日本「世界一」に輝く! 野球の祭典・WBC大会

1) 野球の国・地域別対抗戦であるWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)が20日閉幕し、日本は決勝でキューバを破って「世界一」に輝いた。 国民の関心は非常に高く、決勝戦のテレビ視聴率は関東地区で平均43、4%、瞬間最高視聴率は56、0%を記録した。異例の数字である。また、新聞各紙も号外を出すほどだった。

 野球の人気が今一つと言われ、日本で行なわれた1次リーグ戦では客足もそれ程ではないと思われたが、アメリカへ渡って日本が2次リーグ、準決勝、決勝へと進むうちに、驚くほど関心が高まったようだ。 宿敵・韓国に勝った準決勝戦も、平均36、2%(関東地区)という破格の高視聴率を記録している。

「たかが野球」と言われようが、日の丸を背負って奮闘する“王JAPAN”の姿が国民にアピールしたのだろう。 私も野球は嫌いではないので、「J SPORTS」や「スポーツ・アイ ESPN」で外国チームのほとんどの試合をテレビで観戦した。ドミニカ共和国、ベネズエラ、プエルトリコなどラテン・アメリカ諸国の対戦は特に興味深かった。

 どうせヒマな人間ではあるが、毎日々々国の名誉と威信をかけて熱戦を繰り広げる試合を見ていると、他の事はどうでも良い感じになってくるから、野球の魅力というのは大変なものである。

2) 日本の優勝で終ったWBCだったが、今回特に感じたのは韓国チームのレベルの高さだった。1次リーグでも2次リーグでも、日本は韓国に敗れた。 韓国の投手陣を柱とした「守備力」は抜群ではなかったろうか。攻撃力と走塁では日本が上回っていたようだが、守備力では韓国の方が間違いなく上で、世界一と言っても過言ではない(7試合でエラーがゼロだった)。鉄壁の守りとファインプレーをどれほど見せつけられただろうか。

 韓国の選手は「兵役免除」というモチベーションがあると聞いたが、それが有ろうと無かろうと、実力をフルに発揮していた。2次リーグで韓国がアメリカに7ー3で快勝した時ほど、私は“ニンマリ”したことはない。 アジア野球のレベルの高さを、如実に示したものだったと言える。

 しかし、日本には“幸運の女神・勝利の女神”がついていた。2次リーグでも韓国に敗れ準決勝進出が絶望的になった後、アメリカがメキシコに敗れ、失点率の関係で1勝2敗の日本が2位で準決勝に進むことができた。ここから、運命の大逆転が始まる。

 韓国に「3連敗」だけはしたくない日本は、上原投手の好投などもあって6ー0で韓国に圧勝、その勢いに乗って決勝ではキューバを10ー6で破ったのだ。正に起死回生の世界一の栄冠であった。 WBCのルールが不具合であったせいか、6勝1敗で勝率ではトップの韓国が涙を呑む結果になった。(ちなみに日本は5勝3敗、キューバも5勝3敗、ドミニカ共和国は5勝2敗。)

 何はともあれ、日本と韓国がアジア野球の力を世界に示したことは間違いない。今回のWBCベストナイン12人に、日韓両国で3人ずつ6人が選ばれたほどだ。 両国は今後“宿命のライバル”として鎬(しのぎ)を削っていくことになるだろう。

3) 今回のWBCでは、アメリカの不様でアンフェアな対応が目立った。特に審判である。初の大会で主催国だから、アメリカ人の審判が多い(31人中、22人)のも分からないではないが、自国を“ひいき”する呆れるようなジャッジが続いた。

 2次リーグの日本対アメリカ戦で、日本選手の3塁ランナーがタッチアップしてホームインした時、塁審は勿論セーフの判定だったが、アメリカ側のクレームを受けて主審(球審)はランナーをアウトにした。この主審はアメリカ人である。VTRを何度見直してもタッチアップは成立していた。これで、日本中が憤慨したのである。

 この問題の審判は、続くアメリカ対メキシコ戦で信じられないほど劣悪なジャッジをした。メキシコ選手が打ったボールが右翼ポールに当たってホームランになった時、どういうわけか「エンタイトル・ツーベース(2累打)」にしたのだ。彼はこの時、1塁の塁審だった。VTRを何度見直しても、明らかにホームランである。

 メキシコも勿論日本と同様に抗議したが、受け入れられなかった。日本選手のタッチアップの時も酷かったが、アメリカ対メキシコ戦の場合は“草野球”以下の最低のジャッジであった。否、最低と言うよりも、アメリカに有利になるように判定した“最悪”のジャッジだったと言えよう。

 最悪とは最も悪質という意味である。私は茫然自失として虚脱状態になった。こんな審判が、野球の聖地・アメリカにいるのか! 殺してやりたいほどだった(過激な言い方で申し訳ないが)。すぐにアメリカ大使館に抗議の電話をと思ったが、「たかが野球」のことで電話するのも大人気ないと思い、自分を抑制した。しかし、憎しみは募るばかりである。

 幸いにも“野球の神様”は正義の味方だった。このような恥知らずなジャッジがあったにもかかわらず、メキシコはアメリカを2ー1で破り、アメリカは2次リーグで敗退、日本が準決勝に進むことになった。私は「ざまあ見ろ!」と思った。なぜなら、アメリカの審判は“アンフェア”だったからである。(他にも不審なジャッジがあったが、細かいので省略する。)

4) 韓国が素晴らしい野球を見せてくれたのとは対照的に、アメリカのアンフェアなジャッジが目立つ大会となった。 次のWBCがどこで開かれるかは別として、審判の問題は重要である。自国のチームが出場している時に、その国の人間が主審などの審判を務めるのは“ナンセンス”だ。人間だから、どうしても自国に有利なジャッジを出しがちになる。

 たとえ、そうではなくても、観衆から“色眼鏡”で見られることもある。公正を期するためにも、勝敗に全く関係のない第三国の人に審判をお願いすべきである。 野球発祥の地であるアメリカは今回、勝負に負けたことよりも、アンフェアな自国の審判にいつも助けられていたという“恥”を思い知るべきだ。

 他にも、対戦相手が限定されていて、日本、韓国、アメリカが2次リーグでラテン・アメリカの強豪と戦う機会がなかった。これもアメリカが決勝に進みやすいように、アジア諸国との対戦を優先する思惑があったと伝えられている。(それでも、アメリカは敗北した!)

 とにかく、アメリカはフェアであってほしい。公正な国であってほしい。勝敗のことよりも、友好国の一国民として今回、アメリカに裏切られたような気がしてならなかった。 あんな不正なジャッジに助けられても、アメリカは世界一になりたかったのだろうか。アンフェアな審判を“処分”するぐらいの公正さを示してほしかった。実に残念である。

 これ以上、アメリカを非難するのは止めるが、日本のプロ野球や大リーグの公式戦が間もなく始まる。WBCの戦いがあっただけに、例年よりも野球ファンの関心や注目度が高まるだろう。それは野球にとって良いことだ。 3年後の次のWBCが、納得のいく形で開かれることを願って止まない。(2006年3月24日)

 トップページに戻る