1)自衛隊は憲法違反である。
日本国憲法第9条の2項では、「陸海空軍その他の戦力は、これを保持しない」とある。
自衛隊は仮に「陸海空軍」ではないとしても、「その他の戦力」に該当している。戦車や戦闘機、大砲は勿論のこと、イージス艦や潜水艦、ミサイルなど最新鋭の物凄い戦闘機能を大量に持っているのであるから、明らかに戦力を保持している。これは誰が見ても明白な事実であり、小学生でも分かることだ。よって、自衛隊の存在は憲法に違反する。
昭和20年代の後半、警察予備隊から保安隊、自衛隊へと拡充していった頃は、自衛隊も極めてお粗末な軍事力しか持っていなかったので、「戦力なき軍隊」と言われ大多数の国民もそう理解していたと思う。 従ってその当時は、自衛隊の存在は憲法9条に抵触するとは思えなかったであろう。
しかし、あれから約50年たった今日、自衛隊の戦力(戦争を遂行しえる力)は飛躍的に増強され、今や世界でも有数の戦力を保持するまでに至った。 どのような詭弁を弄しようとも、現在の自衛隊は近代戦を遂行できる戦力を保持しており、明らかに憲法9条2項に違反しているのである。
2)自衛隊の廃止か、憲法9条の改正か。
それならば問題は次に移る。憲法違反の自衛隊を廃止するのか、それとも自衛隊を存続させるために、憲法の方を改正するのかという事である。
この点については、国民の考えは大きく分かれるものと思う。 護憲の立場から自衛隊を廃止、もしくは改組すべきだという意見と、自衛のための戦力を保持する自衛隊の存在を認めて、憲法の方を改正すべきだという意見に分かれるはずである。
例えば、2000年5月3日に発表された読売新聞の憲法改正第2次試案では、「戦争や武力の行使は、永久にこれを認めない」としながらも、「自衛のための軍隊を持つことができる」としている。
勿論、読売新聞の憲法改正試案に反対する人も多くいるであろう。あくまでも現行憲法を擁護したいと思う人達も大勢いるはずである。 絶対平和の精神を高らかに宣言した憲法の意義は、実に大きいものがあり、また貴重なものであると思う。
しかし、その思いと、憲法9条と自衛隊の存在の矛盾を放っておく事とは別である。
戦力を保持する自衛隊の存在が、明らかに憲法に違反する以上、それを廃止もしくは改組するのか、今の自衛隊の存続を認めて憲法の方を改正するのか、日本国民はニ者択一を迫られているのである。
3)結論・ただちに憲法改正を!
日本政府はこれまで、自衛隊は合憲だとか、憲法9条は個別的自衛権を認めているなどと苦しい解釈の答弁を重ねてきたが、憲法のどこに「自衛権」が認められているのか? どこにも認められていないではないか。 はっきりと条文化されていないのは、認められていないことと同じである。
そもそも「自衛権」とは、一般的に「外国からの違法な侵略、侵害に対して、武力を行使しうる国家の権利」と理解されており、国際法上、合法的と認められているものである。
ところが今の日本国憲法では、第9条1項で「武力による威嚇又は武力の行使は、国際紛争を解決する手段としては、永久にこれを放棄する」としている。 つまり、今の憲法では、「自衛権」をも明らかに放棄しているのである。こんな事は小学生の国語理解能力があれば分かることだ。 これまでの政府の解釈は明らかに詭弁であり、ごまかしに過ぎない。 だから「解釈改憲」などと言われるのだ。
憲法9条における自衛権の解釈を、あれこれ議論するのはやめよう! 解釈はいくらでも成り立つのだ。不毛の議論はやめようではないか。 こじつけやごまかしの議論は、もうやめよう! いつまでたってもラチが明かないではないか。 だから“神学論争”などと言われるのだ。
今の自衛隊の存在が憲法に違反する以上、また「自衛権」さえ認められていない以上、それではどうしたら良いのか、次のステップの議論をしようではないか。
憲法違反の自衛隊を廃止するのか、「自衛権」を回復するために憲法の方を改正するのか、ということである。 憲法と現実がこれほどまでに矛盾、乖離を生じてきている以上、我々国民は、もうそろそろ決着をつけなければならない。 憲法の条文を、もっと分かりやすいものにしようではないか。 「あいまいな日本」で50年以上たってきたが、もうこれ以上は「あいまいさ」が許される状況ではない。二者択一が迫られているのである。
日本は独立国である。これは誰しもが認めるものである。他の国の属国でもないし、保護国でもない。
独立国であれば、他国の侵略から自国を守るために、自衛のための最小限の武力(戦力)を保持していて、当然である。 これは国際法上からも認められているものである。
それならば、もはや議論の余地はない。自衛のための武力(戦力)の保持さえ認めていない今の憲法をただちに改正して、「自衛力の保持」と「自衛権の行使」を明文化すべきである。 そして、「侵略戦争」は絶対に放棄することを明記すればよいのだ。 その上で、年間5兆円に近い今の自衛隊の予算が多過ぎるのかどうか、もっと少ない予算で効率的な防衛力の整備ができないものかどうか、といった議論を進めるべきである。(2001年12月23日)