傾聴とは、カウンセリングにおいて相手との関係性を構築するためのスキルのひとつです。
話している本人が自分自身に対する理解を深め、
自分で意思決定することで前を向けるように手助けすることが目的です。

「傾聴」は、相手が話したいことを自由に話せるよう、
受容的・共感的な態度で相手に丁寧に寄り添います。

「聴」という字は、耳と目と心という字でできています。
つまり、耳で相手の言葉や声のトーンをとらえるだけでなく、
目でも心でも需要するのが「聴く」ということです。

「目で聴く」とは、相手の姿勢や態度、表情、呼吸などを見逃さないことです。
「心で聴く」とは、耳と目からの情報以外に、背後にある奥の感情に素直に共感することです。

カウンセリングの場では、話しやすいように環境を整え、
いろいろな手法を使って緊張をほぐし、信頼関係を築き、保つことを心がけています。
「ラポール形成」です。

自分の価値観をすべて後ろに置いて、相手の話を丸ごと受け入れることは、とても難しいことです。
だからこそ、そこを目指すこと自体が「愛」だと私は思っています。

「相手の鏡になるように聴く」「相手を主人公にする」。
シンプルでありながら、「聴く」の一番大切で、一番難しいとされている部分です。

人が人をなんとかなんてできません。
他人を変えることなんてできないし、変わって欲しいと思うことすら失礼です。
「自分がなんとかしてあげる」と考えるのは、相手を尊重していないということです。
「聴く力」辰由加


人はたいてい「事柄」に焦点が向いてしまいます。
「事柄」に焦点を当てても相手の可能性や本音を引き出せません。
人の可能性を引き出す基本は「相手」、つまり「人」に焦点を当てることです。
したがって、「相手」に焦点を向けることをまず意識してください。


私たちは目に入るものに気をとられ、相手と自分を比較して一喜一憂します。
しかし、相手の奥にある「人」に触れることができれば、
自分と比較していたことがなんだか小さなことに思えてくるはずです。
あなたと同じように生まれて、生きて、
死んでいく存在としての相手に意識を向けてください。
だんだんと相手を操作せずに、相手をただ受け入れている自分に気づくでしょう。

誰かの説教よりも、自分自身の生の体験からのほうが、
人は多くのことを学ぶのです。
上司や親や先生ができるのは、
部下・子供・生徒が彼らの体験から最大限に学ぶのをサポートすることです。
具体的には質問し、聴くことです。
あなたが質問し、相手の話を聴いていくことで、
相手は再体験し、振り返るなかで、そこから学び、気づくことができます。

人が何か新しいことに挑戦したり、変化を起こそうとしたりするときに、
安全でいたいという欲求から過去の体験を引っ張り出してきて、
「できない」「難しい」という言葉で自分を守ろうとするのです。

「できない」という言葉が出てきた背景には、
何か具体的な体験があるはずです。

アドバイスは、あなたの中の答えであって「相手の答え」ではありません。
絶妙な「聞き方」の技術 宇都出雅巳


一方的にああしろこうしろと教え込むのではなく、
相手のなかの眠っている能力を引き出し、
それを高めていくことが本当の指導である。

コーチの仕事は、相手を無知と決め込んで教え込もうとすることではなく、
相手の能力を認め、その能力が発揮できる環境を創ることなのです。

参加意欲や責任感は、命令からは決して生まれません。

私たちは、自分が存在していることには価値があり、
自分の存在が他人の役に立っていることを実感したいのです。



管理職の仕事は、自分より優秀な部下を育てること。
管理職がどんなに多くの人を育てようと、それは誰でもできる当たり前のこと。
もし自分より優秀な部下を一人でも育てることができたら、
それはその管理職が上司として優秀である証である。
「コーチングの技術」菅原裕子


認められれば気持ちは昂揚します。
それではなぜ認められると、うれしいという感情が人という
生体の中に発生するのでしょうか。
人は太古の昔から、協力関係を作ることによって生き延びてきた種です。
好むと好まざるとに関わらず、一人だけでは生き抜いていくことはできませんでした。
そのため人の生存本能は、絶えず自分自身が協力の輪の中に入っているかどうか、
仲間はいるのかどうかということに対して、チェックをかけているといわれています。

相手が心の底で、他人から聞きたいと思っている言葉を伝えて初めて、
「ほめる」という行為は完結する。
相手をよく見て、相手が日々どんなことを思っているのかを洞察して、
どんな言葉を投げかけられたいのかを熟慮して、
初めて「ほめ言葉」は発せられるべきものです。
  
相手の行為や存在に対して明確に「言葉」で承認を与える場合、
大きく分けて2つのスタンスがあります。
それはYouとIです。
Iで承認するというのは、相手の行為、あるいは存在そのものが、
自分に対してどのような影響を与えているのかを言葉にして伝えることを指します。
長く人の心に残るのは、どちらかというとYouよりもIであるようです。
それは、人はどこか深い部分では、自分がどのように他人に影響を与えているのか、
聞いてみたいと思っているからです。
自分の影響が確認できるということは、
自分の存在価値が確認できるということであり、
この社会の中における自分の居場所を明確に認識するようなものです。

贈り物をされるとうれしいのは、突きつめると、
自分のために時間と体とお金をわざわざ使ってくれた、
その相手の努力が贈り物の向こうに垣間見れるからです。
ポイントはどれだけの努力がそこに介在するかです。
高額であれば良いというものではありません。
こんなに自分のことを思ってくれているんだ、
味方なんだと始終感じさせているわけです。
「味方」を人は簡単に手放しはしないということです。

何気ない話の中で出てきた何気ないことを真剣にすくいあげてくれることに、
多くの人は感動するのです。
しかもやってあげたというような嫌味がみじんもありません。

人が抱える大半の不満の原因は
「私は自分が努力しているほどに周りから大切にされていない」
というところにあります。
「コーチングのプロが教える『ほめる』技術」鈴木義幸


ユーモアのセンスを磨くためにおすすめしているのが、
4コマ漫画です。
これはネタの蓄積というだけでなく、
読むことで同時に会話の構成を学ぶことができるからです。
4コマ漫画は基本的に起承転結で構成されています。
この構成は、会話の流れを考える上でも有効なものです。
「聞き上手」になれる50のルール 浦野啓子


初対面から良い印象を与え、長年の知り合いのような間柄を作るコツは、
一生懸命に自分のすばらしさをアピールすることではないということです。
まずは相手の話をしっかり聞くことが大事だと知りました。

誰もが自分のことを認めてほしいのです。
自分を受け入れてくれる存在が欲しいのです。
受け入れてくれるということは、
否定せずにしっかりと共感して聞いてくれるということです。

会話がうまくいかない理由は、
実は話を聞くのが下手な場合がほとんどです。

どうしたら心を開いて話をしてもらえるのでしょうか?
大事なのは、自分のことを話さず、常に相手に意識を向けることです。
そして聞くときの態度が重要です。
相手に共感していることを充分に伝えることで、
心を開いてもらえます。
特に表情の豊かさは大きな影響をあたえます。

聞いてもらえることで得られるメリットはとても重要です。
・心にたまったものが軽くなる
・自分をわかってくれる人がいるんだという安心感が得られる
・話しているうちに自分で気づかなかった心の深い部分が明確になる

現在カウンセリングやコーチングの依頼を受けることがありますが、
話をじっくり聞いてあげるだけで悩みが消えていく方をたくさん見てきました。

まずは相手に興味を持ち、相手の話を聞くことで自然に意識が相手に向かいます。
相手も自分のことに興味を持ってくれる人には自然に饒舌になり、
会話に困ることも少なくなります。

耳だけでなく心を使って聞くことを、「聴く」ことだともいいます。
相手の話を「聴く」ということは、
相手の言わんとする気持ちを理解しようとすることです。
相手の言っていることや内容をただ理解するだけではありません。
相手が、言葉、表情、態度、声の調子などで伝えようとしていることを
理解しようとすることです。
耳だけでなく目や心を使う必要があります。
「心を使って聞いていますよ」というのを相手に伝えるには、
たくさんの技術があります。
・ボディランゲージの使い方
・声の使い方
・言葉の使い方

自分との比較や評価に意識が向いていたり、
自分の過去の経験などに意識が向いていると、
相手の話を聞いていることにはなりません。
相手に意識を向けるというのは、
相手の環境、相手の状態、相手の気持ちなどに意識を向けていくことです。
相手に関心を向けて聞いていると、
話の腰を折って自分の話を始めたりすることはなくなります。

「相手は何と言っているのだろう、何が言いたいのだろう」と、
相手の気持ちや思い、考えに焦点をあて直し、
相手の気持ちのままについていこうという姿勢が重要です。

相手にお願いをしたり、行動を促したいときには「私は〜」から始まる
「私メッセージ」が有効です。
「あなたは〜」というメッセージだとお願いというより強制されているように感じます。

話を聞く時に「私は〜」と入れると、相手の話を聞いているようで、
自分の話になっていきます。

人の話を聞く時間は長く感じられ、
自分が話をしている時間はとても短く感じるものです。

目立ちませんが、尊敬される条件は能力が高いだけでなく、
目下の話をしっかり聞けることです。

聞く技術を高めることが、人心掌握術の催促の秘訣ともいえるでしょう。

聞く時に重要なのは共感力です。同情して聞くこととは違います。
同情というのは自分が過去に経験した、似たような感情を追体験することでもあります。
また、かわいそうな相手に対し優位に立つ自分が何とかしてあげなくてはという感情でもあります。
いずれにしても自分の枠組みの中でしか物事は考えられませんから、
そうならないためには相手の気持ちを充分に聞き、
同情して巻き込まれることなく、共感して聞くことが求められます。

相談している相手はまずは自分の気持ちを聞いて欲しいのです。

体験談を話し始めると、たいていは自分の苦労話に形を変えた自慢話になりがちです。

男性にとって会話はあくまで「情報」のやり取りですが、
女性にとっては「心」のやり取りなので、その違いが誤解を生みだしています。

相手から悩みを相談されたとき、
@励ましてあげる
A気にするほどのことじゃない
B元気づける
C明るくする
D論理的な話をする
といった対応は、いずれも相手のつらさ、悲しさなどの気持ちを受け取らずに、
はぐらかしてしまっている対応の例です。

「次回同じような場合には、具体的にどうしたらいいでしょう」
このように聞くことで、あなたは応援してくれる人を増やしていくことができます。

たくさんの人に会うってことは、
人生にとって最高の財産になる。
違う考えを持つ人がたくさんいることを知ることは、
人生の幅を広げます。

人間関係を広げるコツは、人に誘われたら、断らないことです。
どんな人との出会いがあるかわからないからです。
そしてたくさんの人の話をたくさん聞くことをお勧めします。

相手はあなたと同じペースで話せるばかりではありません。
話すのをじっくり待ってあげるのも技術です。

話し手が話し終わって一区切りついたように見えたからといって、
何か考えているような状態を見て取れたら、じっくり待ってあげましょう。
一番言いたいことや、本当に伝えたいことというのは、
すべてを話し終えた後に出てくることが多いものです。
話し終わってから数秒待つだけでお客様の本音がポンポン出てくることに
びっくりした経験があります。

沈黙する4つの意味
@自分の考えをまとめるために少し待ってほしいと望んでいる
特に口数が少ない慎重なタイプは、しっかりしたことを口にしたいので黙りこんで考えます。
A迷っていたり悩みを抱えている人は、それをどのように伝えるのかを考えている
B大事な話をする前は沈黙する
C決定的なことを言う前は沈黙する
相手が黙ってしまって気まずさを感じる時は、
相手の呼吸や動きにゆったりと合わせて待つと、
相手に急いで離さなければならないというプレッシャーを感じさせません。

解決策を相手に与えたところで、あくまで相手が答えとして持っていることしか、
すんなりと受け取れません。
相手の望むことは、自分にも理解者がいる、
わかってくれる人がいるという共感を得たい気持ちが一番にあります。
解決策を与える前に、辛さや苦しみを充分に聞いてあげるのが重要です。

相談する段階というのは、ある程度の答えを出していて、
それについての後押しをして欲しいという場合が多いのです。

もともと自分の中にある答えでない場合、
そのアドバイスに従って行動を取ることは少ないのです。

客観的で具体的な情報の提供は、相手の視野を広げることになります。
判断材料を増やすお手伝いはどんどんしましょう。

質問は、実は相手自身が話したいことだったりするのです。

コミュニケーションのトラブルは、
「相手も自分と同じように考えるはず」「これくらいはわかるはず」
という思い込みから発生します。
私たちは脳の中にそれぞれの辞書を持っています。
辞書とは、言葉や表情、状況についてこれはこういう意味だとしていることをいいます。
その辞書は人によって内容が違います。

相手を観察する3つのポイント
@姿勢、表情、目の動き、頬や口元、あごやこめかみ、肩などの筋肉の緊張具合など
A呼吸
B声の調子、テンポ、アクセント

この人は本当に素晴らしい聞き手だなぁと感じた方は、
話を聞いている時の表情がとてもいいのです。
特に目の開き方がいいのです。
目や眉、口の開き方など訓練次第で短期間で変わります。
また、姿勢を合わせることも相手に好印象を与えるコツの1つです。
表情、手、足、姿勢、呼吸などすべてを最初から観察するのは難しいと思います。

一番優先していただきたいのは、あいづちのテンポです。
あいづちのテンポをしっかり観察しようとして研究したところ、
相手のアゴの動きを見るのが一番わかりやすいことに気がつきました。
テンポよくアゴを動かしながら話す人には、早いあいづちを打ちます。
テンポだけでなく、深さも合わせることが大事です。

「はい」、「そうですか」
この2つがスタンダードなあいづちですが、バリエーションを増やすヒントとしては
「ハ行」で受けるのがいいでしょう。
「はぁ〜」「ひぇ〜」「ふ〜ん」「へぇ〜」「ほぉ〜」

話している内容も大事ですが、テンポとトーンがとても影響が大きいのです。

女の子はしっかり向き合って話をします。
男の子同士だとほとんど目を合わせないで会話をしているケースが多い。
男性は自分の意見をどう伝えるかということに重点を置きがちなので、
視線を合わせるのが苦手のようです。相手不在なのです。

否定的な言葉が多くなるのは、被害者意識が強い場合や、
自分自身に否定的な場合です。
自分を防御しようという気持ちが強いために、
相手が話すことは自分を批判していると感じてしまうのです。

絶対に話を途切れさせない秘策は、
オウム返しをして、情報や感想を付け加えた後に、
さらに質問を一言付け加えるのです。

相手が伝えたいキーワードをしっかりオウム返しすることが、
聞き上手のポイントです。

喜び、不安、怒り、悲しさ、苦しさといった「感情言葉」を
オウム返しするのがいい。
相手の感情を引き出してあげることをぜひ意識してください。

聞き上手といわれる人は、実は5W2Hにこだわらないで聞いています。
聞く方の単なる好奇心で話を聞くのではなく、
まずは相手の感情や気持ちに関心を持って聞く姿勢をつくりましょう。
すると、自然に細かな部分も話してくれるものです。

相手の状況や要望を的確に知るために聞くことが大事です。
そのために自分の伝えたい内容を話すのが、コミュニケーションの上級者です。

人は常にベストを尽くしている。
他人の行動を見て、不満を感じるときがあります。
そうだとしても、その人はその時にできるベストを尽くしているのです。
「あたりまえだけどなかなかできない聞き方のルール」松橋良紀


相手に多く話させる時間が長ければ長いほど、つまり、
こちらが聞き役になればなるほど、相手はあなたを好きになるという結果があります。

「聞くことのメリット」
@聞けば情報が入る
A聞くことで仲良くなれる
B相手が自己満足する
C聞けば知識が増える
D相手の人間性がわかる


ぼくたちが何かを始めていくのに、
新しく身につけなければならないことというのはあまりない。

安心感がどこからくるのかというと聞くことだった。
相手を安心させようと、
自分が特別なことをしたり言ったりすることではなくて、
相手に話させることだった。
そして、それを聞くことだった。
「人を動かす10の法則」


相手の心の中に絵が浮かんでくるような聞き方をしなさい。

「がんばれよ」などと、ついイージーに励まして、
相手にプレッシャーをかけてしまうようなことをやりがちだ。
これらのセリフに欠けているのは
「だいじょうぶ」「できる」ということの明確な根拠である。
このような言葉を口にするときにはあなたがそう思う根拠を
「なぜなら」「なぜかというと」の後に述べる。
それだけで、相手の受ける印象が変わってくる。
「聞く技術」が人を動かす



誰でも自分の相づちを注意深くチェックしているだけで、
聞き上手になります。

話がはずむためには、聞き手が話を肯定的に受け取ることが大切です。
自分の話を否定的に聞かれていることがわかると、
話し手は話す気がしなくなってしまいます。

相づちの高等技術、くり返しです。
相手の話したことをくり返すことは、素晴らしい相づちになります。

くり返しの相づちは、「明快に」「短く」「要点をつかんで」「相手の言った言葉で」というのが大切なポイントです。
長い話のなかから、どの言葉がキーワードかを判断します。
そして、セレクトしたキーワードを繰り返せばいいのです。
すると、相手の言葉で、要点をつかんで、短く、明快にくり返したことになります。
このとき話し手の言葉をそのとおり使うのが決め手です。
類似した内容でも、話し手と違う表現をするとあなたの解釈のように感じ、
コミュニケーションに齟齬が生じてしまいます。
相手の言葉を使えばそのようなことの大部分は防げます。

会ってすぐに相手の人間性と心を見抜けるくらいなら、聞く必要などないでしょう。
ていねいに相手の話を聞くのは、わからないからです。


ぐちの聞き方で大切なのは、積極的に聞いてあげるという姿勢です。
ぐちは、たまらないうちに聞いてあげましょう。
ぐちの対象になっている人をかばわないことです。
そして何より親身になって聞いてあげることが大切です。

別れる夫婦とそうでない夫婦の差は、
別れない夫婦が配偶者のぐちを避雷針のごとく聞いているのに対して、
別れる夫婦はお互いにぐちが言えない、
言うとけんかになる関係なのです。



話しかけている人への共感性を失いますと、
評論家的になってしまいます。

相手があなたに向かってぐちを言ったり抗議をしたりするときには、
あなたが迷惑をかけたことが必ずあるからです。

相手が感情を出したときは、こちらは説明をやめ、
相手の感情を受け止めていくのです。

飲み物や料理なども、話をスムーズにする雰囲気を与えます。
のどが渇いたり、お腹が減っていては、
肝心な話はできないのです。

「したくない話ほど前置きが長い」ものです。
前置きを十分にさせてあげてください。
「プロカウンセラーの聞く技術」