夏・あの海・そして清子のこと 4


■ わたしたちは潮の岬を目指した ■


一日半もたっぷり汽車にゆられて、私たちは遠くの海のまちにきた。 わたしも彼女もくたくたに疲れていた。もう、すっかり日が暮れていた。 町の様子もわからないし、とりあえず駅の近くの海岸ぺりの古い木造の旅館に泊まる事にした。

私たちは二階の奥の二間続きの部屋にとおされた。静まり返っていて、廊下がぎしぎしなった。 私たちの他に、泊まり客なんかとても居そうになかった。


二人きりになると、清子は激しく求めてきた。 女中さんが廊下に膝をついてお辞儀して襖を閉じるて、板張りの廊下をぎしぎし鳴らして遠ざかると、いきなりわたしの胴に腕を回して武者ぶりついてきた。

麦藁帽子を被ったままだ。いっぽうわたしの下半身も、待てなかった。 わたしたちは部屋のカーテンさえ閉じないで、彼女はデニムのスカートを足元に落とし、わたしも急いでズボンを脱ごうとしたが、うまく足が抜けない。

わたしはよろけた。何も急ぐことなんかない、私たちには時間はいくらでもあるんだ。畳に座り込み、なんとかズボンからの脱出にせいこうした。

彼女はもどかしげに私のパンツの中の物を握ってひきだした。わたしも手を廻し、彼女のうすいナイロンパンティの尻の部分を引き下げ、足指に引っ掛けて一気におろした。

私も清子も待てなかった。彼女はすでに十分に濡れていたし、私のほうもはちきれそうに立ち上がっていた。 座布団を彼女の肩と尻の下にしいて、わたしは彼女の上にのり硬く膨張したものを、すばやく彼女のなかに滑り込ませた。

腰を動かし始めると、彼女は私のからだに腕を廻し、力一杯だきついてきた。 麦藁帽子が顔の上にかかってしまい、清子の顔がみえない。 帽子を除けると、おかっぱの前髪があがり、日にあたっていない真っ白な額がでてきた。

清子は鼻の頭に汗をかき、目を閉じて快感を貪りあじわおうとしている。私も急いだ。 彼女の額に汗が滲み出し、玉になってながれはじめた。ウッ、ウッツとうめき、絶頂にちかい。
わたしも目を閉じ、感覚を下半身に集中して彼女を追いかけた。彼女は私の下で伸ばした足に力を入れて突っ張り、あっつ、あっつ、あっつと声をだしてイッタ。

清子は、全身の緊張をゆっくり解いた。「動いちゃ駄目。」彼女は私のものを体内にいれたままの形で、退いてゆく余韻を味わっていた。私のものは、脈打って急激に退潮して、体外におしだされた。しばらくそのまま重なり合っていた。 彼女は上半身を起しボストンバックから紙束を取りだし、何枚か股の間に挟みこんだ。わたしの萎えたものにも、紙をあててくれた。


改めて部屋をみまわし、座卓のうえのお茶の入った湯呑みに手を伸ばし、私に手渡し、自分も飲んだ。あら、すっかり冷めちゃった、と言ってわらった。女中さんが入れてくれてから、大分時間がたっていたのだ。

「だれかに見られていたかも、しれない。」彼女は初めてカーテンもガラス窓も閉じていない事にきずいた。でも、窓の外はもう海だった。暗い島のシルエットがみえる。漁船のトントンいうエンジンの響ききこえている。遠くに船の灯りが見えるだけだった。 彼女は、わたしの股間の萎えたものを、新しい紙を取り出し丁寧にふいた。わたしは彼女の足の間に挟まれたままの紙をとりのぞいて、おなじように拭いてやった。さっき当てた紙は体液が糊のようになっていて、ぱりぱりしてちぢれた毛がすこし紙についてきた。

膣内でだしちゃったけど、大丈夫かな。すこし心配になった。でも、清子は、別に気にしてないようだった。室内の灯りを,暗くしてわたしに抱きつき恥ずかしそうに、すごく気持ちよかったといった。 その夜は疲れきっていたので、風呂もそこそこにして蒲団にもぐりこみ、横になった。彼女は大事なおもちゃをなくさないようにしている子供のように、わたしのものをにぎったまますぐに寝息をたて始めた。



わたしたちは、潮の岬をめざしてここまできたんだ。本州の最南端の岬だ。 昨日明るいうちに串本駅について、岬をみて置きたかったが駅についたのがおそすぎて、古い宿屋に泊まった。

串本の宿屋で明るくなったのも知らないで、わたしも清子もねていた。清子が先に起きて、カーテンを目一杯はじまでひいた。窓ガラスを通して朝日が部屋に差し込んで来た。それで私も目をさました。体の節々が痛い、でも気分は爽快だった。
清子も晴れ晴れした顔をしている。寝巻きの帯がすっかりゆるんで、前裾がちぐはぐだ。白い太ももが片ほう剥きだしになっている。


彼女はまだ蒲団の上に座りこんで、伸びをしていた私に突進してタックルしてきた。私が後ろに転がると、のしかかってきた。
「おい、早く起きるんだよ。海を見てみろってんだ。」 どうしちゃったんだろう、彼女は。
わたしの下腹の勃起したものをつまみだし、爪で弾いて「この、助平。目がさめたら、もうしたいのかよ。」

わたしたちは、レスラーのように組み合ってころがった。わたしは清子を組み敷いた。彼女は下着をつけていない。浴衣が乱れて、乳房も白い腹も丸出しだ。

「偉そうにいいやがって、お前こそこれが欲しくないのか。えつ、お嬢ちゃん。」両手を押さえて置いて、彼女の下半身の割れ目に、私の硬直した物で上下にこすりつけた。「いってみろ、欲しいのか。入れてもらいたいか。」彼女はすぐ降参して、うなずいた。

わたしはいじわるをした。入り口のあたりを、突付いたり、頭を半分だけ入れた、でもすぐ外にだしてしまった。 それにしても、この童女のような女は、なんていう変身をするのだろう。

清子はわたしが入ってゆくと、腰をつきだしわたしの恥骨にクリトリスを押し付けるようと、反身になった。
上下の位置を変え、こんどは清子が上にのった。わたしは彼女の腰が逃げないようにしっかりおさえた。清子は上半身を出来るだけ反らして、下半身を密着させたがった。
清子はあばら骨が浮くほどやせていた。ぺたんこな下腹も、濃い陰毛も臍も朝日を正面に受けて輝いてみえる。
痛々しく不釣合いに豊かにとびだした乳房が、弾んでいる。
ああ、そして清子の色白の肌は、鎖骨のしたからすこし盛り上がりはじめ、そこから白さがさらに透き通るようないろになっている。青い血管がはっきりうきあがってみえる。
青い細いすじが、複雑に錯綜して乳首を囲むようにめざしていく。朝日のやわらかい光の中で、胸も腹も紅に染まっている。うつくしい血の色だ。

馬乗りになって腰を激しくうごかす清子は、顔をゆがめて苦痛に耐えていた。

やめて、やめて、とうわ言を繰り返した。彼女は不安におびえている少女のような表情になり、急に膣のけいれんがおきた。その脈動が私のものを通して伝わってきた。フッと苦痛も不安も消えて、やわらかい安心しきって眠る乳児の表情になった。清子は、わたしの胸にゆらゆらと崩れおちてきた。そしてピクリともしない。死んでしまったのだ。
そして、わたしも汗をびっしょりかいて死んだ。



わたしたちは、潮の岬を目指してあるきはじめた。地図でみると10キロはありそうだった。荷物は宿に置いたまま、女将さんに借りた水筒とおにぎりを持ってしゅっぱつした。目の前に紀伊大島がせまっている。島まで二キロくらい在ろうか。想像していたより大きな島だ。海峡の流れは速そうだ。風で、ちいさく波がたっていた。

清子は麦藁帽子を目深にかむり、無言で私のまえよあるいた。

わたしたちは、潮の岬をめざしてここまできたんだ。

清子とわたしは朝日を浴びながら乾いた砂利まじりの道におちた自分の影だけをみてひたすら歩いた。

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