32.僕はこうして日本語を覚えた/デーブ スペクター/同文書院
テレビではよく見る彼ではあるが、今まで本を読んだことは無かった。1998年10月に出版されたこの本は決して新しくはないが、思わず手にとってしまった。テレビのディレクターが本業でありながらもバラエティー番組の姿が印象に強いので、本ではどのような姿を見せてくれるのか期待した。他の本はわからないが、この本では真面目な姿を見せてくれる。ただし、もはや彼の「人生の癖」のようなジョークは、あちらこちらで見ることになる。どうして彼はテレビ番組の中で、色々なジョークを口にするのか?その答えを包み隠さず書いている。そんなことにも理由があったというのが、正直驚いた。その理由は結果的に、この本の題名へと繋がっていく。
語学の習得というのは簡単なものではない。必ず努力が必要になってくる。もちろん、彼の流暢な日本語はその努力の賜物である。彼はわからない単語・新しく知った単語はノートにきちんとメモをしている。一日、30単語を覚える事を日課にしていたのは、すごい!もちろん「大変だった」と本人も言っている。そして今でも単語数は減っても、その日課は続けているというのは、素晴らしいとしか言いようが無い。どういったメモなのかは、本の中でそのまま紹介されていて面白い。「こんな日本語、よく覚える気になったなぁ〜」と思うこともたくさんある。
どうすれば語学を習得できるのか?どうすれば勉強を長続きさせる事ができるのか?その疑問は一番最後に、項目別にわかりやすく書かれている。それは彼独特の感性なのだが、私は大いに納得!まさにその通り!だと思った。皆さんはどう思うであろう?
31.くるくるくぅー 癒し犬くぅーちゃんフォトブック/ソニーマガジンズ
某金融会社のCMで一躍スターになった、アイドル犬の写真集。以前、猫派の方のために「民子」をご紹介しましたが、今回は犬派の方のために(笑)
くぅーちゃんは白いメスのチワワで、背中は意外と茶色く、年齢は人間で言うと20歳だそうです。その正体は・・・日本ペットモデル協会のモデルさんなのです。ただ今、大人気なので協会のHPではくぅーちゃんのページもあります。
この本の内容ですが・・・特に文章が書いてあるわけではなく、くぅーちゃんのかわいらしいポーズ・寝顔などの写真でぜ〜〜んぶ構成されています♪くぅーちゃんがお好きな方にはたまらない本ですが、興味の無い方には縁の無い本となってしまうでしょう・・・。
チワワの好きな方には、この本で癒されるぐらい、かわいい写真が満載ですよ♪
30.五体不満足/乙武洋匡/講談社
この本が刊行された1988年、あまりの大反響に社会現象にまでなった。体に障害を持った青年が出した、1冊の本。ベストセラーとなり、長く愛されているのは、人の同情を刺激するからでは決して無い。乙武洋匡という一人の人間の魅力が社会に広く受け入れられたからだ。
この本を読む前は「どんな苦労話が書かれているのだろう?」とか「障害の大変さをどのように伝えているのだろう?」という観点にばかり目がいっていた。そんな自分を恥ずかしく思う。内容の中心は決してそのようなことではない。どのようにすれば、社会に広く「バリアフリー」が浸透するかを考え、健常者と同じように生活してきた、幼い頃からの彼の回想録により、「心のバリアフリー」を伝えているのだ。
読んでいて驚くのは、著者の信じられないぐらい真っ直ぐな性格。曲がっていないというどころか、素直でとても爽やか。文章も魅力的だが、彼のすんだ性格が読んでいて心地良い。彼を慕って、人が集まるのも当然だし、この本が愛されるのも納得がいく。私は197、198ページに自分の人生観の思いが重なった。(文庫本版ではページが一致しているかはわかりません。)
乙武洋匡という人間はこれからも社会に影響を与える存在であって欲しいと心から願ってしまう。そんな期待を持たずにはいられない魅力、パワーを、この1冊の本から感じる。
29.ものを長持ちさせる裏ワザ・隠しワザ/平成暮らしの研究会[編]/KAWADE夢文庫
家事のやり方は、それぞれの家庭によって違い、更に同じ家族の中でもやり方の違いが出てくるものだ。洋服のたたみ方・洗濯物の干し方・調味料の量などなど、人との違いを感じた経験は誰にでもあるのでは?自分の家で代々、受け継がれている家事の方法は本当に合理的か?正しい方法か?と考えたことはありますか?
この本を読めばその答えが出るし、それ以上に新しい情報もたくさん得ることができる。一人暮しをしている方、主婦の方に特にオススメ!雑学が好きな方にもオススメ。
洋服・家具は一工夫、一手間で格段に長持ちする。タンス・布団・靴・電気製品・衣類・生活雑貨、そして住まいまで、家の物を幅広く取り上げている。意外とわかりづらい掃除の仕方も、この本を読めば納得!私もこの本で自分の家事の方法を考え直しましたよ。1度読めば、絶対に自分の糧になる本。
28.人生ノート/美輪 明宏/PARCO出版
まず一言。この本はオススメです。
この本は人生のハウツー本でもあり、社会をわかりやすく書いた本でもある。本屋さんに行けば、たくさんのハウツー本と出会うことができるが、その中でもこの1冊は、情報量・着眼点・文のわかりやすさが飛びぬけて良い。豊富な経験と正しい情報収集、そして両性的な彼独特の位置が、他には真似のできないハウツー本として完成されたと思う。
たった1冊の本なのに、書かれているジャンルは広い。最初から読んでいくのも良いし、自分の興味のあるページを読んで考えるだけでも、彼の鋭い分析力に驚くだろう。
彼の本の中に度々「正負の法則」という言葉が出てくる。これは簡単に説明すると、どんな事・物でも人間は1つ得れば1つ失うという、彼の作り出した論理なのだ。この法則で考えてみると、得たもの・失ったものがある中での、現在の自分があることを自己分析できる。この論理が正しいかどうかは、読んだ方にそれぞれ意見があると思うが、画期的な発想なのは確かだ。
しかもこの本はとても便利で、人生のバイブルとして読んだり、自分に対する戒めとして読んだりと、様々な読み方ができる。自分が信じている常識・凝り固まった常識が本当に常識かどうか考えるのに、とても役に立つ本だ。
27.ダウン症の子をもって/正村 公宏/新潮文庫
今までには無いタイプの本を選びました。
”ダウン症”とはどんな病気か知っていますか?私は詳しくは知りませんでした。”蒙古症”とも言われるそうで、この言葉の由来は患者の顔立ちが「目が細く、やや吊り上り、鼻が低い」という共通性の高さにあり、蒙古系の様相にあるためだそうです。”ダウン”というのは、アップ・ダウンのダウンではなく、この病気の研究者ダウン氏から取ったもの。病気の症状は、肉体の発育が遅く、知能の発達も著しく遅い。言語も上手く扱えず、人との意思疎通も難しいとのこと。また心臓に異常を持っているケースも多い。
著者の正村さんの息子は1963年(昭和38)にダウン症を持って産まれた。その子の成長は、正常な体を持った子供とはかなり違い、教育も異なる。その成長過程と当時の苦労話を日記を交えて、読みやすく、わかりやすく書かれたのがこの本なのだ。
障害を持つ子供を育てるのは大変だろうが、昭和40年頃の福祉・障害者に対する対応・施設は遅れており、人の意識も現在よりもかなり遅れている。情報も行き渡っておらず、日々手探りで育て方を模索している。障害を悲観的に捉えてしまう親も多い中、正村さんは子供の能力を引き出すという育て方に挑戦する。失敗もあるが、それをステップアップに次へと進む。現在では欧米の影響、障害者に対する対応の情報が多く、この育て方の傾向は強いのかもしれないが、当時はまだそういう風潮ではなかったみたいだ。
自分のまわりに障害を持っている人はいないから・・・と思ってしまえばそれで終わってしまうが、社会は様々な人で成り立っていて、自分はその中の構成員の一人なのだ。つながっていないように見えるかもしれないが、それは気がついていないだけと言った方が正しいと思う。
子供の育て方が何かと話題になる現在、子供との接し方、あり方はちょっと違う角度からの情報で気が付かされることもあると思う。この本に登場する息子さんから、子供の能力・可能性の核が「普通の子」と呼ばれる子供よりも逆にわかりやすく大きく伝わってくる。
26.「さよなら」が知っているたくさんのこと/唯川 恵/新潮文庫
テーマが気に入ってしまったので衝動買いしてしまった。目次を見ても、どれも気になるものばかり。でも実際に読むと、期待と大きく違っていたので勝手にがっかりしてしまった。
たぶん書かれている内容は、バブル時代の人間関係だと思う。今の時代の人間関係、恋愛観とはちょっとずれているのだ。
恋愛1つでも、人は色々な考えを持っているが、この本に書かれていることはあくまで1人の人間の考えにすぎない。それをちょっと押し付けがましく書かれている。どうしてこんなに鼻息荒く、熱っぽく書かれているのか不思議だったが、あとがきで作者自身がこの時の状況などを書いていて、ようやく納得できた。この本を書いた時期、作者は仕事が上手く行かず、しかも大きな失恋をしたばかりだったそうだ。つまり、自暴自棄な精神状況で人生論を語っているので、かなり語気が荒いのだ。
これはこれで興味深いものだが、せっかくの恋愛論・人生論なのだから読者側からすると、冷静な考えが欲しいところだ。今、本屋さんに行けばハウツー本が多くあり、もっと見聞の広い人の本があるので、そちらの方が人生の肥やしになると思う。作者も大いに反省しているが、せっかくの文庫化なのだから、もう1度書き直すぐらいの熱意が欲しいところだ。
マイナスのところばかり書いてしまったが、良い言葉・良い発見もあるのでこの本の効果的な活用は、「読んでいて自分の気に入った文を赤いペンで線を引く」ことだと思う。
会社で恋愛している人の悩み・恋人ができない人はどうしてか・恋愛中の悩み・・・などなど女性ならば気になって仕方の無いことがたくさん、熱っぽく書かれています。
25.カルバニア物語/TONO/CHARA COMICS
今回は少女マンガです。もし、女帝が即位したら皆さんはどう思われますか?このテーマに沿ったマンガを紹介します。
”カルバニア王国”では代々、王は男性が即位していた。ところが王が亡くなり、子供は若い娘が1人。そこでカルバニア初の女帝が誕生!だが、前例の無い女帝誕生で、問題は山積み。そんなカルバニア王国の様子をコメディータッチで描いているのが、この本なのだ。
カルバニア王室にはたくさんの王族関係、貴族達、そこで働く者達が、日々出入りしている。そこには様々な人間模様、人間関係が存在する。この見せ方がとても上手い!!時には上手くまとまったり、時には切なく終わったり・・・。
女王になった”タニア”はまだ若いが、女だという事で国民や諸外国にナメられないようにと必死で公務をこなす。女帝に反対の者達は、”タニア”が政治、経済、外交問題に対応できない、ただのかわいい娘なんじゃないかと冷ややか。それを察知して”タニア”は必死になって勉強をする。新しい法案も考え、何度大臣に企画書を捨てられようとも、国を新しく変えていこうと法案を書き直して提出する。即位したとはいえ、問題は次から次へと出てくるものなのだ。
カルバニアでは女帝が誕生したものの、女性が権威を持つことは依然として強い抵抗がある。そんな中、カルバニアの、ある公爵家では後継ぎ問題が続く。現公爵の子供は娘1人なのだ。女公爵が誕生するかどうかが今後の見どころの一つ。
このマンガはまだ完結していないので、さまざまな立場の登場人物の今後が楽しみ。
24.七色いんこ/手塚治虫/チャンピオンコミックス
あまりにも「鉄腕アトム」や「ジャングル大帝」、「ブラック・ジャック」が有名すぎて、このマンガを知らないという方も多いのでは?これは隠れた名作です!
天才役者の”七色いんこ”はあちこちの劇場で芝居をし、人々から拍手、喝采を浴びる。そんな彼は実は泥棒で、芝居を観に来た金持ちの高価なアクセサリーや金を盗む。”七色いんこ”というのはもちろん芸名。芝居の時は役の格好をしているが、それ以外は日常生活までずっとカツラをかぶり、目にマスクを着けている。彼の素性は誰にもわからないのだ。
日常生活も”七色いんこ”という役で生活しているため、”本当の自分”をいつも押し殺している状態にある。物語の途中で”ホンネ”というお化けが出てくる。見た目は、まるでおばけのQ太郎(笑)。だが、そのお化けが見えるのは、いんこだけなのだ。何故ならば、そのお化けの正体は、いんこの本当の自分、「本音」だからだ。度々”ホンネ”が出てきて、いんこと言い争う。これは心理の上手い見せ方だと、手塚治虫の事を本当に感心してしまう。
”七色いんこ”というキャラクターは、いつもキザで紳士ぶっている、という役なので、本当の違う自分と対立するのだ。面白いと思ったシーンは、”ホンネ”が芝居の本を焼いてしまうところ。いんこは怒り、”ホンネ”に向かって「本を返せ!」と怒鳴る。すると”ホンネ”はリヤカーでHな雑誌が売っている自動販売機を持ってくる。そんな状況にいんこは、そんな物はいらないとばかりに泣いているが、”ホンネ”は「一家に一台あると便利だね」と言う(笑)。”ホンネ”はいんこの本音なので、Hな本の自販機が一家に一台あると便利だと、本当の自分は思っているのだ。心理の複雑さを簡単に、そして面白く見せているのがすごい。
いんこが素性を隠し、泥棒をしながら俳優をしている目的は2つある。1つは第1話でわかるのだが、彼の実の父親に復讐するため。そしてもう1つはラストで明かされることになる。ラストの話「終幕」でいんこの過去が全てわかるのだが、ラストが本当に素晴らしい。手塚治虫の力を見られる場だ。ニューヨークでのホームレス生活、ピエロのトミーとの出会い、苦しい役者修行・・・そして・・・その後、ある事をキッカケに日本へ”七色いんこ”となり戻ってくる。ここでものすごいどんでん返しがあり、本当にビックリ!最後は本当に「先が知りたい!」と思わせるところで終わってしまう。残念ながら、この本は未完で手塚先生が亡くなってしまったのだ。ラストのラストは読者の想像に任せる・・・といった感じだが、皆さんはラストはどうなると考えるでしょうか?このマンガは本当に名作なので、まだ読んだ事が無い方は是非読んでいただきたい。
23.どんぐり民話館/星新一/新潮文庫
31の短編がぎっしり詰まった本。どのお話も10ページ前後だが、読むのは少し”力”が必要。今まで短編集をいくつかここで紹介してきたが、それは皆”おもしろ短編集”だったので、面白いと感じる力で楽々読めた。だが、この本はこれらの本とは趣が違う。
”民話”というと「桃太郎」や「舌きりスズメ」などを連想すると思うが、これらの話とは種が違う。なるべくわかり易く伝えるならば、昔テレビで放送されていた「世にも奇妙な物語」のような話が31個入っていると言えばいいだろうか・・・。どのお話も設定や時代は違うが、登場人物は皆、奇妙な話や不思議な体験に巻き込まれる。そして、結末はどんでん返し、又は驚きの展開で終わるというもの。
1話はほんの10ページ前後だが、こういう話の展開は1話読んだだけで、ある程度の満足感を得られるので、一気に読むのには”力”が必要になってくる。
どの話も発想がすごい。星新一独特の世界が広がっている。それはパラレルワールドに潜り込んだような感じだ。あっという間に読めてしまうんじゃないかと思ったが、上の理由で読むペースはいつもよりかなり遅くなってしまった。文章はそれほど難しくないが、社会の成り立ちや人間関係をわかっていないと、ついていけないだろうというお話なので、残念ながら子供向けではないと思う。
22.菊次郎とさき/ビートたけし/新潮文庫
自分の両親について細かく分析し、出版する人はあまりいないだろう。だが、ビートたけしはそれをやってのけてしまった。
ビートたけしは今までに何冊も本を出しているが、どれも冗談だか本気だか・・・という本が多い。彼は照れ屋らしく、すぐに冗談や毒舌で本音をごまかしてしまう人みたいだ。そんな彼が、自分の恥ずかしい話や、家族の事、敗北感などを真面目に書いている。これは正直言ってビックリした。
本は2章に分かれていて、1章目はお母さんについてが書かれている。お母さんの「さき」さんは”教育で貧乏をはらおう”と必死で、子供には大学へ出て、花形の職業に就かせようとする。4人の子供の3人目までは思うように育ったが、末っ子のビートたけしは思うようにいかなかった。たけしは遊びに夢中、せっかく入った明治大学も中退。そして漫才の世界へ。そういう息子に、さきさんは心配する気持ちを持つ。ここまではわかるが、これがものすごい!息子のいるとこ、やること、全てを管理するように支配してしまうのだ。ビートたけしは母の支配から逃げようと必死。結局これは、さきさんが亡くなるまで続いたらしい。たけしは「一人暮らし」を始める事で母親から逃げる事に成功!!・・・・したはずだったが、結果は違かった。どういう風になったのかは、本を読んだ人だけのお楽しみ(笑)
2章目はお父さんの「菊次郎」さんについて。普段はものすごい小心者で、何にも言えない、何にも出来ないが、大の酒好きでお酒を飲むと暴れて暴力を振るい、手がつけられなかったそうだ。この章は、そんなお父さんの引き起こした数々のトラブルが書かれている。家族は大変だっただろうが、ビートたけしの文章力の上手さで、ついつい笑ってしまう。お父さんの章だが、お母さんにまつわる話も多い。そしてさきさんが亡くなった時、ワイドショーの会見でビートたけしはお母さんのことを話しながら泣いていた。きっとそれだけお母さんには思うことがたくさんあったのだなぁ・・・・と感じながら本は終わるのだが、最後にこう書かれていた。
「この物語はすべてフィクションであり、実在の人物には一切、関係ありません」
おもわず噴き出してしまった。やっぱり彼は照れ屋なのだ。
最後に、お兄さんの「北野 大」さんの「北野家の人びと」という15ページほどの文章が載っている。これと、たけしの文を照らし合わせると、どこまでが本当でどこまでが作り話かがわかっておもしろい。
「たけしくん、ハイ!」とは味が違うが、一気に読めてしまう本。
21.たけしくん、ハイ!/ビートたけし/新潮文庫
今までに、おもしろ短編集をいくつか紹介したが、この人のこの本はなんとも言えない別の味がある。文章は全て、下町出身の彼の口語口調で書かれていて、難しいことは一切書いていない。誰かに話し掛けるように、テレビでトークしているように書かれている。
彼の両親はどちらも極端な性格をしていると思う。普通だったら、それを苦に思い、精神的にどうにかなってしまいそうにも思うが、彼はそれを肥やしとしているように見える。私にとってこれはすごい事だと思う。又、下町独特の生活、当時の時代が生き生きと書かれている。それが彼の魅力ある語り口調で語られていて、引きつけられる。
「読書」って難しい、面倒くさいと思ってしまっている人にオススメします。
20.ロードス島戦記 ファリスの聖女/水野良原作 山田章博作画/ニュータイプ100%コミックス
「ロードス島戦記」というと、小説が何巻にも及ぶファンタジーの大作だが、私はこれを読んだことが無く、内容がわからない。それにも関わらず、外伝に当たるこのマンガを買ってしまった。なぜならば、絵が美しすぎるからだ。
山田章博さんの描く絵は美しい。日本の漫画家で彼の画風で描く人はいない。日本のマンガとしては異色だと思う。彼のイラストを見たことが無い人に説明するならば、ヨーロッパの童話の挿絵のような・・・画家のミュシャのような・・・と言えば少しは雰囲気が伝わるだろうか・・・?まさしく、おとぎ話が飛び出したような絵なのだ。
もともとの原作を知らないためか、内容を理解するのは少々難しい。壮大なファンタジーのため、例えば、エルフとドワーフと人間は仲が悪いとか、ロードス島はどう成り立っているのかという、そういうお話の設定をすぐに呑み込めるかに個人差が出てくると思う。私はページを行ったり来たりして、なんとか大筋は理解できた。原作自体は本編が完全に出来上がっているものだし、その外伝なので、さすがにしっかりしている。それぞれの登場人物の活躍から目が離せず、ラストは少し切ない。後に英雄と伝えられる7人は、最後の魔物との戦いでどうなってしまうのかが、このお話の見どころだろう。
魔物退治のファンタジーが好きな方、本編が好きな方、山田章博さんの絵が好きな方にオススメします。
19.森の本/ネイチャー・プロ編集室/角川書店
森の中の美しい写真を集めた”癒し”の本。写真の美しさは文句無く素晴らしい!
「森」というテーマで、いくつもの章に分かれている。写真には所々説明文もついていて、木についての勉強にもなる。各章の最後には詩のような文もついていて、自然が好きな人には見ていて飽きない本だと思う。
森の中に入って草木を観察すると、意外な発見をしたりする。こんな経験を昔、したことはありませんか?それが、この本を読めば再現できるのだ。珍しい木よりも、どこにでもある木がたくさん紹介されているので親しみも湧く。
A5サイズだが写真集なので、値段は2500円。ちょっと高いが、昔、森の中で遊んだ記憶と写真の美しさに思わず買ってしまった。夜、眠る前に読むのにちょうど良い本だ。
18.河童が覗いたヨーロッパ/妹尾河童/新潮文庫
「おや??この本は前に書いてあったのでは?」と思った方もいらっしゃるかも(笑)今度は”ヨーロッパ編”です。以前書いたのは”インド編”。
ヨーロッパに旅行に行く方・留学する方は読んで損しませんよ。むしろ是非読んでほしい本です。
ヨーロッパは様々な国が地続き。著者は鉄道を乗り継ぎ、次から次へと移動している。”インド編”と同様、出会った人・物はなんでも絵にしています。地続きなので国際列車に乗っていると、国境を何度も超えることになる。新しい国に入ると、やってくる車掌さんももちろんその国の車掌さんにいつの間にか交代しているのだ。パスポートにスタンプを押しに来る車掌さんを全てスケッチしているので、国ごとに征服がどう違うかとか、持ち物、帽子のマークの違いがわかっておもしろい。
この本で私がハッとしたのは、海外旅行のノウハウが学べるところだ。海外旅行での失敗談、後悔した話などはあちこちで聞くが、その解決法はあまり聞かない。海外旅行で体験するであろう数々のことが書かれていて、大変参考になる。
中でも特に興味深かったのは、ドイツ語を勉強している学生と著者がドイツのレストランに行った話。その学生は出てきたメニューの文字が乱暴な手書きで読めず、ウエイターはなまりがひどくて話がわからないと言い、自己嫌悪に陥ってしまったのだ。語学を勉強している人にはピンとくる話だと思う。コミュニケーションというのは難しい。語学を習っている人でも、ある程度以上の力がないと、意外と会話が成立しない事が多い。そこで自己嫌悪に陥るケースは多い。
著者は海外旅行のコツは「得点法」だと言っている。言葉が通じないとか、料理がまずいとか、盗難に遭ったとか、町が汚いとかというマイナス面を挙げてしまうと旅行は楽しくない。全てをプラスとして考える事が重要だと言っている。私もそのとおりだと思う。ちなみに著者は日本語以外は全然話せないらしい。
ヨーロッパの町並み、人、物、ホテルの部屋、城、店の看板まで細密に描かれているので、それを見るだけでも楽しいし、旅のノウハウを学ぶ本としても使えると思う。
17.民子/浅田次郎/角川書店
「民子」と聞いてすぐに”猫缶”を思い出した方はすごい!(笑)そうなのです。マルハペットフード10周年記念CMがフォト・ストーリー・ブックになったのだ。
文章は原稿用紙1枚分ぐらいでとても短いが、浅田氏の文章力・ストーリー構成力・愛猫力(?)により、とても温かく少し切ないお話に仕上がっている
。写真中心で、その横に短い文。これだけで読者は想像力を掻き立てられるのだ。
ストーリーは、売れない小説家のただ一人の読者、猫の「民子」がある日突然いなくなってしまう、というもの。猫好きのツボを知っている人しか書けない内容だなと思ったら、やはり浅田氏は相当な愛猫家だという。
CM製作にあたり『民子』、『ポスト』、『キャラとトモコ』という3つの猫の
話を浅田氏が書いたが、CMには『民子』が選ばれたと、この本に載っている
。だが、なんと『ポスト』と『キャラとトモコ』もきちんと本の中に載っていて、しかも3作品の直筆原稿まで掲載されている。ファンにとっては嬉しい心遣い!
浅田氏の『鉄道員』(ぽっぽや)は読むのに少し時間がかかるが、『民子』は5分で読み終わる。忙しい方は『民子』を読んでみてはいかがですか?
16.いきなり!黄金伝説。超節約レシピ50/テレビ朝日
今回は何故か突然、料理本を紹介。一人暮らしで自炊している方、なるべく
お金のかからないおかずを作りたい!という方にオススメの本です。
ちょっと前にテレビ朝日の番組でやっていた1コーナーが本になったものなのです。アイドルの中嶋ミチヨさんが1食50円前後のおかずを作り続けて節約するという内容のコーナーでした。彼女はとても料理が上手!そして知恵が働く!番組で紹介したおかずの中から50個を厳選して、そのレシピが載っているのです。
本当に参考になる料理ばかり。しかもきちんとカロリーまで出ています。限られたお金で料理を作るというのは本当に大変な事です。できる限り安くておいしいおかずを作りたいという方は是非1度見てみてください。きっと彼女のアイデアに驚くと思いますよ。
15.もものかんづめ/さくらももこ/集英社文庫
今から10年前にブームになった本を、今初めて読んだ。今年になって文庫本化されたのだ。ベストセラーになった本というのは、しばらく時間が経つと
文庫本化される傾向がある。それにしてもこの本を今読むことは、自分でも完全に時代の波に乗り遅れていると思います(笑)
以前、紹介した大槻ケンヂの『いきそでいかないとこにいこう』と同じく、短編が集まったおもしろエッセイである。その面白さは笑い声を出さずにいられないぐらいだ。電車の中で読むのは、笑いをこらえるために大変だと思う。
自宅で読むことをオススメする。
水虫治療に頭を悩ませる作者の姿は、失礼ながら大笑いできます。治すために自分で思いついた荒療法を片っ端から試す執念はすさまじい。
作者の祖父「トモゾウ」さんが亡くなった時の話は、大変失礼ながら大笑い
してしまいました。あとがきで、「人が亡くなった事をおもしろく書くなんてヒドイ!」といような手紙が何通か来たとある。人の捕らえ方は様々で、そういう意見が出るのももっともだが、笑い話として思い出に残るのも、それはそれでいいんじゃないかなと私は思う。ここで、「ほほう。人の死でおかしいこともあるのか??」と思った方はこの本を読んでみてください。
いくつもある短編の中で私が好きなのは”睡眠学習枕”を購入した話。雑誌の裏側によく載っている広告を信じて買った作者に拍手!(笑)体験手記なるものが載っていて「僕は眠りながらライバルに差をつけた!!学年3位」という大阪府のA君(笑)の文章が決め手になったようだ。実際に使った作者はどうだったかというと・・・・読んだ人だけのお楽しみということで(笑)
この本は老若男女関係無く大笑いできる本です。「自分も実はまだ読んでいない・・・」という方は文庫本で是非読んでみてください。
14.らせん/鈴木光司/角川ホラー文庫
『リング』のパワーと、先が知りたい気持ちで2巻目に当たる『らせん』を読んだ。
読んでいて、「おや!?」と思う。前作の続きでありながら話の進み方、テンポ、リズムが全然違うのだ。『リング』は読めば読んだだけの恐怖がそのまま返ってくるのに、『らせん』はパズルを解いていくような展開で、前作のようなすぐに味わえる恐怖が無いのだ。
話は謎解き感覚で進んでいき、ラストで全てのパズルが組み合わさり一気に恐怖が突き抜けていく。こういう展開は好き嫌いが分かれると思う。読む側もラスト近くまで、読むのに少し忍耐がいるからだ。作者のあとがきを読んで知ったのだが、『リング』と『らせん』の書き方を変えたのは作者の意図があってとのこと。
だが、「貞子」の恐さは健在(笑)。むしろパワーアップしている・・・。
「貞子」の恐さは果てしないものがある・・・。つづきを読みたい方は3巻目に当たる『ループ』をどうぞ。(一応『ループ』で完結するらしい。)
『リング』、『らせん』と来たから次の感想文は『ループ』だと期待した方
・・・・ごめんなさい。『ループ』は読んでいません(笑)。『らせん』を読むのに少し疲れてしまったことと、「貞子」の恐怖は果てしない事がわかったので、”お腹いっぱい状態”になってしまったのです(笑)
13.リング/鈴木光司/角川ホラー文庫
今回は今までとはジャンルの違う本の感想文を。
一時期、この本はとても話題になりましたね。映画化されたので、映画を見たという方もいらっしゃると思います。映画の出来はどうなのでしょうか?
小説の方はすごいパワーなので、そのすごさを紹介します!
私はホラー小説を読んだ事が無かったので、”文章を読むことで得る恐怖”
があることを知らなかった。「どうせ大した事ないだろう・・・」なんて軽い気持ちで読んだら、それが間違っている事にすぐに気が付いた。まるで自分が映画を見ているように、その場面がわかるのである。そして読めば読むほど、恐怖を体験できるのだ。ものすごく怖いのに、先が知りたくて読んでしまう。これの繰り返しで、あっという間に1冊読めるのだ。
世間で話題になった「貞子」は本当に恐いということを私が保証します(笑)
たいていの小説というのは、作者が伝えようとしている情景が頭に沸いてくるようになるまで数ページかかる。そして途中、話のスジをじらされたり、
引き伸ばされるところがある。この部分で飽きっぽい読者はページを飛ばしたり、又は読むのをやめてしまったりということが起きる。だが『リング』では
そういうことはない。飽きっぽいという方にもオススメできる。なぜならば
話のおもしろさが20ページ目ぐらいからラストまで頂点を維持したままなのだ。歌に例えるならば、最初から最後まで全部サビのような感じ(笑)なので
、読者はラストまで目が離せない状況が続くのだ。貞子の恐さもすごい!文章という媒体を上手く使って恐さを、これでもか!というぐらいあおるのだ。
普段は本をあまり読まないという方も、きっとこの恐さを体験して最後まで読んでしまうでしょう。
12.浅葱色の風 沖田総司 /里中満智子/中公文庫コミックス
もし人から、「新撰組のマンガで良いのがあったら紹介してくれ」と言われたら、私はすぐに2つを推薦する。
1つは黒鉄ヒロシさんの『新撰組』。そしてもう1つはこの『浅葱色の風』
である。
パロディやかなりアレンジされた新撰組マンガは数え切れないほどあるが、
新撰組の歴史をドラマチックに、史実と合わせて描かれているマンガは意外と少ない。
前者のマンガはどちらかというと男性や年配の方に向いているかもしれない
。後者の『浅葱色の風』は少女マンガなので、どちらかというと女性の方が読みやすいかも。だが別に、少女チックな内容ではなく、戦闘シーンは迫力がありドラマも栄枯盛衰が描かれていて読む者を引きつける。
ストーリーは沖田が中心だが、話の流れは皆さんご存知の通りに進んでいく
。芹沢鴨は切られ、池田屋で過激派浪士を切り、局中法度に反した者は次々と切腹。官軍と賊軍の戦い、近藤勇の処刑・・・そして、その頃の総司は結核で寝たきりに・・・。そんな中、土方がフランス軍式の軍服で総司の見舞いに訪れる。彼の次の行き先は函館・・・。北海道を独立国にするつもりなのだ。
新撰組のことを知っている方や、歴史に詳しい方ならラストまで話がわかることでしょう。この本はそのストーリーを実に爽快に、そして人間ドラマを感動的に描いている。もちろん、歴史に詳しくない方でも全く問題なく読める
ようにわかりやすく描かれているのも魅力ですね。
11.憧れのまほうつかい/さくらももこ/新潮文庫
以前、「ひつじの宝物」の中で”私はミヒャエル・ゾーヴァの絵が好きで、弟子になりたいぐらいだ”というようなことを書いたが、なんとあのさくらももこさんにも同じような事があったのだ。
さくらももこさんが崇拝しているのは、エロール・ル・カインというイギリス人のイラストレータ。題名の「憧れのまほうつかい」とはエロール・ル・カインのことなのだ。この本には彼のイラストがたくさん出ているが、グリム童話など、児童文学書の挿絵を主に描いていたようだ。
さくらさんが彼の作品と出会ったのが高校2年生の時。それから彼の作品に夢中になり、彼の弟子になりたいと強く思うようになる。それを彼女の独特なおもしろおかしい文調で書かれているのが、この本なのだ。カイン氏とさくらさんの両方の作品がたくさん載っていて、絵を楽しむ要素もあり、さくらさんのおとぼけ体験談も楽しめる、1粒で2度おいしい本(笑)
この本を読むまでカイン氏のことは全然知らなかったのだが、本当に彼の絵は素晴らしい!おとぎ話の世界を広げるイラスト、繊細で、ヨーロッパ風・中近東風・アジア風など、お話によって絵柄を書き分けているのだ。これは確かに”まほうつかい”ですね。
10.辺境警備/紫堂恭子/ASUKA COMICS DX
私の大好きなマンガの登場!「ひつじの宝物」の方にもこの本のことが書いてあるので、そちらも見てくださいね。
都から左遷されてど田舎の警備隊長をすることになった主人公。都とは違って、ど田舎には何にも無い。飲み屋だって旅籠屋が1件あるだけだし、着飾った女性もいない。でも土地の人々はすごく親切。こんな辺境の土地でも様々な人生をたどっている人々はたくさんいる。それをあたたかく、鋭く描いた少女マンガである。決して、思いつきで描いたのではなく、きちんと構想を練ったというのが伝わってくる。
人が生きるというのは大変だ。様々な人と出会い、様々な経験をする。時には「自分ってなんてツイていないんだ・・・」と頭を抱える事もあるし、ささやかな幸せを感じる事もある。それを『辺境警備』の物語の中で再認識できるのだ。
この本の世界観は、例えるならば『ハリーポッター』の様に完全に完成されているので、細かい設定も楽しめる。(家の間取り、村の位置などもちゃんと設定されているのだ。)
まだ読んだ事の無い人、これから読む人のために物語の先が見えてしまうことは書きませんが、私の大好きなシーンを紹介させてください。
村には神殿が1つあり、そこには神官さんが1人だけいる。その神官さんは土地の人ではなく、隊長さんと同じく都から来た人なのだ。隊長さんは楽天家で、何があっても上手くかわしていけるタイプなのだが、神官さんはとても真面目な人。人と真正面に向き合い、土地の人々の相談役でもあり、あたたかく
人と接する。20歳ぐらいでまだ若いのだが大きな心の傷を持っている。そんな神官さんが村で起こった悲しい出来事に心を痛める。そして、悲しい出来事を共に味わった隊長さんにこう漏らします。
「隊長さん、笑わないでくださいね。・・・でも不思議で仕方がないのです。なぜ人は望むように幸せになれないのでしょう・・・」
楽しい話も、考えさせられる話もあって、しかもどれも心が温かくなる。辺境の村”西カール”の温かい世界を是非見てほしいです。少女マンガですが絵はクセが無いし、女の子の世界が広がっているようなマンガでは無いので、老若男女関係なく読めますよ。
9.自由への長い道/ネルソン・マンデラ 東江一紀訳/NHK出版
南アフリカ共和国元大統領のネルソン・マンデラの自伝。ページ数が多いため読むのには少し根気が必要だが、彼についての知識が無くても問題なく読め
る。上・下巻の2冊で完結。一冊2500円。2冊買うと5000円。5000円の価値は十分ある本だが今の時代、ちょっと5000円は高い。私は古本屋で半額で購入したが、図書館で借りる事を薦める。
興味深いところは上巻の最初、マンデラ氏の幼少の頃の話と、下巻の投獄
・強制労働時代の話だ。どちらも歴史的にとても価値のある話で、きっと人類が滅びるまで語り継がれていくだろう。
アパルトヘイトがまだあった頃、彼がどういう経験をしたか詳細に書かれている。分厚い本だが文章は難しくないので、興味の無いページは飛ばすという読み方でも是非読んで欲しい本。
私は上巻の中盤ぐらいからの、マンデラ氏の弁護士時代の話は正直言って読むのが大変だった。この部分は内容が少し単調になっているように感じたからだ。自伝にこんな事を言うのも変かもしれないが、読む側としては単調なものより変化のある内容の方が読みやすい。
私が最も興味深く読んだのは投獄時代、情報収集に皆で協力して力を注いでいるところだ。新聞や雑誌をなんとかして得ようとする努力がすばらしい。
投獄されたマンデラ氏達には何の情報も与えられなかったが、閉鎖されている中で与えられる情報は危険である。正しい情報を得る事は、人間社会を営む上で重要だ。
ネルソン・マンデラが自由を勝ち取るまでは、まさに長い長い道のりだが、
それを2冊の本で知る事ができるのだから、少し時間をかけても読む価値のある本だと思う。彼の気さくな性格も知る事ができる。
8.ベルサイユのばら/池田理代子/中央公論社
突然ですが、ベルサイユのばらの感想文です。ついにこのマンガの感想を書きます!!お待たせいたしました(笑)もちろん、「ベルばら」はみれいも読んでいますよ。私は愛蔵版のを買いました。分厚いのを2冊持っていますよ(笑)
有名なお話なので細かい感想をバンバン書いていこうかとも思ったのですが
、「ひつじの本棚」の感想文はマニアックな話じゃなくて、読んだ事の無い人
にもわかってもらえるようにしたいので、あんまりマニアな話にならないようにしていきますね。
このお話は色々な読み方ができると思うんですよ。フランス革命時代のフランスの歴史を考えながら読むこともできるでしょうし、マリー・アントワネットのお話としても読めると思います。でも私はオスカルとアンドレの純粋な
ラヴストーリーとして読んでいますね。
オスカルは男装の令嬢で、美しい容姿を持ちながらも男のように銃を扱い、
乱闘もし、軍を率いて戦う隊長。彼女には従順な召使いのアンドレがいつも
そばにいる。見どころは、貴族のオスカルと平民のアンドレの身分違いの愛
の行方。そして、男勝りなオスカルが、自分はどんなに強がっても女性なんだと気が付いていくところ。あとは、貴族のオスカルが平民のことを認め、
そして最後は貴族の身分を捨てて、平民と共に貴族達を倒すために戦うところですね。
目の中には星があったり、綺麗な人が出てくるとバックに薔薇がたくさんあったりと、昔の少女マンガの基本がたくさんあって男性は読みにくいと思うかもしれませんが、上の3つの見どころは男性でも十分楽しめるんじゃないかと
思います。
私は後半からラストのところが大好きです。ちょっとネタばれ的で申し訳ないのですが、私の大好きなシーンを書かせてください(笑)
アンドレがオスカルをかばって死んだ後、オスカル軍はまだ進まなくてはいけなかった。そこでオスカルは兵達に突撃することを伝え、そしてふとヒトコト言ってしまいます。「アンドレ行くぞ!」と。そして彼女はハッとする。
もうアンドレはこの世にはいないことを。兵達もその言葉にハッとします。
アンドレはどんな時にもオスカルのそばを離れたことはなかったから、オスカルの苦しみは兵達もわかるのです。そしてオスカルは天を仰ぎながら泣いてしまいます。。。
このシーンが1番好きですね。読んだ時、マジで泣きました(爆)きっとこのお話を読めば、あなたの好きなシーンがどこかにあるでしょう。皆さんは、
どのシーンが1番好きですか?
7.マザー・テレサ あふれる愛/沖守弘/講談社文庫
今、本屋に行くと、いわゆる”癒し系”の本というのがたくさんある。かわいらしいキャラクターの絵本だったり、美しい風景の写真集、それから動物についての本だったり。自分が好きな本を選べばいいのだが、現実逃避型の癒しを求めるのであれば、上に挙げたようなタイプがいいと思う。
この本を”癒し系”とするかはわからないが、優しい気持ちに触れられる本だというのは間違いない。しかも押し付けがましい優しさではなく、人間の素直な優しい心と出会える。読後は、さわやかな気持ちになれるだろう。ただ、マザー・テレサがもうこの世にいないというのがとても寂しい。だが、彼女が残してくれた優しさを(彼女の言葉だと”愛”になる)この本で学ぶ事ができる。
マザー・テレサの元にはたくさんのシスターがいる。皆、白いサリーを身にまとい、貧しい人々のために従事している。彼女達は特別、高度な医療技術を身に付けているわけではないし、貧しい人々にお金を分け与えているわけではない。炊き出しをしたり、体を洗ってあげたり、病気の人の最期を看取ったりするのだ。
お腹が痛くなった時にお腹をさすってもらって安心したという記憶。体調が
悪くて起き上がれない時に手を握ってもらってホッとした気持ち。そういうことを感じた時はありませんか?マザーの元にいるシスター達は、そういう”
愛”を貧しい人々に分けているのだと感じる本です。
6.行きそで行かないとこへ行こう/大槻ケンヂ/新潮文庫
なぜか連続して、大槻ケンヂ(笑)彼の人間性は下の本を読めばわかる
が、この本はとにかく笑えます。おもしろエッセーですね(笑)
普段、あまり経験できない事がこの本を読むことによって、あたかも自分が経験したかのような気分が味わえる。
私が1番笑ったのは、ホモ映画館についての話。映画好きな方も、Hな映画を見た方も(笑)、ホモ映画館に足を運んだ事があるというのは、あまり無いのでは?中の雰囲気、映画の内容、どちらも笑えます!詳しい事は読んだ方だけのお楽しみという事で(笑)。決していかがわしい本でも、内容でも無いのでご安心を!
他に、ヨボヨボのおじいちゃんの経営するカレー屋さんのエピソードも笑えます。ヨボヨボおじいちゃんVS大槻ケンヂのカレー対決(爆)
11の短編が集まった、笑えるエッセー集なので気軽に読めますよ。
5.オーケンののほほん日記/大槻ケンヂ/新潮文庫
大槻ケンヂというと、まぁ普通はテレビで見るイメージを思い出すだろう。
ロック兄ちゃんで顔にちょっとオドロオドロしいメイクをして、腕にはイガイガ?のついた、凶器にもなり得るブレスレットを着けて、「オレに近寄るんじゃね〜!」と言われそうな恐そうな人。でもトーク番組に出ると話は意外と面白い。こんなイメージを持っている方が多いのでは?
でも、この本を読むと彼の本当の性格?気質がわかる。「別に大槻ケンヂのことを知ってもしょうがないよ・・・」と思う方には縁の無い本かもしれない。私は別に彼のファンでも無いので、彼の日常を知りたいと思って読んだのではない。この本を読んだ理由は2つ。1つは、彼の書く文章はセンスが良い。(自分の感覚に合っている。)2つ目は、彼の意外な苦悩との戦いを知る事ができるのだ。
彼の意外な苦悩というのは、彼はうつ病で、神経症なのだ。心理について知らない方は、その言葉を偏見の目で捉えてしまうかもしれない。まぁ簡単に言えば、神経質で、時々何をするにしても億劫になってしまうという精神的なもの。そういうものを抱え込んでいる彼の闘病ロック生活日記というと、わかりやすいかも。(わかりにくい?)
日々、彼は自分の心と戦っている。それが時に笑えたり、へんてこだったり、真剣だったり、病気に負けてしまったりする。彼は自分の心を鍛えるため、色々な文献を読み、そして実行している。肉体的にも精神的にも強いとは
言えない彼の、その苦悩との戦いは身近なものに感じる。
この本を読んで知った事なのだが、元レスラーのアニマル浜口さんは以前うつ病だったらしい。これは本当に驚いた。彼の豪快な雄叫びと鍛えられた肉体からは、全く想像できない。それからもう1つ驚いたのは、アニマル浜口さんは、うつ病を「ひたすら自転車こぎ」と「ひたすらお経を読むこと」で克服したというのだ!すごすぎる!!
人間って複雑な生き物だなぁと考えた事はありませんか?私はたくさんあります。人間が生きていくには、かっこいいことばかりやっていられない。良い日もあれば、悪い日もある。そんな日常は”ロック兄ちゃん”にもあるんだなぁとしみじみ思いますね。
4.フルーツバスケット/高屋奈月/花とゆめCOMICS
表紙の絵の通り、絵は少女マンガの王道をいっている。目が大きくかわいい女の子。かっこいい男の子もたくさん登場。少女マンガをしばらく読んでいなかったので絵を見て、読むかどうかためらった。だが読んで本当に良かったと思う。今は、このマンガばかり読んでいます(笑)
主なストーリーは、異性に抱きつかれると十二支の動物に変身しちゃうという変わった血筋を持つ人たちがいて、主人公の女の子がその一族と関わっていくというもの。
これだけ聞くと、「バカバカしい・・・」と思われるかも。だけど、このマンガは別に「異性に抱きつかれると変身しちゃうよ〜。困った〜。」という内容がメインではないのだ。これはあくまで話の骨組み。
登場人物は皆、何かしらに苦しみ、悩みながら生きている。その、苦しみながらも生活し、人と関わっていく様がこの本の見どころなのだ。悩みを隠す人もいれば、逆に明るく生きる人もいるし、悩みをポツリと漏らす人もいる。悩みに押しつぶされそうになった時、人はどうやって切り抜けていくか?その答えは、様々な性格の登場人物が出してくれている。壁にぶつかり、ドロドロになって切り抜けていこうとする姿に、マンガながらも泣ける。主人公の女の子の健気さ、頑張りに自分も励まされてしまう。
マンガにはどうしても、人によって絵の好き嫌いがあると思うが、10代、20代、30代の人にオススメできる内容です。
3.河童が覗いたインド/妹尾河童/新潮文庫
妹尾河童さんの本は『少年H』が有名だが、私はあえてこっちを読んだ。
私は本を選ぶ時、著者の代表作から読むという事はしない。自分の感覚
(この感覚を言葉で説明するのはちょっと難しいが、読んでいてしっくり
とくる文と、そうでない文がある)に合う本なら有名でなくても、ベストセラーになっていなくても手にしてしまうのだ。この本は私の読書の感覚に
ピッタリだった。
題名の通り、この本は作者のインド旅行記なのだが実に詳しく、偏見の無い
、ありのままのインドが紹介されている。インドを知ろうとするならば、インドのガイドブックを見るよりもこっちの方がいいのでは?と思うぐらいだ。
本を開いてビックリするのは、イラストの緻密さ!!全体の3分の1ぐらいは作者のスケッチなのだ!泊まったホテルの部屋、出会った人、歩いている
人、寺院、町を歩き回っている野良牛?(笑)、町の風景、露店、看板まで
何でもスケッチされている。その全てのスケッチが細かくて、正確なのだ。
著者はどうやら好奇心旺盛で、しかも全く気取らない人みたいである。日本人ならばチョット敬遠してしまいそうな屋台の食べ物を食べ、面白そうな物があれば近づく。泊まるホテルは安いホテルだったりする。キレイな物もキタナイ物も詳細にレポートしている。これが面白い。
最後まで読めば、インドのとてつもないお国柄がわかる。著者も言っているがインドというのは、どうやら他の国には無い独特な文化を持っているみたいだ。それで、訪れた外国人はインドが好きか嫌いか、キレイに別れるという
・・・。
著者は生のインドをなるべく偏見が無いように、意識して、正確に伝えている。私はインドパワー?のすごさと、作者の1センチも違わないような
正確な情報伝達の2つにビックリした。私には、インド旅行はどうやら
難しそうだ・・・。
2.三国志/横山光輝/潮出版社
歴史物というと、新撰組か三国志を読んだ方が多いのでは?私もその一人
です。横山光輝・三国志に出会ったのは中学生の頃。ラッキーな事に兄が
全60巻を持っていたのでタダで全てを読めた。あっという間に壮大な歴史
物語にハマッた。
頂点に立つ英雄の下に、知のかたまりのような軍師。その指揮に従い戦う
武将。この構造が気に入った。人間ドラマは複雑だが、人が登りつめていく
様、戦略の駆け引き、あっけなく命が散る英雄に目が離せない。
登場人物は相当な数だが、三国志が好きな人にはたいてい自分のお気に入り
の人物がいると思う。私が好きなのは、軍師の徐庶。名前を聞いただけで
わかった人は相当読み込んでいますね(笑)同じ軍師でも孔明は神のような
存在だけど、徐庶は人間臭さがある。そこが好きなのである。
高校生の時、本気で「兵法の1つでも学んでおかなくては!!何かで役に
立つかも!」と思った・・・。本気で・・・(笑)そして本屋に行き、5000円以上もする分厚い『三国時代の兵法』とかなんとかいう本を立ち読みし
た・・・。本気で読んだ(笑)ものすごい満足感を得たが、その時学んだ
兵法は未だに役に立っていない(爆)
話はそれてしまったが、孔明の死と蜀の国の衰退に歴史の儚さを学んだ
ような気がした。
1.シャーロックホームズの冒険/コナン・ドイル 延原 謙訳/新潮文庫
なぜ、この本を手にしたかというと、「表紙のセンスがいいから」「パン
ダのキーホルダーが欲しかったから」の2つである。つまり新潮社の戦術に
まんまとかかったのだ。
小学生の頃、私は完全な「ルパン派」だった。それは、親友がルパンに夢中
だったからという幼稚な理由で、ホームズには全く手をつけなかった。それ
が10年以上も経った今、新潮社のワナに綺麗にひっかかり、読み出したの
である。
外国の本のおもしろさの重要なポイントの1つは訳者の翻訳力だ。これに
より本のおもしろさが変わってきてしまう。ホームズの場合、出版社によって
訳者が違うみたいだが、私の手にした新潮社のホームズはそれの心配は無い。
というより、上手い!!
いつの間にか夢中になり、先が知りたくなる。こんな面白い本があるという
ことを知らずにいたということに後悔したぐらいだ。
この本は10の短編が集まっていて、簡単に言えば全部面白いのだが、私の
お気に入りは「赤髪組合」「オレンジの種五つ」。どちらも先のわからない
面白さがラストまで続く。だがラストで急展開!!「えっ!!」と思う、
その一瞬で話の全てが繋がるのだ。そして話は静かに終わる。
読んだ後の安堵感が私は好きだ。
推理小説ってこんなに面白いのかと思わせられる一冊!