“悪の枢軸”北朝鮮を弾劾する

1) アメリカのブッシュ大統領が、今年1月の一般教書演説で、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)のことを「悪の枢軸」と名指しで非難した。イラク、イランと並んで「悪の枢軸」だというのである。 また、アメリカ政府の高官も先般、北朝鮮のことを「ならずもの国家」と言った。アメリカの北朝鮮に対する敵意は、相当なものがある。

 第2次世界大戦の前に、アメリカはナチス・ドイツ、イタリア、日本の「枢軸」3国を完全に敵視し、ついに戦争に突入していった歴史がある。 その時のことを彷彿とさせるような事態だ。

2) 北朝鮮は日本のすぐ隣国だというのに、いまだに国交がない。これは、お互いにとって極めて不幸なことだ。誰だって、隣国とは仲良くやっていきたいものである。日本のほとんどの人達がそう思っているだろう。 しかし、残念なことに、日朝関係は少しも好転する気配がないばかりか、むしろ悪化の様相を見せている。

 その大きな原因と責任は、やはり北朝鮮側にあるだろう。すでにご承知のように、北朝鮮の核開発疑惑、弾道ミサイルの輸出、日本人拉致疑惑、不審船疑惑、ノドン・テポドン発射、北朝鮮工作員の潜伏問題、金正男氏(?)密入国事件等、日本国民の神経をいらだたせる事ばかりを、北朝鮮が起こしていると言ってよいだろう。 これに対して、日本は何をしたというのか。

 日本は、むしろ善意で応対している。北朝鮮への食糧援助がそうだ。これは人道的配慮から行っているものだが、せっかく援助しているのに、コメは北朝鮮の一般国民には行き渡っていないという。一体、どうなっているんだと言いたくなる。 

 日本だけでなく、アメリカなど諸外国も食糧援助をしているが、目立つのは、北朝鮮当局の不遜な態度だ。日本や諸外国に対し、感謝するという姿勢がまったく見られない。 この国の政府は、一体どういう神経を持っているのか。

3) 最近の「不審船事件」の時も、北朝鮮側のリアクションはひどいものがある。 不審船が沈没すると、この国のマスコミは、日本のことを「ごろつき侍」と非難した。 北朝鮮籍の疑いが濃厚になると、「謀略」だと喚き立てる。この国は、何かあるとすぐに「謀略、謀略!」と叫び声を上げる。

 日本政府はまだ、不審船が北朝鮮のものと断定したわけではない。それなのに、「ごろつき侍」とか「謀略」だとか喚き声を上げるのは、みずから自国の船と認めているようなものだ。 事件が起きた時、中国政府が「不審船は中国の船ではない」と冷静に発表したのとは、あまりにも大きな差がある。もし自国の船でないなら、もっと冷静なコメントが発表できるはずである。

 こうなったら、沈没した不審船を早く引き揚げて、どこの国の船かはっきりとさせて欲しい。 北朝鮮の船であることは、99%間違いないだろう。しかし、北朝鮮のものと断定されても、この国はまた「謀略だ」と喚き散らすに決まっている。 その場合は、日本政府は断固として北朝鮮に抗議し、北朝鮮の謝罪を求めるべきである。

4) 日本の政府と国民は、一体いつまで、この「悪の枢軸」国家にだまされ続けなければならないのか。 非常に情けないない限りである。もういい加減に、断固たる対応が出来ないのか。 食糧援助をしても、一般国民にまで行き渡っていないなら、意味がない。もう援助は打ち切るべきだ。いつまでだまされ続けようというのか。 平和ボケした日本の姿が、ありありと浮かび上がってくる。

 私はアメリカに対して、いろいろ不満や疑問を抱いている。そういう日本人も多いだろう。 しかし、ブッシュ大統領が、北朝鮮を「悪の枢軸」と決めつけたことには、溜飲が下がる思いである。 よくぞ言ってくれた、と感謝したいぐらいの気持だ。 こういう風に言うと、右翼か国粋主義者と思われるかもしれないが、私は絶対に右翼でも国粋主義者でもない。 当たり前のことを当たり前と思い、言っているまでだ。

5) アメリカ政府の高官によると、北朝鮮は中東やアフリカ諸国に、弾道ミサイルを続々と輸出しているという。 テネット・アメリカ中央情報局長官は2月6日、「北朝鮮はイラン、リビア、シリアなどに弾道ミサイルと、その製造施設、部品、技術の輸出を続けている」と発表した。(読売新聞、2月13日掲載) これもアメリカの「謀略」だと言うのだろうか。 もしこれが事実なら、極めて危険な大量破壊兵器の拡散ということになる。 対テロ戦を実施しているアメリカが、黙っているはずはない。

 アメリカのミサイル戦略にも、勿論多くの問題があるが、日本の隣国が弾道ミサイルを続々と輸出し、しかもノドンやテポドンの性能を向上させているとしたら、日本の安全にとって大問題である。 現にテポドンは日本の頭上を飛んで行ったではないか。(1998年8月31日。北朝鮮は、人工衛星の打ち上げロケットだと主張している。)

 不審船疑惑やミサイル問題などを取り上げたが、これは北朝鮮問題のごく一部かもしれない。 まだ多くの疑惑や問題が、隠れている可能性がある。 日本の政府も国民も、これまで以上に警戒心と対策を強化していかないと、いつ何時、とんでもない事態が発生するとも限らない。 そう考える日本国民は多いはずである。 (2002年2月19日)

(後記・・・それにしても、北朝鮮では毎年、何十万人もの餓死者が出ているという。ということは、何百万人もの人が飢えに苦しんでいるということだ。 これは実に悲惨なことである。 金正日氏を始め北朝鮮の政府高官は、これをどのように受けとめているのだろうか。 北朝鮮の政治は、本当に人民のために行われているのか! 実に疑わしいと言わざるをえない。

 もう一つ、我々日本国民が絶対に忘れてはならないことは、“日本人拉致疑惑”である。 もし、北朝鮮が日本人を拉致したのであれば、これは重大な犯罪である。 人権と日本の国家主権に対する、許し難い犯罪である。 断じて許すことはできない! 我々日本国民は、そのことを肝に銘じるべきである。

 そして、いやしくも、北朝鮮との関係で、日本の国益を損なうような政治家が国内にいたら、その政治家も断じて許すべきではない。)

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