送信ありがとうございました。既出ではありますが、感謝の気持ちを込めて

ささやかながら、短めのSSを貼らせて頂きます。少しでも楽しめると良いのですが。

雑記よりその1

雑記よりその2

雑記よりその3

雑記よりその4

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2003年9月23日 雑記より転載



「貴様という奴はああっっっ」
「いひゃい、いひゃいよ舞、いひゃいってばあ〜」
両方のほっぺたを思うさまひっぱりあげ、うにょ―んと
めいいっぱい伸びた所で離したら、ぷるるんと震えて元に戻った。
涙目になって頬を抑え、こちらを上目遣いで見るさまが、
また、かわいらしいのが、憎たらしい。
例えて言うなら、鼻をぴすぴす鳴らして鳴く子犬のような愛らしさ。
ただでさえ、きついといわれる目つきを更に悪くして、
もう一度引っ張ってやろうかと、不穏な考えを胸に抱く。
そんな舞の様子を恨みがましく見つめながら、ようやく痛みの治まった頬から
手を離した速水は、少し大きなため息をついた。

「…なんだ、不満があるなら言うがいい。」
「このまま、君にほっぺを引っ張られつづけてたら、どうなるのかなあ。
ブルドッグみたいな顔になったら…責任とってよね」
文句なのか、挑戦なのか、今ひとつ要領を得ない速水の言葉に、 舞の目は半眼になった。
「回りくどいな。それは遠まわしにやめろといっているのか?」
「…わからないなら、良いけど。」
先程よりも、大げさなため息をついて見せながら、速水は思った。
本当に彼女にほっぺを引っ張られ続けたら、そうなっちゃうような気がした。
ただでさえ、たれ目なのに、ブルドッグじゃあ…かわいいけど、ちょっとねえ。
速水は、再び自分の頬を掴もうとしている舞の両腕を掴んで、顔を近づけた。
瞬時に顔を染め、視線を明後日の方向に泳がせた舞の反応に、
脈があると良いなと思いながら、笑った。
「お腹すいてると怒りっぽくなるんだって。お昼にしようよ」
「貴様は私の質問に答えていないっ。」


そもそもなんで怒られたのか、理由が判らないけど。
1000年ついていけば、わかる気がした。

そうやって、すぐに人を子供扱いする所が嫌なのだと。
思い知らせる為に、 やっているのに。
1000年かけても、こやつには私の気持ちなどわかるまい。

それぞれの想いは、青く澄んだ空だけが知っている。


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2004年1月26日(月)雑記より転載
(アルファシステムサーガネタバレ)



彼は青き光を身にまとい、あの時と同じように、彼女の前に現れた。
大きな瞳を更に真ん丸くして、自分を見つめる彼女を、短い言葉でせかし。
目の前の壁を彼女、新たなる絢爛舞踏とともに、青き光でぶち壊す。
ほんの少し低くなった、それでも透明感を失わない優しい声が、彼女の名を呼ぶ。

「間に合った。"彼女゛を守るよ、ニイギ」

事が終わり、必要最低事項の事だけをニイギに伝えると、
彼は再び青い光をまとい、姿を消した。
様々な謎を彼女に残したまま。
すっかりと大人びて、かっこよくなっていた彼。
あの娘を置いていったくせに、相変わらずぽややんな彼に、
毒気を抜かれた彼女は、気付くはずもなかった。
短く交わした言葉の中に、彼の心の内に秘めた決意の証が含まれていた事を。

君を呼び捨てにして、他人にさんづけする気はない。
……僕は、一生女性を名字の呼び捨てで通すよ。












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2004/7/24の雑記より転載

 一緒に帰ろう 

時折、点滅をする切れかかった街灯の下、帰路につく。
規則正しい吐息が、うなじをくすぐり。
彼女はその背に抱く幼き少女に視線を送ると
小さく微笑んだ。

黒い月は何も照らさない。
水をためた蒼き月は、その影でなりを顰めている。
昔、人々の夜を守るべく、照らしていた月は今はもう存在しない。

お世辞にもきれいとはいえない川の水音をバックに、彼女は小声で歌を謡う。
いつものように朗々と張りのある声ではなく、か細く、少女の眠りを妨げぬように紡がれる歌に。
背中の少女が呟いた。
「…おとーさん…」
その言葉は、あまり普段から表情を出さない
彼女の口元に、ほんの少しだけ苦い笑みを浮かべさせた。
「ふむ。そういえばあの時、
あやつも妙な顔をしていたな。
…まだまだエプロンの似合う奥さんには程遠いようだ。」

複雑な笑みを浮かべ、人の話にあいまいにうなずいていた少年を思い浮かべ、
 彼女は眉間に皺を寄せた。
…同じ事でもあいつに言われると不思議と
腹がたつのは何故なのだろうな。

見上げた黒い月に、困ったような笑みを浮かべる少年が見えたように感じ、
彼女は小さく首を振った。
「…んー。まいちゃん?ののみねちゃってたの?」
「…許すがいい。起してしまったようだ。」
「ううーうん、ののみ重くない?」
「大丈夫だ。」
降りると言うののみの言葉をやわらかく拒否しながら、
一人暮らしのアパートへたどり着く。
すまなそうにわびるその姿に、舞はぎこちなく微笑んで見せた。
「そなたと、帰ってきたからこそ、私にも気付いた事がある。
気にするな。戸締りを怠らず、ゆっくりと休むがいい。」
「えとね、きづいた事ってなんですか?」
少し照れくさそうに語る舞の言葉に
嘘がないことを感じ、ののみは安心したように笑った。
「うん、お休みなさいなのよ。」
小さく音をたてて、かぎが閉まるのを背中で確認すると、
体は仕事と訓練により疲れきっていたはずなのに、
心持ち軽い足取りで、再び夜の帳へと足を踏み入れる。
今度は自分のアパートへ帰るために。

「えとね、きづいた事ってなんですか?」
「…私と帰るとは、いい心がけだ。
一人で帰るのは、少し、ほんの少しだぞ…さびしいからな。」

おしまい。

 




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2004/12/1雑記より転載

 【速水厚志。世界の危機100連発】
深夜の小隊長室。
「今回のターゲットは誰だ?」


「…Mr.Bがはじき出した、ターゲットはこれです。」
長い髪を後ろで一つに束ねた長身の男が、必要以上に優雅に指をしならせて一枚の写真を取り出した。
「…なあ、なんで小隊長室で会議なんだよ?」
ゴーグルをつけた少年が、首を一つひねりながら、覗き込む。
そこには、隠し撮りという形でとられたはずなのに、なぜかカメラ目線で、
明るくぽややんと笑みを浮かべる少年が写っている。
「フフフ、ロボはこのフレグランスに気付かないのですか?アアンあなたはまだ本物ではありませんね。
この部屋には『いいんちょ』の、それは香しき二週間物の残り香が、あると言うのにィィ!」
「…あー俺はパス。」
「今回ばかりは作戦立てていくばい。」
「フフフテンション上げていきましょう!」

ソックスハンター第883(←ハヤミ?)回
速水厚志。世界の危機100連発?
「フフフ、僕の開発技術と、情報技能があればこんなものは、朝飯前です〜。」
白くて長くてクネクネとした物体の、厚く塗り固められた化粧で隠された頬が、
ほんのりと桃色に染まる。
気色悪か。熊本弁での思考がすっかり身についている、バトラーこと中村光弘は、
無表情ながらもその物体、ワタマンこと、イワッチことソックスバット(しつこい)岩田裕の手から、
小さな物を受け取った。








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