ぐーぐー、なんて、鼾を書きながら眠っているのは自称名探偵の夢水さん。
夢水さん、起きてください。事件です。
「うーん……もう食べられない……」
夢水さん! 馬鹿な事、いってないで、起きてください!
「先輩。この人、本当に名探偵なんですか?」
と、そういったのは、バイトの後輩の与田君(仮名)
うーん、それが、僕にも、よく分からない。一応、自分では名探偵といっているけれど……。
「信用出来ないなあ」
なんて、与田君、ぼやいている。
とにかく、夢水さんを起こそう。夢水さん! 起きてください!
「ふにゃ? まだおやつあるの?」
寝ぼけないでください! 盗難事件があったんですよ!
「事件! そりゃ大変だ! 警察を呼ばなくちゃ!」
警察はいいですから! 夢水さん、探偵なんだから、事件を解決してくださいよ!
というと、夢水さん嫌な顔。だから、僕、アレを見せてこういった。
引き受けていただければ、特製のお菓子を用意してありますよ。
「本当! それで、依頼人は誰なんだい?」
僕の後輩の、与田君です。なんでも、彼女にあげるはずだった指輪を盗まれてしまったそうで。
「与田です。こんにちは」
与田君は挨拶をすると、事件の内容を話しはじめた。

与田君が、内容を話し終わると、夢水さんはいった。
「君、多分、犯人は近くにいると思うよ!」
「え、誰です!」
「それは――」
あ! 夢水さん、特製のお菓子食べませんか!
「うひゃあ! 本当かい! ありがたく頂くよ!」
与田君もどうだい一つ。
与田君は、話に割って入られた事で不機嫌そうだったけど、何もいわずにお菓子を口に含んだ。
夢水さんは口中にお菓子をほおばっている。
ん? 二人とも、倒れちゃったよ。どうしたんだろう? やっぱり、お菓子に入れた睡眠薬の所為かな?
それにしても、夢水さん。犯人が僕だと分ったのなら、僕の出したお菓子なんて食べなければいいのに。
さあてと、このあと、二人には催眠術をかけなくちゃなあ。ウフフ。
全く、与田君も、僕より先に彼女なんてつくるからだよ。ウフフフフ。
僕は笑顔で二人を引きずっていった。