浴衣

私は、居間と台所を区切る廊下に立っている。
服装は常に、ランニングシャツの上から浴衣。それは世界の常識である。
私は襟の内側から強引に肩まで腕を出している。
「お父さんの浴衣知らない?」母が父の浴衣を探している。私は知らない。
「あんた、その浴衣は?」母が尋ねる。だが、この浴衣が私の物であることは世界の常識だ。
新しい時代劇が始まったと祖父が喜んでいる。


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