北朝鮮への単純な要請

 昨年9月17日の日朝首脳会談以降、北朝鮮問題については様々な議論が行なわれてきたが、不幸にして国交正常化交渉は暗礁に乗り上げている。 拉致事件や核、ミサイル問題などで、日本国民の北朝鮮に対する悪感情は極めて深刻なものがあり、このままでは両国の関係は抜き差しならないものになっていくだろう。

 国同士が対立することは、決して良いことではない。隣国同士は仲良くすべきである。 そこで、最も単純な要請を北朝鮮にしたい。 それは、拉致被害者である地村さん、蓮池さん、曽我さんの家族を一旦、日本に引き渡すことである。

 家族の人達にはいろいろ事情があるだろうから、自分の両親らと相談した上で、北朝鮮に留まるのか、あるいは日本に来るのかを決めてもらえれば良い。 そういう相談の機会さえないというのが不幸であり、異常である。

 もともと、拉致被害者の方々は「一時帰国」ということで、昨年10月15日に日本に帰国された。 その後、日本と北朝鮮の間にいろいろな問題があって、5人の被害者の方々は日本に「永住帰国」した形になっている。

 不法に拉致された人々だから、日本に永住帰国して当然なのだが、当時、北朝鮮側は「一時帰国」の約束を日本側が破ったと、非難したり抗議したことは誰でも覚えている。 しかし、もともと拉致という国家犯罪を侵したのは北朝鮮であり、それに対して日本人が怒りを覚えるのは当然であろう。 金正日総書記でさえ謝罪をしたほどだから。

 日本国民がどれほど怒っているかは、北朝鮮側も分かっているはずである。 私自身もこのホームページで、さまざまな憤激や憎悪、非難、怨念を表明してきたつもりである。まだ十分に表明し尽くしていないかもしれない。

 このままいけば、日朝両国関係は悪くなるばかりで、やがて破局を迎えることになるかもしれない。 そうなっても構わないと思っている人も少なくないようだ。そういう事態を覚悟している日本人も、大勢いると思われる。

 ここで、核開発やミサイル問題などを取り上げるつもりはない。それをすれば止まる所がないことは、日本人なら誰でも知っているから。 どういう国際情勢になるか分からないが(そういうことは誰も予見できないだろう)、要は北朝鮮が少しでも誠意を示すことである。

 従って、いま最も単純に考えられることは、まず拉致被害者の家族の人達を一旦、日本に引き渡すことである。(後の身の振り方は、被害者と家族の人達だけで決める問題である。) いろいろな“疑心暗鬼”や“問題”があることは十分に察する。しかし、それさえも出来ないようであれば、もはや語るに落ちたというものだ。 日朝両国関係は、奈落の底に突き進んでいくかもしれない。

 そういう不幸な事態を、少なからぬ日本人が“覚悟”してきたようである。 しかし、破局や戦争よりは、平和の方がまだ好ましいだろう。時間もだんだん無くなってきたようだ。 北朝鮮は英断をもって、拉致被害者の家族を一旦、日本に引き渡すべきである。それを直ちに実行してもらいたい。 (2003年3月26日)

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