このままでは、民主党は惨敗する

1) 一昨日(9月6日)、私は民主党の前衆議院議員・Kさんの講演を都内で聞く機会があった。Kさんは東京の某小選挙区から立候補しており、選挙戦の真っ最中という極めて多忙な折りではあるが、30分ほどの時間を割いてくれた。

 それはそれで有り難かったが、Kさんの話しを聞いていると、民主党は非常に苦しい戦いを強いられていることが分かった。 まず、今回の解散・総選挙がほとんど予測できなかったこと、このため自民党への対抗策が“後手後手”に回らざるを得なかったというのだ。

 国民の関心が高い「年金問題」を中心に、民主党は反撃に転じようとしてきたが、どうも上手くいっていないようだ。 自民党が「郵政問題」で分裂選挙になってしまったのに、漁夫の利を得るどころか、現状では“立党以来の最大のピンチ”に追い込まれているという。

 郵政民営化に民主党は基本的に賛成だというのに、政府の民営化法案には反対だという表面上の“矛盾”が、どうしても民主党を苦しくさせている。 このため、郵便貯金の預け入れ限度額を減少させるなどの対案を出しているが、どうも“付け焼き刃”的な感じがしてならない。

 郵政関係労組の支援を受けている民主党が、はたして郵政改革を実行できるのかと疑われている面もある。「小泉自民党」が今回、特定郵便局の支持を失ってでも広く国民に呼びかけて、郵政民営化を実現させるという不退転の決意を示しているのに比べると、民主党の姿勢は不透明で“あいまい”な印象を与えている。

 Kさんは、小泉政権が4年以上にわたって、財政赤字を垂れ流してきた“失政”を厳しく指摘していた。まことにその通りである。 1秒間に110万円も国の借金が増えていくなんて、そんな国がどこにあると言うのか!(先進国中で、最悪の財政赤字の国は日本である)

 このまま行ったら日本は終りだ、まずは「財政構造改革」が必要だと訴えるKさんの主張は、まことにごもっともである。 しかし、郵政民営化こそ改革の本丸であり、財政赤字解消の切り札にもなると主張する「小泉自民党」に対して、民主党の影が依然として薄いのが現状ではないか。

2) 数日前(9月4日)、読売、朝日、毎日といった大新聞が、総選挙の世論調査の結果を一斉に報じた。 選挙戦も終盤にかかり興味があるので調べたら、自民党が単独で過半数(241議席)に迫るか、あるいはそれを超える勢いで、民主党は苦戦を強いられているというのが共通した内容だった。

 記事だけを読んでいると、自民・公明の与党勢力で過半数維持が濃厚という印象を受けるが、実態はそれ以上だと私は思っている。 もとより私の手元には、各新聞の世論調査のデータが入っているわけではないが、例の“アナウンス効果”を考慮して、各新聞は慎重で控え目な記事を書いていると判断する。

 私の勘では、実態はおそらく自民党が260前後、公明党が30余りで、両党合わせると300議席に届かんばかりのデータになっていると推測する。民主党は選挙前の177議席を大きく下回っているだろう。何故そうなのか? 私自身が以前、テレビ局の「選挙デスク」をしていた時に、そういう報道をしたからである。

 マスコミは生の数字(データ)を公表しない。数字はあくまでも参考資料である。それを元にして選挙情勢を分析するのだ。 アナウンス効果を出来るだけ減少させるために、マスコミは十分に配慮しなければならない。

 ところが、世論調査のデータというのは、分かったその日のうちに各政党に伝えられるだろう。各政党とマスコミは“持ちつ持たれつ”の関係にあるからだ。(双方ともお互いの情報が欲しいからだ) 従って、先にKさんが「立党以来の最大のピンチ」と言ったのは、民主党にとって“悪夢”のような数字がもたらされたと想像する。(おそらく、150議席前後か?)

 国民の多くはたぶん、そんな背景は知る由もないだろうから、あえて私の「選挙デスク」当時の話しにからめて推測したまでである。 このまま行けば民主党は惨敗、自民・公明の与党陣営は安定多数を確保し、今度こそ郵政民営化法案の成立にメドを付けるだろう。

 総選挙の投票日まで、あと3日。とんでもない事(大規模なテロ事件や党首の死亡など)でも起きない限り、大勢は動かないだろう。 国民の審判の結果が注目される。(2005年9月8日)

 トップページに戻る