〔 はなび 〕



Side.KiyosumiSengoku

花火って近すぎないところからがいいよね、やっぱり。迫ってくるのに掴めない感じとか。あ、そういえばさ、青いバラの開発に成功したんだって。もう少し前だけどさ、ニュースで、やってた。うん。そうなんだけどさ。俺としてはさ、んー青いバラは不可能の象徴、だろ?手に入ってしまったらつまらないって気がしてならないっつーか。それに向かって邁進するのはすごいんだけど。その人達にとっては、終わりじゃないんだろうけど。月にだって、行かない方がキレイだったとかさ、そう思うんだよね。不可能だから焦がれるわけじゃん。そーそー、俺ってロマンチストだからネー。
あー、うー・・・言っちまうか!・・・俺にとって君はさ、もしかしたらそういう存在かもしんない、ってちょっと危惧してるんだよね。え?いいよ、聞いてくれるだけでさ。俺もよくわかんないから。ちょっとコクハクに近いんだけどさ?しかも性格悪いだろ?分かってる分かってる。性格悪いって分かってるよ。手に入らないから、ほしいって、そういう感じなのかもしれない。本人に言うなってね。あーあー、ポイントマイナスかー。やっぱり。でも好きなんだよ、本当。このキモチがどこに分類されるのか、まだよく分からないんだ。ただ単に好きだって、それを知ってもらいたかっただけ。いやなんかこのシチュエーションに酔っ払ってんの。 だってグーゼン会って引っ張ったとはいえさー、マンションの屋上勝手に入って二人で酒盛りしながら花火だよ?このお腹にクル音とかもさー、なんかいいじゃん。・・・あ、ばれてた?だって、ここ、良さそうだったんだもん。俺だっていろいろ計って行動してんの。人混みの中だと不機嫌になるのは目に見えてるし。

やっぱりさ、近くに行ったら近くに行ったでいいかもしんない、って思ったりしてさ、あー俺ますます何言ってんだろう。俺もなんか言ってることが意味を成しているのか分かんない。すげー酔ってるんじゃね?いや、跡部くんも相当酔ってるから!そんでさ、明日の朝には今日言ったことは全部忘れてよ。つーわけでもっと飲んで。明日はないよ、部活。ほら、グラス貸して!


・・・覚えてたら、ほんと、困る。






Side.KeigoAtobe

頭痛ぇ・・・ここ、は俺の家か。げ、なんで千石が隣に寝てんだぁ?どうりで身体も痛いわけだぜ。昨日は、どうしたんだ?俺は。思い出すのにも頭が痛い。掛かっている時計を見るともう正午になろうとしている。昨日、昨日。そういや昨日は、部活帰りに千石に出会して、薄汚ねぇマンションの屋上に連れていかれて、酒飲んで花火を見た。おお、ちゃんと記憶があるじゃねーか。一安心だ。が、どうやって帰ってきたのかは覚えちゃいねーな。電車には乗ってないだろう。・・・多分タクシーだな、多分。取りあえず身体をすっきりさせたいし、シャワーでも浴びるか。千石が邪魔で踏みつけて行ったが、小さく呻いただけだった。大丈夫か?コイツ・・・
記憶が飛んでるなんて、なんでそんなに飲んだんだ?こんなことは久しぶりだ。会話なんかもところどころしか思い出せない。花の話をしたような気がする。花火見てたんだから不思議でもないが似合わねぇな。・・・それにしてもなにか、大事なことを言われたような気がする。なんだっけ?大事っつーか、心に引っ掛かるっつーか。まぁ、急を要することならば、また言ってくるだろうから気にすることもないだろう。きっと。


・・・なんだっけ?











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