この世界の果てまで

第2章

 王国を出て、数日がたった。しかし、周りにはただ荒地が広がるばかりだった。この先に本当に違う国があるのだろうか。座るのにちょうどいい岩を見つけたので休憩することにした。ふと、降り返って見てみると、もう王国は見えなくなっていた。ふと、僕は旅に出る前のことを思い出し考えてみた。

 僕は銀細工職人だ。といっても工房を持っているわけではない。まだまだ修行中の身だった。あの日は作品を師匠に見せる日だった。そう、僕が師匠に一人前と認めてもらう試験の日だったのだ。いつもの様に、純銀を炉に溶かし、それから銀細工の形成していった。いいものができた。僕は自信を持って師匠に見せにいった。師匠はじっと僕の作品を見て、口をあけた。

「なかなかいい細工品ができたな」

ぼくは『やった。これで僕も一人前の職人だ』と思った。

しかし次に出た言葉は違っていた。

「だが………だか、ダメだ。こんなものじゃ能力は宿らない。これはただの銀細工だ。わしらが作っているのはただの銀細工ではない。戦いの時に身につける銀細工だ。能力の宿った銀細工なのだ」

さらに師匠は続けた。

「お前は腕がいい。が、何かが足りないものがある。1度世界を回ってみるのもいいかもしれん。回ってこい」

「回ってこいって………。何をすればいいんですか………」

「何もせんでいい。回ってくればいい。出国管理局にはわしが言っておくから、明日から行ってくるんじゃ」

「そんな………」

 師匠は何が言いたかったのだろう………。僕に足りない物ってなんなのだろう………。僕は何も分からないまま出てきてしまった。このまま旅をして本当に何かが掴めるのだろうか………。僕の心には不安だけが残っていた。

... to be continued.

戻る