2.勝負の心構え
武士というものは,どのような状況下であっても,片時も勝負の心構えを忘れぬのが,なによりも大切とされる。
武門の者はたとえ身分の低い者であっても,常に脇差を身から離してはならぬのが定めである。 まして士分以上の者は,寸時も刃物を身から離してはならないとされ,ゆえに心がけの立派な武士は,湯飲みの場所にまで刃引きの刀や木刀などを用意するが,これも常時,勝負を忘れぬ心構えによっているのである。
このようにわが家に居てさえも,こうした心がけが大切なのであるから,ことさらに私宅を離れて他所へ出向くときなどは,往来の途中や行き着いた先においても,いつも緊張感がなくてはならないのである。
武士として刀を帯びるからには,わずかの間といえども,勝負の気構えを忘却してはならない。
勝負の心構えがあれば,自然,死を覚悟する心境に到達するものだ。
以上は,初心の武士の心得のため,申しおくのである。
我が愛読書:大道寺友山原著『武道初心集』(教育社新書,1989)より
大変そう思う度=40点。
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