牛飼座(Bootes(ボオーテス))

(牛飼座は春から夏にかけて東の空に見られる、かなり大きな星座である。星座の形は長細い五角形を胴体と
見て両手を振り上げ、両足を踏ん張っている巨人の姿が星図には描かれている。
かなり古くから知られている星座だが、この星座の元となった人物が誰であるのかははっきりとしない。
牛飼座は天頂付近にある星座の為、ギリシアでは牛飼座を天を支える巨人アトラスになどらえることがある。
ここではその巨人アトラスの神話について紹介します)

巨人アトラスは、かつて大神ゼウスの率いるオリュンポス神族との戦争で敗れた巨人族の1人で、ゼウスにより
永久に天を担いで支えていなくてはならないという辛い役目を負わされていた。
そんなあるとき、勇者ヘラクレスがアトラスのもとへやってきた。彼はティーリュンスの王エウリュステウスの命令で、
12の功業のひとつ、西の果てに棲むヘスペリデースの園にある金の林檎を取りに行く途中だった。
ヘラクレスは金の林檎を探す旅の途中、岩山に縛りつけられていた賢者プロメーテウスを助けたことがあった。
プロメーテウスは礼として、彼に金の林檎を手に入れるのならアトラスに協力を頼むといいと教えてくれたのである。
 アトラスはヘラクレスの話を聞くと、「それならわしが金の林檎を取ってくる間、わしに代わって天を支えていてくれ」
とヘラクレスに言った。ヘラクレスは了承し、アトラスが戻ってくるまで天を支え続けることになった。
 やがてアトラスは金の林檎を携えて戻ってきたが、アトラスはこの天を支え続ける仕事に飽き飽きしていたので
ヘラクレスに仕事を押しつけようと考えた。アトラスは「わしが代わりにこの金の林檎を届けておいてやろう」と言って
そのまま立ち去ろうとした。
 ヘラクレスはアトラスのたくらみを見抜いたが、天を支えたままではアトラスを追いかける事が出来ない。
そこで知恵を働かせて、アトラスは次のように言った。
 「やれやれ、そうしてくれるのは有りがたい、俺は天を担ぐのに慣れていないので肩が痛くてたまらない。
どうすれば楽に天を担げるのか、ちょっとやって見せてくれないか?」
 単純なアトラスは、いいだろうと言って金の林檎を置くと、慣れた様子で天を担いで見せた。
 するとヘラクレスは素早く金の林檎を拾い上げ、そこからさっさと逃げてしまった。アトラスがヘラクレスに騙されたと
気付いてもあとの祭りだったのである。
 のちにペルセウスが人を石にしてしまう妖怪メドゥーサを退治したとき、天を支える仕事に疲れ果てたアトラスは
ペルセウスに頼んでメドゥーサの毒を自ら浴び、自分を石にしてもらった。
 やがてアトラスは星になったが、いまでもそのまま天を支え続けているのだといわれる。


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