愛しの久美ちゃん 1
あの時、妙子先生が私に絶対にもう逢えないといったのは、恐らく噂を恐れてのことでした。わたしの住んでいた町は人口の少ない地方都市でした。
夫を早く亡くした美人教師は、あの狭い土地ではなにかと根も葉もない噂の立てられやすい存在でした。おそらくわたしとの事も、事件の起こる前にも何かいわれていたのかも知れません。
あの頃、わたしは子供すぎてわからなっかた。
でも、妙子先生は地主さんの一人娘だったから、まわりの農家の人たち
がこそこそ噂なんかしても気にもとめないプライドのたかいひとでした。
先生はわたしに何もいわなかった。わたしは周りの人達の好奇の目なんか気にもしないぼんやりした子供でした。でも、ほんとうに妙子先生とわたしの間に「事件」が起きてしまった。
先生の耳には、何か私たちのことが面白おかしい噂話になって届いていたのじゃないかって今になって思うのです。
先生は、わたしが逢いたがっても絶対に許しませんでした。
アレから、何年も経ちました。わたしは、先生の事など殆んど、思い出さなかったのです。
私は東京に出て大学の三年生になっておりました。そこえ、音信不通の妙子先生からの手紙が、届きました。
娘がA学院女子短期大学に入学して東京に出て行ったから、よろしくお願いします。内容はそれだけでした。
そのあとに、女子短大の学生寮の住所と電話番号がかいてあるだけ。
井の頭線のある駅の改札口でわたしと先生のお嬢さんの久美ちゃんと待ち合わせました。もう、五年位あっていなかったから、どんな女性になっているか想像も出来ません。
時間より早く行ってみると、若い女性が私の方に手を挙げ近づいてきました。久美ちゃんでした。
電話で打ち合わせしたとうり、わたしは黒のタートルネックのセーターを着て、ブックバンドに四、五冊さつの本をしばっていきました。
久美ちゃんは、ピンクのヘアーバンドで髪を纏め、肩まで髪を下ろしていました。そして、うすいピンクのフレアースカートをはいていました。
電話で話していたとおりのスタイルだった。
久美ちゃんは東京に来てまだ日が浅く、日比谷公園も銀座もいったことが無かった。
まずは、銀座にいってみなくちゃ。
田舎のお城の公園が広くて綺麗っていったって、皇居前の広場や北の丸公園にはかなわない。
くみちゃんは妙子先生にあまり似ていない。細面だし、色もしろくない。でも、せんせいよりは背もすらっとして高いし、スポーツが大好きみたいだ。わたしの前を飛び跳ねるようにあるき、なにか見つけるとダシュする。
「アツ、噴水だ。きれい、行きましょ、走るのよ。」そしてダシュ。
「東京タワーが見える。ほら、あの樹の上よ。高いわー」またダシュ。
「鴨がいる、見て見て、かわいー。雛も一緒に泳いでるわよ。」
そんなこんなで半日、引きずり回される。わたしはへとへとに疲れて、彼女を寮に送り届けた。二週間後にこんどは、新宿の町探検。その後は渋谷だったり、池袋だったり。
くみちゃんはいつの間にか、わたしの腕に自分の腕を回して歩くようになっていた。彼女は中学生の時、おにいちゃんが欲しいといつも言っていた。
こうして、歩けば本物のきょうだいみたいでしょと言う。
他人が見りゃ恋人同士だと思うさと私がいうと、ぱっと飛び離れた。
でも、10メートルもいかない内に、わたしの腕に自分の腕を回した。
手を握ると握り返してくる。わたしの下半身が熱くなってきていた。でも、それはいけない事だ。許されない事だ。
駅から短大の寮に向かう脇道には、街灯が所々にしかない。クヌギや楢の若葉と下草の香りが交じり合ってわたしの官能をしきりに苦しめていた。
寮の門限は九時だ。いそがなくちゃ。
くみちゃんは私の事がお兄さんみたいに好きだという。
わたしはくみちゃんに、君を妹のようにしか思っていない。これは本当だ。妙子先生のお嬢さんなんだから。
久美ちゃんが、予告なしに私の四帖半一間の下宿に現れた。妹なのだから、兄の部屋を掃除しに来るのは当たり前なのだそうだ。
汚い,くさいを連発しながら、湿ったせんべい蒲団を窓の手すりに干し、シャツやズボンを共同洗濯場のたらいに漬けた。ブリーフまで引っ張りだし、クサーイといいながら爪の先でつまんで、別のバケツにほうり込んだ。
あとは、教科書、専門書、辞書、新聞、雑誌のたぐいが部屋の隅に乱雑に積み重なって、居るだけだ。家具は座卓がわりの電気コタツ一つだ。久美ちゃんが捻じり鉢巻で片つけだした。物が少ないから、掃除は5分も掛からない。
狭い部屋で二人だけでいるのは危険だ。げんに久美ちゃんは黙り始めた。わたしもなんだかムズムズしてきていた。初夏の日差しは目に眩しい。今日は日曜日。近所の公園に散歩に出た。
例によって腕を組みながら。くみちゃんの胸のふくらみがわたしの肘にあたる。畜生、ちんぼにどんどん血があつまってしまう。駄目、駄目。
下宿に戻り、くみちゃんはたらいやバケツにつけてあった汚れものを、洗濯板でごしごし洗い始めた。わたしは蒲団を取り込み夕飯の支度だ。買ってきた鯵のフライと味噌汁を電気コタツの上に並べる。あとはご飯が炊き上がるのを待つだけだ。
久美ちゃんは私のズボンと格闘していた。たらいの前にしゃがみこみリズミカルに厚手の生地を板に擦り付けていた。薄いブラウスのなかで乳房が踊っているのがよく見える。そしてスカートを太ももの間に挟み込んで作業しているので、まあるい尻が上下に小気味良く動く。ああ、おれは駄目だよ。
わたしは久美ちゃんの後ろから、肩を抱え込み乳房をブラウスの上から押さえた。
久美ちゃんは洗濯を続けていた。わたしは久美ちゃんを軽く羽交い絞めにして、ながい髪に顔を埋めた。
でも、洗濯の手は止めなかった。わたしは久美ちゃんの耳を軽くかんで、右手でスカートの前に手を入れた。
手がパンツの下に潜りこみ、恥毛の奥のわれめにすべり込むと、洗濯の動きがいきなり止まった。久美ちゃんはクタッとコンクリートの床に座り込んでしまった。
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