■花時計第二十九回 2001年秋の号 披講 (2002121日号発行)

兼題 竜胆、蓑虫、露、種採り、「ひ」で始まる句

 

参加者;海老沢光世さん、鶴田梨子さん、中川睦さん、

新居泰行さん、三島和美さん、桑田国子

 

蓑虫や玄関出れば旅ごころ  作者中川睦

 

康行、光世、和美、国子選

・普段住んでいる家を蓑と見立てて、自分は自由にそこから出てどこにだって行

けるんだな、と気づいたのでしょう。ささやかな解放感。(泰行)

・芭蕉の時代にも通じるような光景だな、と。あてどなくふらりと旅に出たくなる。

(光世)

日常に旅心を感じられるのが楽しい。(和美)

わらぶき屋根の庵をごく自然に想像してしまう.。(国子)

 

城跡の露めく石を撫でており  作者中川睦

 

泰行、梨子、和美、国子選

・詠み手の行動の背景がいろいろ想像できる句ですね。(泰行)

しっとりとした石の感触が伝わってくる。(和美)

懐旧の情がやるせない。(国子)

 

仏壇にクレヨンの絵と濃竜胆  作者海老沢光世

泰行、睦、梨子選

静かな部屋の情景が写されていると思います。(泰行)

子どもの頃、成績表をもらうと、中味を仏壇に見せるようにして置いていたこ

 と を思い出しました()

 

蓑虫や小言ばかりの母となり 作者三島和美

梨子、睦、国子

・作者が「うっとうしい!」と思っている心情と、蓑虫のはかなげな感じが、不思議

にマッチしている気がします。(睦)

半ば反省、なかば苦笑か?(国子)

 

種採ると英字新聞広げおり 作者桑田国子

光世、睦、和美選

その上に広げて干すのかな。ミスマッチの感じが新鮮。(光世)

ただ新聞紙と言いたい所を、「英字新聞」と言っただけで急に風景が広がるか

不思議ですね(睦)

おしゃれな風景ですね。まさにガーデニングという感じ。(和美)

 

蓑虫や猪口仕舞ひ居る棚の傷 作者鶴田梨子

光世、睦選

・道具立ては多い気もするけれど、下五の止め方が秀逸。「居る」よりは「ある」

「をる」かもしれない。うーん、季語はいいような動くような、難しいところ。(光世)

何気ない家の中の情景を俳句に詠んでいるところが面白い(睦)

 

流れ星雲の向こうを照らしけり 作者新居泰行

雄大な冬の夜空と、色彩のドラマ性に惹かれました.。(国子)

 

種採りの手よりこぼるる不幸かな  作者三島和美

幸か不幸か、どちらでしょう…。(泰行)

 

種採りやグウルド好むこの日頃 作者鶴田梨子

硬く粒のそろったピアノの音と種がマッチしている。(国子)

 

種採りや爪を彩ることなくて 作者海老沢光世

 仕事、家事、お付き合い、慌しさに紛れる女の日常。でも、心の中では、たま

はマニキュアでもして、お出かけしたいなと思っているもの(睦)

 

卵拾個八拾八円文化の日 作者海老沢光世

和美選

 

神留守の風呂屋の煤のとんできし 作者海老沢光世

和美選

 

ひとり子を遺されたるが式部の実 作者海老沢光世

和美選

*睦さんからの質問で、この句の情景が良くわからないとのことでした.。 以上


次回について>>>

次回の兼題は、蝋梅、鰤(ぶり)、「ふ」で始まる句。その他当季雑詠2句。

締め切り220日。

次回幹事は、中川睦さんです。

宛先:〒331−0046 さいたま市宮前町166−2

                           

世間が米国のテロで騒然となっていた時期に、私はごく個人的な理由で、

かなり落ち込んでいて、テロが何なのさ、という気持ちでしたが、

いざ自分の悩みが解決してみると、今度はにわかにビンラディンの

行方に一喜一憂してしまったりして、まったく自分の勝手にあきれていますが、

よくよく考えてみると、テロに身を投じた人たちも、それぞれにごく

個人的な理由を抱えていて、世の中が見えない状態だったんじゃあないか

などとふと思いました

 テレビの見れるパソコンを買ったので、映画を録画して見ています.

ミッションインポッシブルのベア-ルはエレガントでいいけど、トムクルーズって

なんか、あほづらなのよね。では皆さんお元気で.

 

p.s睦様、こないだの珍しい季語の意味を教えてください.

→睦より 成木責めですね?「なりきぜめ」、と読みます。115日の日に、柿の木などのまわりで、木を傷つける真似をして、「成るか成らぬか、成らねば切るぞ」と囃したてて、果樹の豊作を祝うおまじないの祭りです。「越中に父幼くて成木責め 沢木欣一」