〜新潮汐〜 短歌の岸辺

 管理人:しまちどりの作品をはじめ、このホームページにお寄せ頂いた作品を随時掲載していきたいと思います。どうぞ、よろしく。

新しき桜も知らず我が部屋へ来る浜風ぞ寝台の鉄


 今朝の新聞が桜の開花を伝えていた。この部屋へ入ってくる浜風よ、お前はそれを知っているのか。ただでさえ冷たい私の寝台を何故こうも冷やしてくれるのだ。(4/4作)



寝過ごすは孟浩然の詩にあらず水銀柱の丈低くして


 またもや、寝過ごしてしまった。かの孟浩然は、「春暁」の一節で《春眠 暁を覚えず》と詠ったが、私の寝床はまだ冷たい。水銀柱(温度計)さえ、まだ背丈があんなに低い。それだから、なかなか布団から抜け出せなかったのだよ。


久方に籠球のして跳ねるなり球つくたびの床鼓して


 久しぶりにバスケットボールをして、身も心も、あのボールの跳ねるようにウキウキしてくる。そしてまた、あの球が床につくときの音が、鼓に思えて、心を打つものだ。なんとも、おもしろいではないか。

散りゆけば涙流せる薄花弁そを踏む我は何散らされたる


 桜の花びらが風に舞うようになってきた。はらはらと散ってゆく花弁の一つ一つは、この世に終わりを告げる花の涙のようである。その涙を踏んで歩く私。そんな涙を踏んで、わたしは何が面白くないんだ。何も私から散っていったものは無いではないか。
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