「懐かしい匂い」

今回はテーマについて語るというより、懐かしい場所を歩いてみての感想って感じです。
読み物というよりは自己満足の世界っぽいのであしからず(^^;

僕はちょうど今から13年前くらいまで、新宿の都庁から歩いて10分くらいの場所に住んでいたんだけれども(当時都庁はまだなかったけど)
先日、ちょっと近くまで行く機会があったので、散歩がてら以前住んでいたあたりを尋ねてみることにした。
ただ、なにせ7年間くらい住んでいたとはいえ、小学生の頃の記憶なので、道を覚えているかどうかわからない・・・
さらに東京のド真ん中だし、開発も進んでて前とはだいぶ景色も違ってるんじゃないかとかなり不安だった。

新宿駅の西口を出て、まずは最初の目印のマックを目指して歩く。
繁華街と住宅街の境目にあり、ちょっとやそっとのことでは閉店しにくいマックならば現在も残っているだろうしみつかりやすいだろう。
駅周辺の超高層ビル街はさすがに昔と景色は変わってなかったので、さして迷わずマックにたどりつくことができた。
この近くまでは別の用事でたまに来るんだけど、ここから先は13年ぶり。このマックで食べるのも15年ぶりくらいかも・・・
涼しいマックにて遅い昼ご飯をすませ、東京の重い空気の中に踏み出したのは午後3時くらい。
ちょうどこのマックの脇の路地を入ると、外の繁華街とは一転してかなり下町っぽい町並みになるはず。そう考えながら路地に入ろうとすると、
ぽつぽつ雨が降ってきた・・・土砂降りになったらいやなので、戻ってコンビニで傘を購入。まだ雨は全然小ぶりなので気を取りなおして路地に入ってみる。

そこはやはり外の雑踏とは全然違っていて、昔と同じままの風景だった。周りの家はほとんどちょっと古めの一軒家で、ごくたまに3階建てくらいのマンションがあるくらい。
家の谷間を川のように走る道は、曲がりくねって細く車一台がぎりぎり通れるくらいだった。住んでいた頃はこんなに道が細く感じなかったが、小学生だったからだろうか・・・
ちょっと歩くと商店街にさしかかったが、繁華街の商店街とは大違いの寂れた雰囲気はそのままで、
道幅は相変わらず曲がりくねって狭く、一軒家の内装を変えただけのこじんまりとした専門店が軒を並べていた。
ただ以前と違うのは、ほとんどの店がシャッターを閉めていて、商店街も閑散として活気がなく、人もほとんどいない点である。
どの店も潰れてしまったのか、もしくは水曜日は商店街が休みの日なのかはわからないが、
とにかくやっていたのは、昔は威勢がよかった八百屋、5品くらいしか種類がない総菜屋、
それと、中でサラリーマンが新聞を読みながらコーヒーを読んでることで軽うじて営業してるのがわかるくらいの古い喫茶店だけだった。

商店街を抜けると完全に住宅街に入る。僕が住んでた3階建てのマンションはちゃんと残っていた。
マンションの脇を神田川が流れていたのだが、神田川の拡張工事のためにマンションの玄関がちょっと狭くなっていただけである。
まあ確かに台風が来たりすると川が増水して結構すごいことになってたりしてたから、その対策だろう。
コンクリートで固めて地下川にしてしまえばいいとも思うが、まあ歌にも有名な川の本流だしそれももったいないのかな・・・。

さっきまで降っていた雨はにわか雨だったらしく、ほとんどやんでいたので家の前の神田川にかかる橋で川を眺めつつちょっと休憩。川の汚さは相変わらずだった(笑)

ひとごこちついたところで、よく遊んだ公園や小学校などをちょろっと見てみる。どこもほとんど変わっていないが、気づいたことがいくつか。
まずは、どこもかしこも緑が増えてる気がする。
たぶん前からあった木とか花壇がかなり成長して葉がしげっているだけだと思うが、よく遊んだ公園なんかは、狭いのに局地的な林のようになっていた。
あと、“地元車輛以外は通行禁止”っていう看板が路地の入り口に必ず置いてある。
こんな看板は他の場所では見たことないが、やっぱ東京は渋滞するので抜け道として使う人も多いのだろうか。
この狭い道をガンガン車が通ったら迷惑だろうしなあ・・・、子供の頃は遊び場がなくて、野球なんかももっぱら道路でやってたしな。危ないんだろう。

あちこち歩いてるとまた雨が降ってきたので、一通り懐かしい土地をを見終わったのもあり、撤収することに。
最後に近所の友達の家の表札だけ確認して、住宅街を後にする。意外と知り合いもまだ住んでるみたいだった。

実際こうやって子供の頃住んでた土地を訪ねてみると、今でもしっかり自分の家や周囲の地理を覚えていたことに驚く。
子供の頃の記憶も意外とバカにできないものだ。でも道は覚えていても景色の印象はかなり違って見える。正確に言えばすべて小さく見える。
建物の外観は覚えていても、その建物の大きさや道の太さなどはかなり記憶とは異なってこじんまりとしていた。
小学校までの道のりでさえも、当時は結構長くて歩いていくのがだるかったが、今歩いてみると当然のごとくすぐ着いてしまう。
この外観の記憶と大きさの印象が違うのはこれはこれで結構不思議な感覚だが、おもしろいものである。
この感覚は老人になってから来たらまた違うものなのだろうか。少なくともまた10年後には来てみたい。
まあその頃にはさすがに風景も大いに変わっているのだろうが・・・。

そんなことを考えながら再びさびれた商店街を歩いていると、さっきまで本降りだった雨が小ぶりになってきて、マックについた頃には完全にやんでいた。
まったくもって迷惑な雨だ・・・
おかげで僕の“懐かしい匂い”は“夏の雨の匂い”として思い出に残りそうである(笑)