9月17日は“屈辱”記念日だ。 日本人であることを恥じる。 犯罪者・金正日を断罪せよ! 北朝鮮は民主的な国家に生まれ変われ!
1) 私は自分の61年の人生の中で、この9月17日ほど怒り、屈辱、憎しみ、悲しみを感じたことはなかった。 悔しくて、日本人であることを止めたいくらいだ。
ご承知のように、小泉首相が北朝鮮のピョンヤンを訪問し、金正日(敬称は付けない)との首脳会談で日朝国交正常化交渉の再開で一致し、「日朝平壌宣言」に署名した。 一見して、いかにも輝かしい、日朝新時代の幕開けを告げるかのような出来事であった。
しかし、この9月17日に、ほとんどの日本国民が感じたことは、怒りと悲しみ、屈辱感と憎しみではなかったろうか。 言うまでもなく、北朝鮮の“拉致犯罪”の結末である。
我々日本国民は、北朝鮮に拉致されたという11人の方の生存と、その無事な帰国を願っていた。 今回の日朝首脳会談で、その道筋が開かれるものと期待していた。 ところが、現実は極めて残酷な結論となったのである。
北朝鮮側の発表によると、他の拉致された人を含めて8人の方が死亡、生存者はたった5人しかいなかったのだ。 テレビで放映される御家族の方の悲しみと怒り、無念さを見て、多くの日本国民が涙を流し、やり場のない憤りを覚えたにちがいない。 私も嗚咽にむせんだ。
金正日は、公式に「拉致」の事実を認め謝罪した。 また「不審船」についても、北朝鮮の特殊部隊がやったことを認め、再発の防止を約束した。
「拉致」にしても「不審船」にしても、つい先だってまでは、北朝鮮は「まったく事実無根であり、でっち上げだ」と何度も表明し、日本を激しく非難してきたのである。 ところが、金正日は手の平を返すようにこれらの犯罪事実を認め、「自分は知らなかった」とヌケヌケと白を切ったのだ。 これほど日本国民を馬鹿にし、侮辱した国家指導者が他にいただろうか!
2) 小泉首相は「拉致疑惑の解決なくして、北朝鮮との国交正常化交渉はありえない」と何度も言明してきた。 まことにもっともな考えである。 しかし、今回の拉致犯罪の悲惨な結末を知るにおよび、拉致の問題は解決したのだろうか。
解決したと考えるなら、冗談ではない! 死去した8人は「病死か災害死などによるものだ」と、北朝鮮側は説明した。 当然、死因についてはもっと正確な事実を明らかにしなければ、納得できるものではない。 殺されたという見方も根強くあるのだ。 これだけを見ても、拉致犯罪の解明はまったく行なわれていない。 国交正常化交渉に入る道理はないのである。
この拉致犯罪について、金正日は「70年代から80年代初めまで、特殊機関の一部が妄動主義、英雄主義に走ってこうなった。責任ある人は処罰された」と述べたという。 それならば、誰がどのような処罰を受けたのか、犯罪人が生存しているのなら、日本への身柄引き渡しなど、まだ多くの未解決の問題が残っているではないか。
拉致犯罪について未解決の問題が数多く残っているのに、国交正常化交渉に入るというのは断じて容認できない! そういうことは、国民の大多数が思っているはずだ。
大体、拉致犯罪の悲惨な結末が分かった段階で、小泉首相は席を蹴って「こんなことでは、正常化交渉に入るわけにはいかない!」と、なぜ言えなかったのか。 どうして、そういう毅然とした態度が取れなかったのか。 犯罪国家のトップに対して、強く抗議すればそれで済むとでも言うのだろうか。
3) 首相周辺も外務省も、歴史的な日朝交渉を成功させたいという気持は分かる。 また、アメリカ、韓国、中国なども、極東アジアの平和や安全保障のために、日朝交渉が順調に推移することを望んでいるだろう。 しかし、これが日本人の尊い生命を犠牲にした上で成り立つものであるなら、日本としては簡単に容認できるものではない。
日本としても、国家としての尊厳があるはずだ。 国家が侮辱されたことが明白になったというのに、なぜ北朝鮮との交渉を急ぐ必要があるのか。 犯罪者が「ごめんなさい」と言えば、それで済むというのか。 それで免罪になるとでも言うのだろうか。
普通の犯罪でも、状況証拠が山ほどあっても犯人を逮捕することはできない。 犯人が自白して確たる証拠が揃って、初めて容疑者として逮捕することができるのだ。 今回、金正日が拉致犯罪などの事実を自白し、証拠も出てきたので(勿論、まだ全部ではないが)、我々は最高責任者であるこの犯罪人を、初めて断罪することができるのだ。
「日朝平壌宣言」で、日本側は過去の植民地支配によって、朝鮮の人々に多大の損害と苦痛を与えたことに、痛切な反省と心からのお詫びの気持を表明した。 日本が真摯に反省し謝罪することは当然であり、納得のいくことである。
それならば北朝鮮側も、これほど大きな問題になっている「拉致」や「不審船」などの犯罪について、宣言の中で真摯に反省し謝罪すべきである。 それがまったく欠落しているではないか! これでは完全に不公平もいいところだ。
4) これで仮に、日朝国交正常化交渉が始まっても、スムーズにいくはずがない。 これほどまでに日本を馬鹿にし、侮辱してきた犯罪国家と誠意を持った交渉ができるだろうか。北朝鮮は「ウソ」の塊であることが白日の下にさらされ、大多数の日本国民は怒っているのだ。
日本はこれまでに、110万トンを超えるコメの食糧援助を北朝鮮にしてきたが、この人道支援に対して、北朝鮮は一度たりとも感謝の念を表明していない。 金正日ら北朝鮮の指導者は、一体どんな神経を持っているのか! そのコメも、本当に飢餓で困っている人達に配られたのかどうかも、分かっていないのだ。
一説によれば、日本政府は正常化交渉の中で、1兆円を超える経済協力を考えているなどの報道が出ている。 金額のことはともかく、経済協力で出した金が軍事費などに流用される心配はないのか。 その保障は大丈夫なのか・・・考え出したらキリがなくなる。
これまでの北朝鮮の“実績”を振り返ると、ウソで塗り固めた所がある。 宣言や条約などは、平気で破っても不思議ではない。 かつての独裁者・ヒトラーは、条約というのは相手国を騙し「破られるためにある」と言った。 現時点では、独裁者・金正日に率いられた北朝鮮は、まったく信用できない国と言ってよい。
国交のない国との正常化は、極めて良いことである。 例えば、日本は中国と30年前に国交を回復したが、その当時は、台湾問題があったとはいえ、沸き上がるような喜びと祝福に包まれていた。 国民の大多数が、日中国交正常化を歓迎したのである。
それに比べると、北朝鮮との正常化交渉は、なんと暗い気分で、屈辱感に満ち、屈折していることか! 怒りと悲しみ、憎しみに包まれた中で、どうして喜びと祝福に満ちた国交回復ができるというのだろうか。
北朝鮮に拉致された日本人は、他にも多数いると言われる。 90人とも100人とも言われているのだ。その人達の安否は、一体どうなっているのか。 正常化交渉の中で、こうした点がはっきりと浮かび上がってくるのか。 政府は、国民に納得のいく指針を示さなければならない。
5) 10数年前、東ヨーロッパの社会主義圏は、民主化の波の中で音を立てて崩壊していった。各国で民主主義政権が誕生していったのである。 ルーマニアでは、独裁者のチャウセスクが民主派の手によって銃殺された。
今日、世界の趨勢を見れば、独裁政権が次々に倒れ、より民主的な政権が誕生していくのは時代の流れである。 共産党一党支配の旧ソ連邦も、民主化によりロシアなどの各国に分かれた。
それなのに、北朝鮮という国は未だに朝鮮労働党の一党支配が続き、しかも金日成・正日の親子独裁政権が半世紀以上も続いているのだ。 私は、他国の政権や政体についてとやかく言いたくないが、これは21世紀の今日、異常としか言いようがない。
北朝鮮の情報は、マスコミのおかげで今やいろいろ我々の所に入ってくる。 大変な食糧危機だそうである。 また核開発疑惑だとか、ミサイル情報なども関心を集めている。北朝鮮から中国に逃亡した難民も、10万人以上だとかいろいろ言われている。
確かなことは、中国で在外公館に亡命を求める北朝鮮の人達が増えていることだ。 これは、はっきり言って、北朝鮮の国内政治がもはや耐え難いものになっている証しである。 食糧危機も深刻なようだが、人権も自由も生命さえも、極めて憂慮すべき事態になっていることは間違いない。
これは明らかに、内政が破綻しているとしか言いようがない。 北朝鮮の国民が哀れである。北朝鮮の人達は、悪政に呻吟しているのだ。 それもこれも、はっきり言って、金正日を頭とする「現在の北朝鮮政権が、悪政の根源だ」と断定せざるをえない。
やがて、北朝鮮の国民が目覚めてくれば、金正日はチャウセスクのような運命をたどるかもしれない。 私は、金正日のような独裁者は早く姿を消して、民主的な選挙で選ばれた指導者との間で、国交正常化交渉をやるべきだと主張したい。 それまで待つことが大切で、金正日のような犯罪者と交渉するのは、日本の国益に反するものだ。
6) 今回の出来事は、日本国民に異常な衝撃をもたらしたに違いない。 私自身も、8人の方が亡くなっていると知った時は、愕然として声も出なかった。 死亡した拉致被害者の御遺族の心情は、いかばかりなものか計り知れない。
何故、このような「犯罪国家」を許すのか。 何故、このような国の「犯罪指導者」と正常化交渉を始めようというのか。
戦後、「日本は国家ではない」とよく言われてきた。 勿論、誇りも自尊心も喪失してきたが、今回、私は初めて「日本は国家ではない」ことを痛感した。 従って、日本人であることを恥じる。 出来れば、アメリカ国民、フランス国民、中国国民などになりたいくらいだ。(悔しくて、これらの国の国籍を取得させて欲しい、と思うくらいだ。)
大抵の個人的な屈辱、怒りなどは我慢することができる。辛抱すればいい。 しかし、今回の北朝鮮による拉致犯罪と残酷な結末は、一日本人として絶対に我慢することはできない。 これほどの屈辱、憤激、憎しみを感じたことはない。
金正日政権は打倒されるべきである! 金正日は、国際法に則って処罰されなければならない。 それが、拉致被害者の家族、ならびに日本、日本国民に対する、せめてもの罪の償いになるはずだ。 そして、我々はあらゆる機会をとらえ、北朝鮮の民主化実現に努力すべきである。 (2002年9月18日)
追記・・・今の北朝鮮は、徹底した軍事力優先の国であり、「文句があるなら力でかかってこい」という国である。 アメリカが「悪の枢軸」と非難したのは当然で、このような国が生まれ変わるとしたら、内部崩壊を待つか、外から壊滅させるかのどちらかである。 仮にアメリカが、イラクの次にもし北朝鮮を攻めるとすれば、日本は全面的にこれに協力すべきである。
日本はこれまで数限りなく、北朝鮮に犯され、騙され、愚弄され、侮辱されてきたが、平和ボケした日本人は(私も含めて)それをほとんど自覚していなかった。 しかし、今は違う。 9月17日をもって、北朝鮮は「悪の枢軸」どころか、生命も人権も自由も踏みにじる「悪魔の国」であることが実証されたのだ。 (2002年9月19日)