1) 一体、北朝鮮はどこまで日本を愚弄するのか。 拉致被害者の横田めぐみさんのものだという遺骨が昨日、DNA鑑定の結果まったく別人のものと分かった。北朝鮮が公式に渡してきた物証は、真っ赤な“ウソの塊”だったのだ。日本中が憤激の嵐に巻き込まれている。
めぐみさんの父・横田滋さんも「私たちは満腔の怒りをもって、遺骨ねつ造に抗議する」と語ったが、北朝鮮はこれまで、あらゆる面で欺瞞とねつ造を繰り返してきた。「またしてもか」という思いを新たにする。
日朝実務者協議という両国の正式な交渉ルートで、このような偽物(にせもの)を、あたかも本物のように平然と渡してくるとは、日本の外務省を馬鹿にするだけでなく、拉致被害者の家族や日本国民を愚弄するのも甚だしい。断じて許すわけにはいかない。 実務者協議はもはや、存在意義を失ったと言うべきだろう。
事ここに至って、日本はどのように北朝鮮に対応していくべきか。 ウソで塗り固められた“ならずもの国家”を相手にするのは、日本にとって誠に不運・不幸と言わざるを得ないが、ただ嘆き悲しんでいるだけでは埒(らち)が明かない。
拉致問題を究明し、さらなる解決を目指すのなら、北朝鮮に対しいよいよ「圧力」をかける段階に来たのではないか。 政府はこれまで対話と圧力という硬軟両様の、いわばアメとムチの戦略で北朝鮮に対応してきたが、対話はすでに十分に果たされたのではないか。対話を通して食糧支援も行なったのである。 それでも埓(らち)が明かないのであれば、残るは圧力をかけるだけである。
2) 圧力の手段としては、多くの国民が唱える“経済制裁”がある。今年2月、衆参両院で与野党の圧倒的な賛成多数で、いわゆる「経済制裁法」が可決・成立した。 経済制裁については、これを発動すれば対話の道が閉ざされるとか、効果があるか疑問だという意見もある。
しかし、もう一度よく考えてみよう。 政府・外務省はこれまで、北朝鮮との間で十分に、対話による交渉を重ねてきたのではないか。その結果、5人の拉致被害者とその家族の帰国が実現したのは良かったが、あとはほとんど裏切られ騙され続けてきたのだ。
横田めぐみさんや松木薫さんの遺骨が、まったくの偽物(にせもの)だったのはその最たるものである。 さらに他の拉致被害者の死亡通告などは、ほとんど信憑性に欠けるもので、多くの国民は“デタラメ”だと受け止めている。拉致疑惑の深層は根深いのだ。
拉致問題はこれで終りだというのだろうか。北朝鮮はそのようにしたいのだろうが、冗談ではない! まだ端緒についただけである。被害者はまだ何百人もいるかもしれないのだ。 そう考えると、この問題を究明していくためには、これまでの対話の方針だけでは不十分なことは自明の理である。北朝鮮に対し、なんとしても圧力をかけなければならない。
経済制裁についてはいろいろな手段があり、いろいろな戦略が必要となろう。 じっくりと腰を据えて、粘り強く執拗に続けていくことが肝心だろう。すぐに効果が出るなどと期待すべきではない。要するに“兵糧攻め”という戦いなのだ。じわじわと相手を追い詰めていくのだ。
拉致被害者の家族会や救う会では、経済制裁で、北朝鮮との交渉が一時的に途切れることを覚悟しているそうだ。 それでも制裁をやるべきだと主張するのは、対話による交渉が完全に限界に達したと判断しているからだろう。
普通の良識ある国家が相手なら、対話だけで十分である。 しかし、相手は常識では考えられない“ならずもの国家”だ。断固たる圧力をかけない限り、何の展望も開けてこないだろう。 そして、経済制裁を発動するに当たっては、日本国民の一致した強固な意志が必要となる。
2年や3年はかかるかもしれない。有りとあらゆるデマや妨害、宣伝戦が北朝鮮から繰り広げられるだろう。 しかし、それに屈するようなら、圧力にはならない。経済制裁の発動によって、敵を最終的な交渉のテーブルに引きずり出すことが肝心なのだ。そこまでやり抜かなければならない。
そのためには、今こそ“挙国一致”の強い決意を持って、日本民族、日本国民は立ち上がらなければならない。(2004年12月9日)