花時計 2004年新春号 被講(2004年 2月9日発行)   被講担当 睦

 皆様ご機嫌いかがお過ごしですか。被講をお届け致します。

今回の参加者は、たりこ、国子、光世、睦の四名です。

兼題は、「山茶花」「烏瓜」「も」で始まる句です。季節は、秋、冬、新年が

混ざっています。

森ぢゆうがかさりかさりと烏瓜 2 光世 

 ●秋の、少し寂しくなった森の中の雰囲気が感じられました。烏瓜の色を思い浮か

 べると、少し妖しい光景でもあって、おもしろく感じられます。(たり子)

 ●冬の近い森の中の乾いた感じが良く出ていると思う(睦)

燃え尽きし焚火のあとへ手をかざす 1 睦

 ●燃え尽きて、なお熱さの残る焚き火・・・、名残惜しいような気持ちがわかり

 ます。(たり子)

 

山茶花や火気厳禁の札大き 1 たり子

 ●懐かしい景。欲を言えば「大き」は要らないかな。物だけで勝負すると印象がより

 強まるような気がします。例えば〈山茶花や塀に火気厳禁の札〉などと。(光世)

腹の虫不協和音や烏瓜 1 国子

 ●烏瓜がベストかどうかは迷うところだけれど、意外性のある句。俳句俳句していな

  い発想が素敵。(光世)

烏瓜置き俳人の墓らしく 1 光世

 ●つき過ぎ?のようですが、烏瓜の朱色と、お墓のモノトーンが浮かんで来ます(睦)

出港の見送りを終へ根深汁 2 睦

 ●寒い港で見送って、その港に近いお店かどこかで一息ついているような様子を

 思い浮かべました。ちょっとセンチメンタルな雰囲気と、根深汁の温かさが

 合っているように思います。(たり子)

 ●汁物の大どんぶりが、なんとなく港に浮かぶ船を思わせるようでいいです。(国子)

電飾の垣根をまたぎ師走客 1 国子

 ●現代的な光景でおもしろいです。(たり子)

山茶花や髪切るほどに母に似る 1 睦

 ●嬉しいのか、ちょっとがっかりなのか。「複雑な気持ち」を想像させて面白い気

  がします。(たり子)

人訪へば先ず手渡さる庭の柚子 1 たり子

 ●木からもいだゆずを手渡しされる感じがいいです。(国子)

衝動買いのケーキぶら下げ冴え返る 1 国子

 ●面白いです。茫然自失の姿が見えるよう。上五(というか上七?)の字余りが気に

 なるけど、「無駄買いの」だともっと俗に落ちちゃうし……難しいなあ。(光世)

  

南北に水鳥の川醸造所 1 たり子

 ●透き通った冷たい水と上等の日本酒を思い浮かべます。(国子)

ふるさとは天井低し嫁が君 1 睦

 ●子どもの頃の、母親の実家の古ーい家を思い出しました。今は「ふるさと」で

 あっても、それほど「低い天井」の家はないのかもしれませんが、懐かしい感じと

 、「嫁が君」がユーモラスな取り合わせで、面白いです。(たり子)

双眼鏡代はるがはるに鶺鴒追ふ 2 たり子

 ●かわるがわるというところがいいですね(国子)

 ●下五、嘘でも「黄鶺鴒」とか言って五音にまとめたい。「追ふ」は言わずもがな。

  楽しい句ですね。(光世)

餅搗きの子に獅子頭乗りかかり 2 光世

 ●獅子舞もあまり見かけなくなった。おどけた獅子の様子、周りの人々の華やいだ

  正月の光景を彷彿とさせる秀句だと思います(睦)

 ●獅子舞昔から好きでした(国子)

人日の道を違へし五分間 2 光世

 ●ちょっと不思議な感覚。(たり子)

 ●あせりの5分間とそのあとの安堵感と。。。(国子)

校庭に続く里山からすうり 1 睦

   村の風情ある学校、いいですね。(国子)

<今回およせ頂いたその他の花々>             

烏瓜下げつふと来てすぐ帰る たり子

極月の六畳を出ずくらしをり 国子

木星の衛星見ごろ大みそか たり子

人見知りせぬ子する犬小春かな たり子

山茶花の薬玉めくが頭上なる 光世 

餅花に温泉饅頭湯気噴けり 光世

針山の抜かれぬ針や寒灯下 国子

嫁が君帰省して寝る子供部屋 睦

気持ちだけはしゃぎて冬の昂かな たり子

持ち物はケータイのみや初詣 たり子

               被講は以上です。皆様ありがとうございました。

【 光世さんから皆さまへのおたより 】

 遅くなりましたが、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

 宣伝になってしまって申し訳ないのですが、俳句に関する本を一冊紹介させてくだ

さい。

 昨年十月に、NHK出版から『私の武蔵野探勝』が出版されました。著者は俳人で

高浜虚子晩年の直弟子・深見けん二氏と、歌人の小島ゆかりさん。二人が二年間、虚

子一行の昭和初期の吟行記録「武蔵野探勝」の跡を二十四か所訪ね歩き、俳句を詠

み、短歌を詠み、短詩型(主に俳句)について縦横無尽に語り合った記録です。私も

編集に絡んでいるため身内の所業みたいでなんとも言いにくいのですが(ええい、

言っちゃえ!)、「花時計」の皆さまの鑑賞に堪えうる、興味深い内容に仕上がって

いると思います。訪ねた先も、虚子の時代からそれほど大きく変わっていない所を選

定してあるので(とはいえ、時代の流れは十二分に感じられますが)、いま行っても

吟行の楽しめる場所ばかり。ある種の吟行ガイドブックにもなっています。

 どうか、大きめの本屋で見つけたら、手にとってさらっと立ち読みしてやってくだ

さいませ。そんなことも手伝ってか、苦手にもかかわらず吟行がしたくてしたくて、

啓蟄の虫のごとくうずうずしている光世でございました。

 (睦よりコメント 同書、書店で偶然先日見かけました。俳句コーナーではなくて

  旅行ガイドの棚にありました。次回行って手にとってみますね。)

<次回のご連絡>

*次回は、春の句会です。

*兼題「卒業」「フリージア」「や」で始まる句、その他雑詠を含め 5句提出して

下さい。

*幹事は、今回に引き続き、睦が担当させていただきます.

メールの方 YQF00577@nifty.com

 faxの方  045ー761ー9098

 郵送の方  〒235ー0007 横浜市磯子区西町15ー7ー302

       今村(中川)睦 あて

*締めきり 3月8日(月)まで

<睦よりお知らせ> 今回お休みの方や、以前数回参加して下さった会員の知人の

方々にも今回の被講をお送りしております。是非次回御参加をお待ちしております。

近況等もぜひ添え書きして下さい。