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雨降りの
帰り道
雨降りの帰り道


あっくん(6才)は、雨降りがあまり好きじゃない。

だって、この前の誕生日にお父さんに買ってもらった

自転車(コロ付き)に乗ってお外で遊べないもの。

でも、自慢の自転車(コロ付き)に乗ってお外で遊んだあと

陽が沈んだ頃から降り出す雨は大好き。

だって、朝、傘を持って会社に行かなかったお父さんに

傘を持って駅までお迎えが出来るから。



改札口をぬけたお父さんを見つけると、

長靴をはいたあっくん(6才)は

お父さんに駆け寄って傘を手渡す。
「ハイ、おとうさん。」
そるとお父さんは、

あっくん(6才)の目線までかがんみ笑顔で、
「ありがとう」
そして、そんな雨降りの日はいつも、

帰り道にある小さな駄菓子屋さんに寄って
「お母さんにはナイショだぞ。男同士の約束だ」
と言って、お菓子を買ってくれた

とても楽しい雨降りの帰り道。。。





それから月日は流れ、30年余り・・・






あっくん(6才)は、その頃の父親の歳に達した。

しかし、突然の雨降り、改札口をぬけても、

傘を持って待ってくれてるあっくん(6才)のような

小さな笑顔はどこにもない。

彼はカバンを頭にのせ、雨の中に駆け出すしかないのだ。

そして、男同士の約束を交した

小さな駄菓子屋さんも、父親も

今はもうこの世に存在しない。

少し淋しい雨降りの帰り道。。。


お・わ・り
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