流れ出す 思い出を 汚れた肌に留めて 迷うなら 今すぐ切り捨てて 何一つ 惜しいものなど無い 繰り返す季節に 揺り起こされる いつもの冷たい手で 鎖を引いて? 瞼閉じて耳を塞いでも 甦生する光景 冷えた肌の皹埋める風を 待っているのに 還らない ちぎれた片腕を 探している 私は探している 絶え間ない 休みない安寧を 探している 今でも探している 雨が降る 私も流れ続ける 届かない 明日の歌を抱いて 目を閉じる 終わらない夜に繋ぐ 起こさないで どうかもう起こさないで 雨が降る 私は流れ続ける 起こさないで 私を起こさないで