花占いにはガーベラを使うと良い。誰か私を好きな人から貰った沢山の花束。往々にしてそれはガーベラ。白かったり、ピンクだったり可愛い色の。

 誰かからもらった、チョコレートガーベラ。黒いガーベラ。 

「たまに微妙な顔するよねぇ、楽しい?」

 息しないで笑う顔だけ、な感じ。多分それは彼の年には随分と似合わないはずで、妙に、心に残る。うーっと、うち幾つかの花束を投げ捨てる。いくつのガーベラも、いくつの色も、どれほどのものなんだろう、私は少し微笑する。それで何となくソファに倒れ込んだ。花弁を、ちぎる、ちぎる、舞う。会話を思い出す。腰が痛い、身体が痛い、骨が痛い。イライラする、唇をかみしめる。それは成長で生理で訳分かんなくてきっと意味もないから。

 ちぎる。花弁を、一枚、一枚、一枚、何枚目かで気付いて茎そのものを放り投げる。花占いなんて死んでもするか。

 ピンク、ピンク、赤、黄色、残りの一つ、チョコレートガーベラ。手を止めた。

 黒い。黒い花。チョコレートの匂いがするという。匂いを嗅ぐ。する? しない? 彼に似てる?

「たまに微妙な顔するよねえ、楽しい?」

「五月蠅いな、」

 多分、彼には何の思いもなくそう言いきり、私はこの上なく哀しかったのだ。五月蠅いよ、それこそ自分がだ。

 ソファから立ち上がる。

 花と、茎と。部屋中に散らばっている。机の上から、まだ残ってるチョコレートガーベラを手に取った。

 似てる? ……似てない?

 どっちでも良いわ、どうせこれも成長痛だ、いつか消えて無くなるだろうよ。

 花びらをちぎる。花びらをちぎる。

 一枚、一枚、いちまい。足下に、積もる。

 あぁ、積もるのは思い、だろうか。