佐野君


教室に入ると部屋が長方形になっていた。机も横に広がっている。自分の席が分からない。
その全てが昨日のせいであることを私は知っていた。
私が教卓の上で寝ていると、担任の教師が話しかけてきた。「先生が言ってたんだけど、来週からプログラムの授業は全部掃除になるらしいよ。」
それも昨日のせいだった。
「きりつ、きょうつけ、れい。」気付くと号令がかかっていた。私は自分の席が分からない。
「私、君の席知ってるよ。」声のする方を向くと、女の子が机を指している。席に着き机の中に手を入れると、掃除日誌が1冊,給食日誌が1冊、営業日誌が3冊でてきた。
突然、右斜め前の席の子が私の方を振り向いた。なんと佐野君だった。「今日から日誌が増えたんだよ。」佐野君は微笑みながら言った。
昨日のせいだった。


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