Lapalun's stories


His right side

私は彼の右手が好きだった。
彼にはいつも右手で煙草を持つ癖がある。
その右手を握っているのが好きだった。いつもすこし煙草の匂いがしていた。

最近、煙草増えちゃったんだよね。

そんな言葉に煙草を控えるよう言うのだが、心のどこかにそんな煙草の匂いが無くなると寂しいような気持ちもあった。その香りを感じながら、私は彼の右手を握っている。そんな時間が私にはこの上なく大切なものだった。

お前に右手取られちゃうと、煙草吸えないんだよなぁ。

私は少し困った顔をする彼が可愛く思えた。

ただ、もう、私の左側に彼はいない。

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