プロローグ

大阪府堺市槙塚台。この場所は、今でも残るが1982年4月1日、この小説の主人公長谷川優は、進学した。私立泉北東中学校3年生だ。正門には、桜の木が育っており、桜が満開である。
米村真と森宮百合子、長谷川優とでいつも、長谷川家に集合し、一緒に通学している。
森宮百合子は、元気な声で優を迎えた。
「森宮、朝から元気だな。どうしたんだ?家で何かあったのか?」
「別に」
森宮百合子は、特別だ。何が特別だというと、美人で優雅で優しくて声も透き通る声だ。顔立ちはよく、長髪で、肌は白く、優にとっては、いつもが楽しい日々だ。だが、優は告白する勇気がないため、日々刻々、引きずっている。もちろん、友人である米村真には、口止め料を払ってもらっている。森宮は、女子バスケットボール部、優と米村は、サッカー部であり、米村は、ディフェンス、優は、ゴールキーパーである。
優のいえには、三人の兄がいる。昌明、真二、和彦である。昌明は、現在、東京大学法学部1年生、真二は、大阪大学法学部1年生、和彦は、大阪府警警視性。母の芳江は、今まで国公立大学難関校現役合格だったので、優にも国公立大学に入れたい、と近所に言い触らしている。
いい迷惑だ!
そのため、高校を公立に入れたい、と願っているが、優なりにもトップ一を目指すため、特訓している。





一章 トイレの花子さん

-1-

入学してから、一ヶ月が経ち、紫陽花にかたつむりが乗るほどの梅雨に見舞われた。北館と中館を結ぶ通路には、わずかながらの霧が発生し、通行禁止となっていた。更に、廊下は雨水で滑るため、生徒が馬鹿心丸出しで廊下を走りスケートのように楽しむ。教師は、くれぐれもアホな真似はするな、と言っている。
放課後、優は森宮を教室に呼び出した。
ところが、呼び出したのが間違いだったのか、百合子は、泣きながら教室に入った。
「バスケ部の円山に叱られて・・・。」
「お前は、何のために部長をやっているんだ!生徒が練習中に病院に行ったではないか!』って、言われた。そんなの有り得へん!私やって、用があったのに」
「部長の責任ではない。ところで、俺、なぜ、呼び出したか、分かるか?
「気持ちが伝わったから。私、早く、長谷川のところに行きたい、とずっと思ってた。」
「円山は、鬼に金棒状態の暴力教師だからなぁ・・・。」
と、その時、百合子は優に素早く抱きついた。
「長谷川がおらへんかったから、恐かった。あの教師が、セクハラなんかされると、ますます・・・。」
と、その時、優は、力一杯百合子を抱きしめた。
「大丈夫だ、俺が・・・。」
優は、一瞬、躊躇ってから、「百合子をずっと守ってやる」と、言った。当然、百合子は、一体何を言い出すの、と思った。ところが、百合子は、だんだん心が温かくなってきた。そして、初めて、優の肌と触れた。優の肌は、温かかった。優の温もりが、優の心の温もりが、百合子の心、肌に伝わってきた。
「俺が百合子を呼んだのは・・・。」BBR> 「優クンのことが好きなの!」
「百合子のことが好きなんだ。」BR> 百合子の心が動揺されはじめるのと同時に、優は百合子の頬にキスした。百合子も・・・。


二人は帰りしな、優の家に寄った。
ところが、返事はなかった。普段なら真二、芳江、父の進一郎がいるはずなのだが・・・。

二人は、中に進んだ。と、そこには荒らされた後があった。衣類が散乱されていた。そして、凝固された血液。そして、信一郎の制服がズタズタにされていた。
そして、机に向かうと、「ごめんね」と書かれていた。


−優、ごめんね。私たち、独立することにしたの。


優は、叫んだ。