○ プロローグ ○




それはとても暑い日の夜、俺は淳也と臣を家に招いた。
そして事件は漆黒の闇から前触れもなくやってきた。


   そう11年前、俺と二人は同じ高校に通う仲良し32人組だった。
いつものように65人で家に帰る時、淳也が言った。

『なあ皆、甲州街道ってメチャセクシーだと思わないか?』

訳が判らなかったが、俺はそんな淳也のスレンダーさにゾッコンだった。


途中のカフェバーに俺と友人74人は入り、それぞれ注文した。
もちろん俺はアイミティーをオーダーした。
臣はよほど空腹だったらしくカルボナーラを注文しようとしたが舌がもつれて

『ボラギノール1つ』といってしまった。

俺はそんなじんのダンディさにも惹かれていた。

店員がオレ達が注文した物を運んできた。
その中に注文していないオムライスがあった。
それにはケチャップで “tachibana” と書かれていた。
もちろんそこにいた友人82名の中には “橘” という名前はいなかった。

そのオムライスがその日の夜に起きる事件前触れだとは、
その場にいた97人は誰も気づく事はなかった………






第1章 タスマニアの謎