「月姫 〜彼我の零距離、キミとボク〜」



第12夜 エピローグ 追憶の月姫あるいは砂の城

 初めての深い口吻の経験の話は以上です。ついでに出生の秘密も話していますが、ね。
 わたくしと彼女の物語は今では儚く揺れる幻。
 もう二度と彼女には私の声は届かない。
 彼女の涙を見ることはもう無いけれど、笑顔を見ることも無い。
 砂に埋もれ消えていくように日々の忙しさに忘れてしまいそうになる思い。
 砂のようにこの思いもまた消えていくのだろうか。
 今のところはそれはどうでも良いことです。本当に忘れてしまいそうな時に考えればいいことだから。
 まさに此方から彼方への思い出話。如何でしたでしょうね。
 報われなくてもいいのです。でも大切な思い出です。入院生活には様々な出会いと別れが合ってそんな中でも一番といえる人と過ごせた時間は何者にも変えがたいのです。

 恋でも愛でもなかったけれど幸せだった物語はここで一旦はおしまい。
 しかしながら、少しは大人になってから再構成して補完した話はどうしてか10歳行くか行かないかの子供同士の話なのにどうにも少々エロチックですぅ。微エロって所ですかぁ。
 創作も加えたらとても普通に見せられないものに変身しそうです。

 続きを聞きたい方はいらっしゃらないと思いますが、宜しければまた別の話を聞きにきてくださいね。
 ここでは、あまり人の来ない環境で文章を愉しむウェイシャン・ヒュプノスダイムがお待ちしております。
「千年の空と海」は皆様の御意見ご感想をお待ちしています。
 今回は、今までの話が強烈に昏い話とかが多かった分、ちょっと明るい系に持ってこれた感がありますし、自分のことも整理できてなかなか満足しています。
 でも、切ない系です。ウェイシャンは切ない系の文章に向いているのでしょうか。

 なんでもそうだけれど、物語は良いと思える部分だけを斜め読みしていった方が良いってこともありますよ。
 ここから先はちょっとオススメできないし、話せるかどうか分からないから、ね。

最終章 ー彩りの世界へ color of heartー
 ゆっくりと移り変わる季節。終わらない冬が無いように、人の心もまた、ゆっくりと移ろい行くものです。だから、またいつか春がやって来る。
 こなたからかなたへ全てが移ろうように きっと…。
 
 夜が更けて月を見るたび思い出す。
 満月の夜には彼女が側に居てくれるような気がします。
 緋色の石を月に向けて揺らす。
 月に愛でられる赤い瞳と雪のような肌と、白金色の髪をもったわたくしのお姫様。
 決して自らの輝きを失うことの無かったその心。
 銀月の姫君、日溜まりのような温かさを持ったキミ。
 月は東に日は西に。
 月を望みて今いずこ。時のうてなに有りしかや。
 何時までも見守っていてください。
 願う思いは遠くはなれていてもきっと伝わる。
 緋色の石を身につけ、月に向かって祈りを捧げます。
 この思いが潰えぬ限りいつの日かきっとまた会えるように、と。

「そうです。人は新たな扉を開けるように、遥かな願いを求めて歩き行くものなのだから」
「すべての探求を終えた時、私たちは真の出発点を知る」

 ご精読ありがとう。無上の感謝をあなたに!
 では「月姫 彼我の零距離、キミとボク」はこの辺で。 ウェイシャン

最後の諸注意
※この話は実話を元に再構成及び補完したフィクションです。
 登場団体・人物・地名・名称など実在のものには一切関係有りません。
 この物語を読んでの事件、事故及びそれに伴う損害にはウェイシャンはその一切の責任を負いかねます。
 (C)ウェイシャンプロジェクト「千年の空と海」


初出 2004年01月30日(金)
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