「やあ、ワトソン君」
だなんてにこやかにいいながら、自分の腕に注射をうっているのは、あの有名な名探偵シャーロック・ホームズ。
「やれやれ、また麻薬をやっているのか。いい加減にしないと体に異変が出るぞ」
と僕はいうのだけれど、ホームズは笑顔を崩さずにこういう。
「なら、刺激的な事件を持ってきておくれよ。事件でもあれば、これもやめられるだろうね」
「しかし、事件なんてそうあるものじゃない。とにかく、麻薬はやめるんだ。おかしくなる」
「そういうがね、ワトソン君。こう退屈な日々を過ごしていると、麻薬でもやらなくてはやっていられないのだよ」
「君は自分の体がおかしくなってもいいのか」

いや、もうおかしくなっているか。だって、僕はワトソン君じゃない。