1) 私は正月を期して、北朝鮮の民主化と人権を要求する市民団体・RENK(Rescue The North Korean People!)に入会した。 日本語で「救え!北朝鮮の民衆/緊急行動ネットワーク」という組織である。
その機関誌(23号)が先日手元に届いた。 早速読んでみると、昨今の北朝鮮の情勢について詳細に記述されている。 北朝鮮の窮状については、既に多くのマスコミによって知らされているから、大概のことには驚かない。「RENK」の機関誌で確認作業をしているようなものだ。
また、難民(脱北者)の実態についても多くのことが記されていて、大いに参考になった。 それはともかく、この機関誌は徹頭徹尾、暴君・金正日体制を倒すRENKの民主化闘争を支援して欲しい、と呼びかけている点が注目される。
RENKの代表は李英和(リ・ヨンファ)氏という人である。 関西大学の助教授で、テレビや新聞、雑誌等によく出ているので、ご存知の方も多いだろう。 例えば、彼は昨年9月の小泉首相の訪朝について、次のような文章を載せている。
「金正日は小泉訪朝の答礼に日本を訪問すべきである。 そして、拉致被害者のご家族に直接謝罪し、ご家族の罵声を浴びて小突き回され、報道陣の容赦ない追及の矢面に立つべきである」(「小泉訪朝の成果を斬る」から引用。)
まことに同感である。 金正日がそのくらいのことをすれば、我々日本人も少しは彼を許そうという気持にはなるだろう。 しかし勿論、金正日がそういうことをするとは、100%ありえない。
2) 李英和氏は昨年4月のRENKの講演の中で、アメリカのブッシュ大統領がイラン、イラク、北朝鮮を“悪の枢軸”と名指しで非難したことに関連して、次のような指摘をしている。
彼は、ブッシュ演説で見落とされがちだった部分を紹介している。 その演説では、「アメリカ政府は北朝鮮の独裁者と国民は分けて考える、分けて考えた上で、北朝鮮の国民を非常に気の毒に思う。 北朝鮮の国民が受けている苦難、窮状を考えると、私は胸が張り裂けそうだ」となっている。
ここまではっきりと、真情を吐露した国家指導者がいるだろうか。 李英和氏はブッシュ演説を紹介しながら、金正日の独裁体制を厳しく批判しているが、アメリカの思惑はどうであろうとも、一国の大統領が公式の場で述べたことを、我々は肝に銘じて忘れてはならない。
ということは、アメリカ政府の真意がどういうものか、我々は大体理解できるだろう。 李英和氏も指摘しているが、ブッシュ演説には“リップサービス”の面もあるかもしれない。 しかし、北朝鮮問題はいろいろ紆余曲折していくが、最後には、アメリカは“決断”を下すに違いない。 それは「金正日体制打倒」ということである。
3) RENKは1993年から活動を始めたという。 当初は、朝鮮総連(在日本朝鮮人総連合会)の執拗な妨害を受けたという。 しかし最近は、朝鮮総連も意気消沈してしまって、これといった妨害はないようだ。
私も、金正日のような暴君・独裁者がいなければ、RENKと関係を持つことは絶対になかったはずである。(金正日体制がなかったならば、RENK自体も生まれてこなかっただろう。)
幸か不幸か、RENKと関係を持ったことを大切にしていきたい。 私は61歳の“老いぼれ”である。正直言って、可愛い孫の相手をしたり、好きな将棋ゲームをしている方がずっと楽しい。(勿論、それは続けるが) しかし、金正日がいる限り、金正日体制が続く限り黙ってはいられない。それが本音だ。
かつての明治時代にさかのぼるが、朝鮮の近代化・民主化のために、我々日本人の大先輩はいろいろ手助けしたり、協力したことがある。 福沢諭吉も大隈重信も、渋沢栄一も井上馨も、朝鮮の改革派の人達を助け協力したのである。(「北朝鮮は生まれ変われるか」を参照)
今こそ、我々は明治の先覚者に学ばなければならない。心ある人に学ぼう。 RENK(在日朝鮮人、韓国人が多い)のような民主的な改革派の団体を支援していくことは、北朝鮮の民主化、平和国家の樹立のためにも貢献することである。 そういう組織が日本にもあるということを、喜ばなければならない。
現実の北朝鮮は、将来どうなっていくかは分からない。 韓国やアメリカだけでなく、中国やロシアも当然係わってくるだろう。朝鮮半島の政治地図は不透明だが、はっきり言えることは、北朝鮮が民主的な平和国家に生まれ変われれば、北朝鮮国民だけでなく、周辺の国々にとっても大きなプラスになるということである。
従って我々日本国民も、RENKのような団体を支援し、それに協力していこうではないか。 やがて何時の日か、朝鮮半島が民主化されて独裁政権がなくなり、RENKのような組織の活動が必要でなくなる時、我々は初めて勝利を手にすることができるのである。 (2003年1月14日)