明日にむかって死ね


 「グュギャァアアン゛ッヅズズズン ドグワンンンンンーーー…・・・」
オレの溺愛車「バイオレット1600GL4ドアセダン(初期型)」はぶっ壊れたギターアンプ
 のような狂った轟音を発して電信柱に突っ込んだ。
オレはドアを蹴飛ばして車外に出た
「この電信柱野郎!!・・・てめーさえなければこんな事になんなかったぞ!!!」
ブチ切れたオレは車のトランクからドデカいハンマーを持ち出し、激突してヒビの入った
部分を狂った様にぶっ叩いてやった   「ハハハッ ブチ折ってやる!!!。」
 無論150キロのスピードで激突した(後の話では時速30キロらしい…)オレも無事な
はずがなく、額から汗の様に血がにじみでている。フッ…でもいいのさ、この怒りに比べたら!!!
オレは斧で木を切るキコリのように電信柱をただ壊すためにハンマーを打ち続ける。
アスファルトには体中から出る血が飛び散り、傷口はますます広がるがオレはやめないのさ。
ハッキリした意識のなかで、オレを殺そうとした、世界の敵、最凶の悪魔、魑魅魍魎の電信柱がぶっ倒れる。
                  「はっ オレが正義だ。」
 オレは腰を下ろし上着のポケットからターボライターを取り出し愛用の煙草「ラッキーストライク」に火をつける。
フッ…そろそろヤバいかな…オレの体…この傷口から出る血…病院に行けってことか?。
もうろうとした意識の中、車のドアを開け、運転席に倒れる様に乗り込んだ。
キーを回す キーを回す キーを回す キーを回す かからない…チッ!エンジンがイカレやがった。
  
  体中が寒い、出血多量だ…このまま…このままオレは死ぬのか、人類は貴重な財産を失うのか…   

     ウウッ…あんな事しないほうが良かった…か、いや、オレは後悔はしない主義さ…

          フッ……死ぬ時も前向きなのさ…
        明日に向かって死ぬ…か……




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…………どのくらい意識がなかったのだろうか、目が覚めたら真っ暗闇の中にいた。
      いっ…生きている、助かったのか。     ハハハッ やはりオレは無敵だ!
      んっ!?でも何処だココは…何かやたらせまい箱の中に居るみたいだ。
 外で男の声がする 
「さーやっと焼けるぞ。」
焼くっ!!なんだそれは?
「あいつは本当に死んでくれて良かったぜ。気分が爽快過ぎる!!」
「死んだ奴に言うのもなんだけど、あいつに迷惑したり、財産取られたり、
           半殺しにされた奴は大勢いるからなぁ、天罰としか言い様がないな。」
「うんうん、そのとうり、そのとうり。」
「くそっーー僕の手で殺してやりたかった…。」
この声、全員知ってるぞ…こいつら自分勝手に好きな事言いやがって!!!
 「テメーらこの箱から出しやがれ!!!全員殺してやる!!!」
 オレは壁をぶっ叩いて叫んだ。
「なんか音しないか、やっぱりちゃんと坊さんに念仏唱えてもらった方が良かったかも、ハハハハハッ。」
「従業員さん、なんか気持ち悪いので早く扉を閉めてください。」
   ギギーーズゥードンッ…   重い扉がしまる音がした…

「おっ…オイっお前ら待てよ!オレは今、棺桶に居るのか!?そして火葬場で焼かれるのか!!?…でもオレは生きているんだぜ!
呼吸しているんだぜ!叫んでいるんだぜ!、オイっお前ら聞こえてんだろ!助けろよ!!」

        パチパチと焼ける音がする…死にそうに暑い…あいつ等呪い殺してやる…
         愛車…  電信柱…   オレの血…    はらわたが煮え返るような会話…
        いや、オレは過去はこだわらない主義さ…いつも前向き、プラス思考。
          
          だから明日に向かって死ぬの…さ……

                 オレは焼けている頭でふと思った
                死んだら「明日」は二度と来ないと………





                                  END