金子 みすゞ の世界





   草原の夜

 ひるまは牛がそこにゐて、
 青草食べてゐたところ。

 夜ふけて、
 月のひかりがあるいてる。

 月のひかりのさはるとき、
 草はすつすとまた伸びる。
 あしたも御馳走してやろと。
 ひるま子供がそこにゐて、
 お花をつんでゐたところ。

 夜ふけて、
 天使がひとりあるいてる。

 天使の足のふむところ、
 かはりの花がまたひらく、
 あしたも子供に見せようと。



 POEM  by  KANEKO  MISUZU
 
Photograph by Moonlit
 http://www.fides.dti.ne.jp/~moonlit/

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