花時計 2003年春号 <披講>(幹事・小林たり子)
兼題「風車」「む」で始まる句 その他雑詠
<披講>
ゆく春や馬の首筋あたたかし
睦 作 3
○馬への愛着と生き物と環境すべてへの愛着をも感じます。(国子)
○鬣を撫でているのでしょうか。季語とのつき具合がいいですね(光世)
○馬の首筋、実感がこもっていていますね。(たりこ)
古本をきつく束ねてつばめくる 国子 作 2
○すごーくすきな句です。外の風景ですよね。気持ちのいい
青空が広がっている感じもします。(光世)
○玄関先で作業をしているとか?気持ちのいい句です(たりこ)
真白なカバーを椅子に花の宿
光世 作
2
○昔、花の頃泊まった吉野の宿で覚えがあります。この体験。(国子)
○最近そういう「カバー」をしている昭和レトロのソファをあまり見かけませんね。
懐かしい旧式の旅館の雰囲気。(睦)
寒風山なる名所かな風車 たりこ 作
2
○山という大景と手の中の小さな風車の対比と共通点が面白い。(国子)
○地名からして風が強そう。そこで回る風車。元気いっぱいの子供たち。春浅い一日。(睦)
なかぞらに葉桜まじりそめにけり 光世 作
2
○動いている目線より高い空間の変化を俳句にしていて、視点が斬新(国子)
○中天ということなのだろうけど、なんだか作者は上の空でもある……それをなかぞら
と言ったのか。気が付けば花の盛りは過ぎ、葉桜の時期となっている……。(睦)
ぬるま湯に茶葉のひろがる春の闇 国子 作
2
○先日〈初花に茶葉の開くを待ちにけり〉なる句をつくったばかりだったのでびっくり!
「ぬるま湯」まで言ってしまっていいのかわからないけれど、「春の闇」のおどろおどろ感
は出ていると思います。(光世)
○ぬるいお湯であれば、茶葉もゆっくりひろがるのかな、ぼんやりと見ている様子が
面白いと思いました(たりこ)
花惜しみつつ花の山下りにけり 睦 作
1
○姿のきれいな句。よくある感慨かもしれないけれど、有無を言わせぬ強さがある。
(光世)
新卒が籾蒔き休暇願ひ出る
たりこ 作
1
○季語は「新卒」それとも「籾蒔き」?今風の感覚でたのしいですね(光世)
風ぐるま花壇の色を溶け合わす 睦 作
1
○なんて、素敵な風車の魔法でしょう。(国子)
風車赤信号でとまりけり 光世 作
1
○子供が持って歩いているのかな、横断歩道の赤信号で止まっている様子がほほえましく
思えました(たりこ)
万愚節歯医者の器具の骨つぽき 光世 作 1
○最初ん??と思った。「骨っぽい」と書いてもらった方が…… ゴツゴツと言わず
「骨っぽい」というとこが作者独自の感覚かな。(睦)
葉桜やぱんだもぞうもペンキはげ 国子 作 1
○さわやかな景。惜しむらくは、ぱんだとぞうはカタカナでよかったような。(光世)
新車から干潟の見ゆる端午かな たりこ 作 1
○ドライブの爽快感が季節感とともに伝わってくる(国子)
花衣使はぬままの紐二本 光世 作
1
○有名な杉田久女の「花衣ぬぐやまつはる紐いろいろ」の本歌取りとしてよくも上手に
詠んだものですね。久しぶりの和服を着るために、沢山紐を出した。2本は使わないまま
に着付けが済んで、ほっとした表情の作者。(睦)
里山や前掛のままお花見に 睦 作
1
○普段感覚なんだけど、前掛けをした奥さんにとっては、ちょっとだけ心躍る非日常なの
かなあと、のどかで麗しい。(国子)
花の池言いそびれしまま半周す 国子
保育所に寄合所あり萩根分け
たりこ
むらさきに薫るや藤の散歩みち 睦
目印の辻や水場に水草生ふ
たりこ
むつかしき顔して青き踏みにけり 光世
小児歯科一輪車きて四月かな
たりこ
結び目も美しき重花見かな
たりこ
裏ごしてアスパラガスの絵の具かな 国子
<次回句会について>
次回の幹事は桑田国子さんにお願いすることになりました。
兼題= 「桑の実」「サングラス」「め」ではじまる句 の3つです。
締め切りは7月20日頃でお願いします。