ひ と こ と

(*名前のうしろの日付は、このページに掲載した日を表しています。)

 

スマナ・バルア (医師)  (2002/03/27)

「・・・ひとりの社会人として必要な知識や教養が不足している医学生も少なくない。
ある医学生が私に質問した。『年配の韓国人や台湾の人が日本語がうまいのはなぜですか』。
別の医学生は、太平洋戦争で激戦地となったフィリピンのレイテ島の存在を知らなかった。
今の日本社会では、ほとんどの医学生は、厳しい現実に直面していない。医学部の受験勉強に追われて、
歴史や地理を満足に学ばず、世間のありようも知らない。・・・」

*スマナ・バルア:医師。日本の大学で医学生を指導。フィリピン・マニラの世界保健機関の医務官に赴任するため帰国するのを前に、朝日新聞に掲載された文章「医学教育 痛みのわかる医師養成を」から。
(朝日新聞2002年3月27日朝刊31面「私の視点」)

五百旗頭 真(いおきべ まこと) (歴史家)  (2002/04/06)

 「・・・日本社会の安全性や日本型経営などが世界一であると、日本人は誇るようになった。成熟した国際認識の中で自己を相対化する能力を欠くと、自信と自負は容易に独善と傲慢(ごうまん)へと変容する。もう欧米に学ぶ物はないとの言葉も聞かれた80年代であった。」
「冷戦終結と共に、湾岸戦争への対応で痛手を負い、そしてバブルがはじけた。二重の敗北であった。災いは群れをなして来るというが、90年代がそれであった。北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)の核とミサイル危機、拉致問題に不審船、台湾海峡ミサイル事件、神戸の大地震にオウム事件、まるで日本をいたぶるように大小の危機が日本を襲い、80年代の傲(おご)りと安全神話を引き裂いた。加えて、不良債権を抱えた日本経済は10年を経てなお沈んだままである。危機と苦境への対応がナショナリズムを伴うのは当然である。しかし今日のそれは、成功して頂点に登りつめた際の誇りが傷つき、その後は試みても試みても再起動しないことへの焦燥から絶望に似た想(おも)いを漂わせた『傷ついたナショナリズム』である。」

「そうした中、自主自尊の原点を重視せよとの原則論は間違っていない。しかしそれが直ちに反中・反韓・反米の内向きナショナリズムを伴うのはどうしたことか。自己破滅しかもたらさない排外ナショナリズムに身を委(ゆだ)ねてはならない・・・」

*五百旗頭 真(いおきべ まこと):神戸大学教授(日本政治外交史)。歴史家。
朝日新聞2002年4月3日夕刊7面「思潮21 ナショナリズム再考 近代日本史が語る排外主義の愚」から

堀越 二郎(ほりこし じろう) (ゼロ戦の設計者)  (2002/05/25)

(*太平洋戦争を振り返って)
 「・・・過去の政治、軍事指導者の無暴に対する憤(いきどお)り、政権が軍部に移るのを幇助(ほうじょ)したような政党政治に対する不満、これらに対して監視を怠ったわれわれ国民の愚かさに対する自責、および善隣に加えた罪科に対する申し訳なさなどに心が痛む。思えば当時の日本はもし望んだなら、互いに侵さず侵されざる理想の文化国家−いわばたとえ程度は低くともよりおおきな東洋におけるスイスの地位−を築き上げ得る環境と実力に恵まれていたのではなかろうか。然(しか)るにそれを一朝にして失い、自らを泥沼の境遇に投ずるとともに、近隣の人々に償い得ないような惨禍を及ぼす愚(ぐ)を敢(あ)えてした。・・・」

幇助(ほうじょ):手助けすること

*堀越 二郎(ほりこし じろう):技術者。ゼロ戦の設計者。
堀越二郎・奥宮正武 共著 「零戦」 (朝日ソノラマ)の、1952年11月30日付で書かれた、初版のまえがきから。(奥宮正武氏は、元 日本海軍参謀)
この「零戦」(注:零戦=ゼロ戦)という本は、
まだ「・・・国民の心の中には前大戦の傷跡が生々しく残っていた。・・・」時代に、「・・・旧海軍航空の正しい記録、・・・を、資料が散逸しないうちにまとめること・・・」(新装版のまえがきから)
を目的に、1952年12月に出版された。

土屋 公献 (弁護士)  (2002/09/16)

(*小泉首相が朝鮮民主主義人民共和国を訪問して、首脳会談をおこなう、との発表を受けて)
 「日本は植民地支配や強制連行など、北朝鮮を何十年も苦しめてきた。まず日本が『過去』をきちんと謝罪するのが礼儀。
 ミサイルや不審船、まして拉致問題は、謝った後で話すべきことで、ものには順序がある。
 靖国参拝問題を見ても、小泉首相の国際感覚には疑問があり、訪朝がうまくいくか心配だ。首相には、日本の礼儀正しさを態度で示してほしい。」

*土屋 公献:弁護士。元日本弁護士連合会会長。
2002年5月に、平壌で開かれた、「日本の過去の清算を求める国際会議」には、日本側代表として参加した。
朝日新聞2002年8月31日朝刊34面から

イエス キリスト  映画「ナザレのイエス」から    (2004/10/31)

 「法の字句を敬(うやま)う者は、法の精神を犯す。」

*「ナザレのイエス」という映画の中の、イエス・キリストのセリフから引用

安 英学(アン・ヨンハッ)  (プロ・サッカー選手)    (2005/01/22)  NEW

(2006年にドイツで行われるサッカーワールドカップに向けた、アジア地区最終予選の最初の試合、「日本対北朝鮮」の試合(2005年2月9日埼玉スタジアム)を前に)
 「・・・本国の選手たちも、普通の若者なんだ、青年なんだっていうのを、見てほしいですし、そういういい機会だなと・・・。」

*ここでいう本国とは、朝鮮民主主義人民共和国のこと。


安 英学(アン・ヨンハッ):在日朝鮮人3世のサッカー選手。東京の朝鮮学校出身で、Jリーグのアルビレックス新潟で活躍。2005年からは名古屋グランパスエイトに移籍予定。2004年には、ワールドカップアジア地区1次予選で、北朝鮮代表選手として、2試合に出場し1得点をあげている。今回の最終予選でも、代表選手に選ばれている。
1月12日に放送されたテレビ朝日系の「報道ステーション」でのインタビューから。

また、別の番組、TBS系の「スーパーサッカープラス」という番組(1月22日深夜放送分)の中でのインタビューでは、本国の選手とどんな会話をするのかという質問への答えのなかで、恋愛の話もしますよ、恋愛は同じですよ、恋愛に国境はないな、という感じですよ。と答えている。このとき同席して、同時にインタビューを受けていた、在日サッカー選手の李漢宰(リ・ハンジェ)選手も、恋愛は同じですよ、と答えている。


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